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 友達と呼ぶほど親しいってほどじゃない、なのに何年も何年も彼女は私と休みを会わせさせ、郊外へ買い物にいく。

 最初から私は彼女に冷たく言うのが店員にも引かれるほどだということはおいおいわかってきたが、「試着をしなさい」大きすぎる小さすぎるは、体に合わせて鏡を見ただけで買うなとなんどもなんどもいって聞かせなくてはいけなかったからだ。

「サイズがMでもメーカーによって、いや、流行によっても微妙に違うから」

「でも、MはMでしょ」と嫌がるのだ。


「胸に切り換えがあるのが可愛い」という彼女に「胸の上に切り換えがあるのは、胸の小さい人や華奢な人が似合う、似合わないよ」

「流行りだし」

「ギャザのゆとりがお腹に膨らみができるから太って見えるよ、試着しなよ」

「ダルい」

 こういう会話が半日お店を出ては次へ出ては次へが続くのだ。


「ああ、買った買った」と、フードコートで軽食をとる彼女から奢られたことも一度もなかった。「よかったね」と苦悶で私は紙袋を見つめる。私が「似合うよ」と言ったものはやはり、レジにまで行って買う姿を見たことがなかったから。


 彼女自分のチョイスで服を選んだのはその後、ハガキで来た純白のドレスだった。

「似合わねえ」

 洋服が選べたのだから荷が下りた軽さに、ハガキごとゴミ箱に捨て入れるところだった。

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