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初恋が切れたら

作者: taiyo


彼と離れて、もうどれ位になっただろう。

それなのにまだ、初恋の期限は切れずにいる。


この物語は、結局のところそんなにパンチの強い話ではない。

一方的な片想いをしていた、想いを伝えることもできなかった、そんな愚かな人間の話と言う事だけは伝えておこう。

彼と離れて、私は今普通に生きている。生きることができる。

だから、そんなに複雑な執着を持っているわけでもないし、そんなに彼と言う存在を求めすぎているという訳でもないと思う。

そんな好きだったのだら、私はとうに彼に告白しているはずだし、これほどもやもやした気分でもないはずだから。

なのに、それでもまだこの恋の期限が切れずにいる、その理由を、話していこうと思う。


学生時代、私は好きな人がいた。

わたしと同い年の、狐目をした深緑色が似合う少年だった。

最初は憧れでしかなかったが、それは何時しか恋慕の感情へと変化していった。


恋する想いとは、私が思うに、決して綺麗でも、醜くも無いのだ。

ただただ彼を思っているような綺麗すぎる恋心は、それはもう憧れと言っても過言ではないような気がするし、だからと言って、相手の心を無視して思い続ける程の感情は、もはや恋慕を超えて、独占欲、執着心の面の方が強いように思う。

いや、決して恋慕の気持ちが決まっているわけでもないし、私とて、その時々によって、その恋心が醜く思えることもあるし、汚く思えることもあるだろう。


現に、彼を見て、ただただ近くで彼を思い続けることのできた時の私の恋心は、最初はとても綺麗で美しく思えたが、どんどんそれが身に食うくなっていってしまうように思えて、私は耐えられなかった。

だが、今思うと、どんなに醜くとも、人を好きになり、人を想う事ができる、人に優しく、暖かい感情を持てるというのは、とてもとても綺麗で良い事なのだ。


恋をしているとき、その心が綺麗なのか、醜いのか、分からなくなって、結局醜いを選んでしまう事が多々ある。

だが、人を好きになれるって、とても幸せで、苦しくて、それこそ、人間が生きていると言う事の証なのだ。

情とは、とても苦しく、大変で、本来必要のないことなのかもしれないが、今の私たちにとってそれは、とても大切な事なのだと思う。

だって、そんなものを持っている人間は、とてもとても綺麗だ。


私が彼に恋をしたのは、何時の頃だっただろうか。

彼を眺めて恋をしていたころは、それはきっと一目惚れなんだろうと思っていたが、多分それは違う。

確かに、一目見た時から、彼の容姿には惹かれるところがあったし、今でも、むしろ彼によって私の好みが形成されて行っていると言っても過言ではない。


だが、これが恋となったのは、多分違うものだ。

私は恋と言う物は、形がないから、きっとこれを『恋』と名付けた時が、恋に落ちた時なのだと思っている。

だから、心の奥底で、「これが『恋』だ!」と思った時が恋なのだ。

……恥ずかしいことを言っている自覚はある。

だがまあ、今になると、そんなもの覚えていない。

というか多分、日常の中で、頭の奥の片隅の方で、ひょいと転がって行ってしまっていたのがその言葉だったのだろうから、憶えていないのも当然なのだろうけど。

多分『恋』ってのは、日常の中に急に転がり込んでくるものなのだから。


でも、『好き』って思った時は、結構沢山覚えている。時系列はさすがに忘れてしまったけれど、

例えば、優しく深い緑色が似合う、綺麗な笑顔を浮かべた彼に見惚れた時。

薄い桜色をした唇が綺麗に持ち上がってえくぼを作って、いつも吊り上がった目をが細くなって、少しだけ目尻が下がるのを見て、私に向けたものではないのに、胸が高鳴って、『好き』って思った。

何ともこそばゆい思い出だけど、一番綺麗な『好き』は、多分これ。

『好き』も、その時々の形で、綺麗なものと、ちょっぴり醜いものもある、


でも多分、彼を一番多く『好き』と頭の中で繰り返していたのは、中等部3年の頃。

私はそのまま高等部に上がるつもりでいたが、彼は違って、どうやら、新しく他の学校の高等部に受験するつもりらしかった。

と言っても私は、彼に恋をしている少女Ⅾでしかなかったので、全然話したことも無く、偶々同じ授業だった時に、本当に偶々隣の席に座って、偶々世間話をしたときに掴んだ情報だったのだけれど。

