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第二章 第二話 お姫様救出

 〜ウルク視点〜




 まさか、キルケーがこことは違う別の世界からきた女の娘だとは思わなかったな。


 だけど、これで彼女のおかしな言動にも、どうして俺のオートスキル【人生ダイス】のことを知っていたのか、その理由に納得することができた。


「キルケー、いい加減に離れてくれ。囚われのお姫様を探さないといけないのだから」


 彼女の話を信じた俺は、なぜかいきなり抱きつかれて身動きが取れない状態になっている。


ウルク(ピグレット)は私の攻略対象なのだから、もう少しこうしていたいところだけど、やりすぎて好感度が下がるのも困る。仕方がない。ここは言うとおりにするよ」


 意味のわからないことを呟きながら、キルケーは俺から離れてくれた。


「とりあえずはヘカトンケイルが座っていた玉座を調べてみようか。RPGゲームでは、玉座の下に隠し階段があることもあるからね」


 異世界の言葉だろうけど、キルケーの言うことがときどき理解できなくなる。だけど、玉座を調べろと言っているのはわかった。ここは彼女の言ったことを試してみるか。


 玉座に近づき、押してみる。すると玉座は思っていたよりも重かった。


 この玉座、見た目よりも重いな。もしかしたらキルケーの言ったことは本当なのかもしれない。ここは肉体強化を使って押すか。


「バフロール」


 スキルを発動させ、サイコロを転がす。


 戦闘ではないから、クリティカルに拘る必要はないよな。魔力操作は最低限にするか。


 魔力操作を行い、発動する魔法を肉体強化のエンハンスドボディーにする。そして続いて判定ロールをした。


 十の位のダイスは四、一の位のダイスは八、四十八で成功だ。


「エンハンスドボディー」


 肉体強化の魔法が発動し、俺は再び玉座に触れるともう一度押す。すると玉座は動き、地下に通じる階段が顔を出した。


「マジかよ。玉座の下に階段があった」


「どうだい! これが子供のころからゲームで養った知識だ。元の世界では使えない知識だけど、異世界では効果が絶大だね」


 キルケーが俺を見ながらドヤ顔を晒す。


「それで、そのゲームだったか? その知識だと、お姫様がいる場所は地下のどこにいるんだ?」


「そんなの知る訳がないだろう」


 お姫様の居場所を訊いてみると、彼女は知らないと即答する。


「知らないって、玉座の下に階段が隠されていることも知っていたじゃないか? それに玉座の間に、ヘカトンケイルがいることも予測できていただろう?」


「あのねぇ、ゲームの知識は万能ではない。あくまでもそう言った傾向があるとしか言えないんだよ。おそらく牢屋に閉じ込められていると思うけれど、その牢屋がどこにあるのかまでは分からない」


「そっか。便利そうで使い方が難しいな。とりあえずは階段を降りて隅々まで探すか」


 俺とキルケーは階段を降りると、直ぐに地下二階に通じる階段を発見した。


 ここのお城はまだ地下が続いているのか。だけど先に一階を調べたほうがいいよな。


 地下二階を無視して、俺たちは先に地下一階を歩く。すると複数の牢屋がある部屋を見つける。


 ここのどこかシャルロット姫が幽閉されているかもしれない。


「シャルロット姫! 聞こえますか!」


「だ、誰!」


 声をかけると、シャルロット姫だと思われる女性の声が耳に入る。その声は一番奥から聞こえてきた。


 一番奥にある牢屋に向かうと、鉄格子の中に一人の女性が閉じ込められていた。


 金髪の髪に青い瞳の彼女はとても美しい顔立ちをしているが、全体的に痩せ細っている印象だった。着ているドレスはボロボロで、酷い目に遭ったということが一目で分かる。


「シャルロット姫、助けに来ました。ここの牢屋を破壊しますので、離れてください」


 お姫様に離れるように言うと、俺は錠前を掴んで破壊する。


 肉体強化の効果が残っていたお陰で、もう一度バフロールをせずに済んだな。


 金属の扉を開けると、シャルロット姫はゆっくりと俺に近づく。


「見た目よりもお強いのですね。まさか素手で錠前を壊すなんて」


「肉体強化の魔法を使っていただけですよ。それよりもお手を」


 手を差し出すと、シャルロット姫は俺の手を握る。その瞬間、彼女を引き寄せてお姫様抱っこをした。


「あ、あのう。これはいったい!」


「すみません。ずっと牢屋に閉じ込められていたので、歩くのは大変だと思い、こうさせてもらいました。もしかして迷惑だったですか?」


 お姫様に尋ねると、彼女は首を左右に振る。


「いえ、急だったのでびっくりしてしまっただけです。ありがとうございます」


「ムゥ、ウルク(ピグレット)! これは依頼だから大目に見るけれど、あんまりフラグを立てないでくれよ! ただでさえ、王道な行動を取って一つのフラグが成立してしまっているのだから。もし、シャルロット姫がチョロインだったらどうするつもりなんだ!」


 隣を歩いているキルケーが、再び意味の分からないことを口走る。


 頼むから異世界の言葉で話さないでくれ。俺にも理解できるように話してくれよ。


 心の中で彼女に軽く文句を言いつつも、俺たちは廃城から出て行く。


 最後まで読んでいただきありがとうございます。


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