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第二章 第五話 ギルドで仲間を募集だ。

 〜勇者ノア視点〜




 俺こと勇者ノアは、城下町で兵士を殴り、やらかしてしまった。ヘルドッグを放たれてしまったが、どうにか倒し、逃げるように城下町を離れたのだ。


 そしてようやく目的地である隣町に辿り着く。

 

「ようやく隣町に辿り着いたようだな」


「久しぶりの町だ。お父様、先に宿を取りましょうよ。私、長旅で汚れているから早くお風呂に入りたい」


「親父、宿よりも飯を食いに行かないか? 俺は腹が減ってしまった」


 町に到着した途端、娘のハシィと息子のトロイが、それぞれ自分がしたいことを言う。


「おい待て。ギルドに行って仲間を募集するのが先だ。そのためにここに来たのだぞ。勇者であり、親でもある俺の意見を優先すべきだ」


 親の権限を使い、優先すべきはギルドだと言う。すると子どもたちは嫌そうな顔をした。


 チッ、風呂や飯なんざ、後でもできるだろうが。優秀な冒険者は待ってくれないんだぞ。


「いいか! こうなってしまったのも、お前らの責任でもあるのだからな! ハシィは魔力が弱くなって威力が激減しているし、トロイは名前どおりに動きが鈍くなっているじゃないか」


 俺は声を荒げて二人を叱る。


「それはそうだけど」


「だけどそれは親父も同じじゃないか! 以前の親父と比べ、どこか弱くなっているような気がする」


「それは年のせいだ! 若者であるお前たちが弱体化したのと一緒にするな!」


 図星を刺された俺は、息子に論破された羞恥心と怒りで、年のせいにする。


「とにかく、ギルドに向かうぞ! これは決定事項だ」


 二人が自分勝手な行動に出ないように掴み、ギルドに向けて歩く。


「痛い、お父様。わかったから乱暴に腕を引っ張らないでよ」


「痛い、痛い! 素直に着いて行くから、髪を引っ張るのだけは止めてくれ! ハゲる!」


 子どもたちが悲痛の声を上げるが、俺は信じられない。


 ハシィもトロイも、小さいころから自分の思いどおりにならないと、すぐに逃げ出すことがあった。今回も同じ手を使ってくるに違いない。ギルドに着くまでは、絶対にこの手を離さないからな。


「いだいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! 髪が抜けるうううううううううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」


「ぎゃー、ぎゃー喚くな! 近所迷惑だろうが!」


 ぎゃー、ぎゃー喚き散らす息子の声を聞き、俺は苛立ちが募ってきた。


 二人を引っ張りながら道を歩いていると、ご婦人たちが俺を見てヒソヒソと話している姿が見えた。


 くそう。トロイのせいで恥を掻いているじゃないか。いい年した男が髪を引っ張られた程度で泣きやがって。


「いい加減に泣き止め! 成人した男がみっともないだろうが!」


「だったら髪から手を離してくれよぉ。引っ張るのなら、ハシィ見たいに手でいいじゃないかぁ」


「一々掴み直すのが面倒だろうが。俺に無駄な労力を使わせるな」


 二人を引っ張ること十数分。ギルドに辿り着いた俺たちは中に入る。


「ハシィ、さっさと仲間の募集をして来い!」


「わ、わかったわ。募集の手続きをしてくる」


 二人を解放すると、俺はハシィに仲間募集の手続きをしてくるように命令する。


「さてと。それじゃあ俺は、あそこにある席にでも座るとするか」


 ハシィが受付に向かい、手続きを終えるまでの間、俺は椅子に座って踏ん反り返る。


 仲間募集の手続きは、十分もあれば終わるはず。そうすれば、秒で仲間依頼が殺到するだろう。


 なるべくなら、二十代から三十代の熟練の冒険者がいいな。十代後半となるとハシィやトロイのように、俺の子どものように扱ってしまうかもしれない。そうなれば甘さが生まれ、厳しく指示を出すことができないかもしれない。


 そしてできることなら、文武両道な人材が見つかってほしい。


 性別は男がいい。もし、仮に女性の冒険者を採用し、俺の魅力に取り憑かれて恋愛対象になっては困るからな。


 だけどまぁ、どうにもならなかった場合は、ちょっと遊ぶぐらいはいいかもしれないなぁ。愛する嫁がいる中、禁断の愛に溺れるというのも面白い。


 俺は頭の中で想像すると非常に興奮した。感情が昂ってしまったのか、久しぶりに俺のムスコが元気になる。


 お、俺のムスコはまだまだ現役じゃないか。もし、好みの女が現れたら、宿屋に連れ込んで一発やるのもいいかもしれないなぁ。


 きっと俺は下卑た笑みを浮かべているだろう。だけどこれはしょうがない。想像すれば想像するほどニヤニヤが止まらない。


 しばらくすると娘のハシィが戻ってきた。


「どうだ。上手く募集内容をかけたか?」


「バッチリよ、お父様」


 ハシィから仲間募集の紙を受け取り、内容をチェックする。


『勇者パーティーの仲間大募集! 腕に自信のある方、有名になって名声を上げたいと思われている方は、ギルドに書類を提示してください。報酬金額の分け前は全員で均等に分ける決まりになっております。不公平なことは一切ありません』


「完璧じゃないか。さすがハシィだ」


「でしょう。応募者数を増やすために、聞こえのいいことばかりを書いてみたわ」


 本当に、息を吐くように嘘を書きやがる。


 俺たちのパーティーは、家族以外は公平な扱いをしない。報酬金額の取り分は俺たちが九割、残りが新しく仲間になったやつの取り分になる。そして最初は世界を救うということが、どんなに大変なことなのかを教えるために、どんなに優秀であろうとも、荷物持ちから始めるのだ。


 まぁ、俺好みの女を採用した場合は、一発やらせてくれれば公平に扱ってやるけどな。


 勇者パーティーは俺がルールだ。


 さて、どれだけの人数が集まるのだろうか。今から楽しみだぜ。


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