まあ、こういう所で「友人との会話で小耳にはさんだ……、」的なお約束展開でないのも、きっと私の恋が実らない要素の一つなのだろう。

もはやヒロインらしさの欠片も見当たらない。


だがこの時、私は私の中で、たった一人のヒロインだったのだ。

いや、当時私は「人間になりたい」という、自分をへりくだるような人間だったので、これは心の奥底で実は……のように思っていたことなのだ。

人間、意外と自分が大事である。


さて、話に戻ろう。

私はその話を聞いて、実は受験勉強を少しだけやって、もしやる気になったら本気で始めてみようかしら、なんてなんとも緩い考えを持っていた時期でもあったので、彼が受験しようとしていた学校が、その私の考えていた学校の一つでもあったので、「私もその学校、受験するつもりなんですよ。」と答えた。まあ、接点を作りたかったのもあった。


すると、彼が塾で得た知識を一生懸命話してきて、私はそれについていくのが精一杯で、自分の甘さを知ることになった。

そして、「私も」なんて言った自分を恥じた。

彼はこんなに一生懸命頑張っているのに、何が『同じ』か。

少しでもこの恋の感情で、彼の努力を種火にしようとした自分が、悔しいほど嫌になった。


私はそれで、受験するのをやめた。

こんなちょっぴりしか努力していないのに受験するだなんて自分が恥ずかしかった。

だけど、どこか本当は、努力するのが面倒くさい気持ちもあったんだろうなと思う。

じゃないと、今からでも努力して、彼と同じ学校に行こうなんて愚かな気持ちが、湧いて来ていただろうから。

でも、私の恋心のせいでもあると言うのも理解している。ちょっぴり綺麗で、ちょっぴり醜い。

人間なんて、そんな物なのだ。

悪にもなり切れず、善にもなり切れず……そういう事だ。


さて、彼の事を思い出してみよう。

彼はいつも深緑色の服を着ていた。

それがとても似合っていて、とても優しい色で、この世に深緑色があって良かった、なんて、今思えばちょっと恥ずかしいことを思える程だった。

得に近くで見た彼は、優しい肌色に、綺麗な狐目が特徴的な、優しいのにどこか悪戯っ子みたいな、鼻筋の通った、中性的でカッコいい顔をしていた。

緊張して、あまり話せなかった自分が、少し嫌になる程、綺麗な顔をしていた。

……もしかしなくても、私は面食いだ。


しかも彼は男子にしては結構優しい方で、人を心配していたり、助けていたりする所を見るのも、少なくはなかった。

でも特に仲の良い、『親友』と言っても良い子がいて、その子といるときは、ほんのちょっとやんちゃになった。

それが彼の素のように思えて、たとえ小さいころからの親友で、男であろうとも、少し妬けてしまうくらいだった。

ようするに、彼に素を出してもらえるほど仲良くなれなかった。

口下手な自分にここまで嫌気が差したことがあっただろうか……いや、結構あったな。

とにかく、とてもいい人だった。

好きになってしまったのも仕方がないんじゃないか、と思ってしまうくらい。


でも、彼はとてもモテる、なんて言うほどではなかった。

何だかよく分からないが、全体的に少し影が薄かったのだ。

なんと言えば良いだろう……日本人らしいやや堀が少ない、所謂塩顔系男子だったからだろうか?

なんと言うか、透明感のある、儚さがある人だと言うか……まぁ、素の性格は、人間であるのだからそんなことは無かったと思うのだけれど、彼が特筆してモテるような人間ではないことに、安堵を覚えていた。

……性格悪いな。


だけどとにかく、要するに、先ほども言ったように……まぁ、顏が好みドストライクだったのだ。

薄い桜色をした唇が綺麗に持ち上がってえくぼを作って、いつも吊り上がった目をが細くなって、少しだけ目尻が下げて……こんな笑顔を出す一つ一つの動作から、なんと言うか好きだった。好ましかった。


ギャップも好きだった。

少し細身の体なのに、結構早く走る彼は、少しカッコいいなと思った。

足が速い人間に好意を抱くなんて、現実にはあり得なくて一生かからない魔法だろうと思っていたけれど、いとも簡単に蝕んできたそれに、目を白黒させた。

うん、なんと言うか……彼を好きになってしまうのは、今になれば必然だったのだろうなと思う。


ほんの一瞬目が合ったような気がしただけで、胸が高鳴った。

慌てて目をそらしたりして、もう一度見たら、彼はそこにいなかったけど……なんて言う少女漫画的なナレーションを頭の中で50回は再生した。もっと多かったような気もする。


