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11 遺品


 町長さんのお話しでは、家財やら何やら、この家にあった目ぼしいモノはリフォーム資金として全て売却済みとのこと。


 ただ、その際に買い手が付かなかった諸々が町の共有倉庫に置いてあるとのことで、


 目録を拝見させてもらいましたよ。




「……内容不明の書類」


 フェリシルスさんの目がキラリと。



「ほう、重要なモノですかな」


 町長さんの目がキラリと。



 えーと、以前聞いていたアランさんのお話しでは、


 こちらの町長さんは、悪い人ではないけれど、その、少々お盛んなようでして。


 あの通り、フェリシルスさんをロックオン状態でして。


 あー、イオちゃんが女性の敵殲滅モードに入る前に、なんとかせんといかんね。



 ってなわけで、渋る町長さんを急かして遺品を譲り受けるための手続きを大急ぎで済ませて、


 きょとん顔のフェリシルスさんを連れて脱出、ってか、救出。


 すごく聡明そうな人なのですが、こういう無防備なところが学者さん、なのかも。




「よろしかったのですか、あのような高額で引き取り許可権の購入をしていただいて」

「今回の手続きに掛かった諸費用は、後ほど経費として私どもの方で……」


 いえいえ、大事なのはこの町が平穏であるってことですから。


 乙女の涙とか殲滅モードで血の雨とか、


 その手のアレな事案はこの町ではご勘弁なんで。



「よくは分かりませんが、ありがとうございます」


 はい、とりあえず町の共有倉庫ってとこに行ってみましょうか。



「お見事でした、アマツさん」

「乙女救出からの流れるようなルート進行」

「成長しましたね」


 はい、嫁ふたりにビシバシ鍛えられてますから。


 今度ソッチ方面のステータスも確認お願いね、イオちゃん。



「?」



 いかにも学者さんっていう雰囲気の才媛フェリシルスさん、


 きょとん顔すると、本当に可愛らしいですね。



 ---



 町の南側、町外れにある共有倉庫。


 共同で使われている農業用大型魔導具やら、


 町のお祭りで使われているなんやかんやが、


 雑多に放り込まれております。


 で、遺品が入っている木箱は、と。



「アレかと」


 ありがとね、イオちゃん。



 よし、木箱に貼ってある番号と引き取り書類との合致を確認。


 ふむ、俺ひとりで持ち運べそうな大きさですし、


 いっちょ頑張っちゃいますか。



 では、


 ふんぬっ、



 ---



 あー、書類の束がパンパンに入ってる木箱の重さ、舐めてた。


 日々の鍛錬やら、コッチに来てからのレベルアップやら、


 そんなの関係ねえっ、ですよ。


 重いもんは重いっての。



「フェリシルスさんの前でイイとこ見せようとした気概は評価」

「しっかりと筋力と持久力の経験値にもなっているので、そこも評価」


 ……ありがとね、イオちゃん。


 出来ればヘルプの目配せも察してほしかったよ。



 そんな感じの臨時3人パーティー、無事に遺品をゲットして我が家へと帰還。



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