一度、隣の席になった事もあったか。

席替えで彼の隣に座って、彼の隣に座れたことがうれしくて、授業中、不良みたいにチラチラと彼を盗み見たのを覚えている。

と言っても、最初はできていたものの、どんどん思いが募って行って、最後にはチラリとも右隣を見ることができなかった。


そう言えば、結構苦い思い出もある。

その次の席替えの時、席を離れようとしたら、確か彼が、「寂しくなりますなぁ」と言ったんだ。

私は偶々その時、彼と離れる寂しさを紛らわせるために、「席替え楽しみだね!」と言って、その言葉に重なっていた。

……すごくタイミングの悪いことをしてしまったものだと思う。

彼が気まずそうに目をそらして、「そうだね」と言った時には、今にも崩れ落ちて泣き出しそうな気分になった。

ああ、今でも思い出したくない。これがトラウマと言う物なんだろう。


自分はただのモブでしかなかったし、ヒロインでもなかったけれど、貴重にも同じクラスだった彼に接触する機会は、意外にも何度かあった。

席替えの時のように苦い思い出もあったが、その大半は腹の奥が「きゅう」と切なくなりながらも幸せなもので、今でも無意識にふにゃふにゃと笑ってしまう。

人がいるところでやってしまうときもあるので、不審者だと思われていないことを願う。


例えばあれは、音楽の授業で、彼の後ろ斜め右の席になった時の事だ。

彼の横顔がよく見える席だった。たまに笑っているところを見るのがすごく幸せだった。

先程も言ったとおり、私は彼の笑顔が大好きだったので、それを眺めればニヤニヤしていた。

……心底気持ち悪かったことは、自分でも分かってる。何も言わないでほしい。


授業を真剣に受ける後ろ姿は、やっぱりカッコ良くて、こんな幸せな席をとれた自分の運の良さに、歌う声がいつもより弾んだ。

そうして眺めると、ああ、やっぱり私は彼の事が大好きなんだと言う事を、再確認させられる。

新しい表情を知る度に、「大好き」って気持ちがあふれてくる。

きっと私なんかの恋なんて、叶わないと分かっていても、それでも。


恋ってのは不思議なもので、どんなに長く思っても、彼を思ってしまう心は変わらなかった。

理科室の席で彼の隣にまたなって、将来の夢が同じだ、なんていう話とかをした。

嬉しくて、楽しくて、幸せで。


だけど、そこで彼と仲の良い女の子も同じ班だった。

彼と女の子が仲良さげに喧嘩腰で言い合って、その度彼が私に向かって、「君は優しいね」と言ってくれた。

すごく嬉しいのに、それが彼女との喧嘩の過程にある言葉だと分かっていて、悲しかった。


今思い返せば当たり前かもしれないと思うけれど、当時の私にとっては割と複雑だった。

私はそのしっかりと芯を持った、よく私と話してくれるその女の子の事が割と好きだった。

彼女とはずっと友達でいたいと思っていたし、あまり人と遊ばない私が、よく一緒に遊んでいた。

なのに嫉妬した。すごく、すごく。

正直、戸惑った。


いや、あの時も、本当はこういう事が当たり前だと思っていたのかもしれない。

だけど、恋と言う一つの感情だけで、友達を邪魔だと思ってしまう自分の心に、絶望したのだ。

彼の事が好きだった。

だけど、それは大切な友人を失ってまで手に入れたいものなのだろうか。


それは大きく私の恋心を揺さぶった。

でも、恋心は砕けなかった。

恋心とか、友情とか、それは感情の一つでしかなくて、私がこの一瞬だけ感じているような儚いものだけれど、すごくすごく、大切なのだと、多分私はこの事から知れた。

そんな複雑なもの、手に入れたくなかったのだけれど。


でも、恋心と言う物は単純でもあった。

その単純な感情のおかげで、私は人と関わることを知れた。

いや、元々全然関わらないなんてことでは無かったのだけれど、そんなに積極的な方ではなかったし、放課後同級生と買い食いするなんて言う、ザ・青春みたいなエピソードも、校則違反だからと避けていた。

うちの学校は緩い校風だったので、そんな人間は、割と珍しかったんじゃないかと思う。


だが、彼に恋をしてからそんな私の性格は少し変わった。

公園で、同級生と一緒に買い食いしたものを食べて、世間話をして、少し遊んで。

そのおかげで女子の割にはサッカーが上手くなると言う、何とも微妙な成果が出たりまでした。


クラスメイトと遊ぶことが楽しかった、と言う理由が勿論一番大きかったけれど、それについて行く理由の一つには、確実に彼の存在があったのだと思う。

彼の遊んでいるときの、ちょっぴり悪戯っ子がすごく好きになって、何より、笑顔を見る機会も増えた。

やっぱりすごく好きな笑顔だなと思った。

自分ながらものすごく単純だが、そんな、学校の楽しささえ知れて、彼を好きになった私は、とても幸運だったのだと思う。


ああそう言えば、そんな「好き」を、一度好きじゃない事にしようとしたことがあったっけ。

あれは、彼が眼鏡をかけ始めた時だったか。

私は小説が好きで、その頃、「推し」と言う観念を知り始めたのだ。

「推し」ってことにしていたら、すっごくカッコよくて、可愛くて、綺麗で、もしかして、彼は本当はこの世界の人間ではないんじゃないかって、ちょっと可笑しなことを考えてばかりになった。


でも、そうする事で彼の良い所も悪いところも、もっともっとたくさん知ってしまって、結局その「推し」と言う観念が、私にとっては恋心を増強させるだけの物だったことに気づいて、やめたのだ。

凄く面白いことをしていたな、と自分でも思う。

なんだか滑稽だ。

だが、眼鏡をかけてもっともっとかっこよくなった彼に、そんな事を考えてしまうのは仕方がないと思う。

……眼鏡属性の人が結構好みですが、何か?


だって、なんだか、賢そうだし。

綺麗なガラスの向こうに、凄く凄く綺麗な瞳があって、その色彩の鮮やかさが、横から見るともっともっとはっきり見えたりして、その眼鏡と瞳の隙間のところが、なんだかたった一つの隙のように思えて……まぁ、特殊なのは自分でもわかっている。

まあ彼は割と服を緩く切る方だったので、隙はその意外と出している肌の方が大きかったと思うのだけれど。


ああ、でも、思い出の中で特に印象に残っているのは、彼が好きな人について聞かれていた時のことだろうか。

彼の「読書好きそう」だとか、「優しそう」だとか、ある訳ないのにその条件に当てはまるんじゃないかって、胸がどきどきして。

その話題が出るたびに、彼の想い人が私であることを、何度も、何度も願った。

一番私が彼にかかわっていない思い出かもしれない。

でも、それでも何故か、その思い出が一番心に残っていた。


彼の事を想って刺繡をした。

それは、好きな人のことを想って縫ったら、想いが叶うと言うものだった。

裁縫は得意ではなかったが、毎日毎日、頑張って縫った。

ただのジンクスで、本当に叶う確証なんてない事なんて分かっていた。

叶わないことも分かっていた。

馬鹿ではなかった。

でも馬鹿だった。


詩集を縫いながら、私は昔から彼に嫌な思いさせてばっかりだったな、と思い出した。

緊張で無視してしまったり、焦りで彼が喋っているところに言葉をかぶせてしまったり……もう、私が好きになってもらえないことは分かっていた。

でも、私だったらいいのに、と思った。


卒業の日、彼に告白しようかしまいか、何度も考えた。

でも、彼も卒業式だと言うのに私なんかから告白されたら……なんて不安ばかりがよぎる。

きっと私は嫌われていたし、あまり沢山喋ってきたとは言えない自分に、彼に告白する権利なんてない。

それに、私はヒロインなんかじゃない。ただのモブ。

最後なんだから、とも思ったけれど、それはあくまで私の都合でしか無かった。

でも今思ったら、ただ逃げたかっただけなのかもしれない。


卒業しても、私は刺繡を捨てることができなかった。

それが私の最後の恋心なのだと、分かっていたからだ。

それを眺めるたび、それがとてもとても、重いもののように思えた。


しばらくして、家に帰ると、刺繡が無くなっていた。

長い間眺められていたそれはもうボロボロで、きっと誰かがゴミと間違えて捨ててしまったのだろう。

あれは、私の大切な大切な恋心だった。

だから私は、ごみ箱の中を、泣きそうになりながら必死で漁った。

でも、途中でやめた。

賞味期限切れのジャムがまだ少し残ったまま捨てられていたからだ。


この賞味期限切れのジャムのように、私の恋心も、何時か期限が切れて、捨てられるのだろうか。

もしかして、あの刺繡捨てられたは、私に恋を諦めろと告げるためなのではないかと思ったのだ。

何だかファンタジーな考えだったが、何故だかそれをすんなりと受け入れることができて。

まるで願掛けかのように、私は諦めた。


翌朝、刺繡が入っているであろうゴミ袋が、ゴミ収集車の中に取り込まれていく様子を見た。

涙は出なかった。


何時か初恋の期限が切れて、私がもう彼を好きでなくなった時、私はどう変わっているのだろう。

でももしかしたら、私の初恋の期限は、もう切れているのかもしれない。

こうしたもやもやとした感情は、期限が過ぎたことで、美味しく無くなってきているからなのかもしれない。

なのに私はまだ、これを捨てることができない、


でもこうして初恋を経て、期限を過ぎているもう持っていてはいけない初恋も含めて、きっと私は成長していく。

この苦い思い出が、きっと私を変えていく。

私は別にそれを望んでいたわけではない。むしろ拒んでいるところもある。

大人になりたくない、子供でいたい。

なんなら、男と女と言う差まであやふやだった、あの時くらいのまま。

凄く我が儘な事を言っている自覚はあるし、現実を受け入れなければならないのも分かっている。


でもきっと、こんな考えも今も私が初恋を捨てたくない理由なんかじゃ無いんだ。

理由なんてきっと、もっともっと簡単で、単純で、凄く人間らしい、ちょっぴり明確じゃないものなんだ。


その理由の名前が何なのか、私にはまだ分からないけれど。

きっともう皆さんには、分かってしまっているんだろう。

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