愛を護る天使
天界から、神の命を受けて、若い少女の外見の天使が舞い降りた。
使命は、「愛を護ること」・・・
「あ・・・
ああ・・・」
しかし、人間たちは豊かで満ち足りた生活を送っているはずなのに、怨嗟の声が絶えない・・・
「どうして?」
戸惑う天使。
「そりゃなあ・・・
悪魔のせいだ。」
天使の後ろに、黒い翼の悪魔がいた。
「あ・・・
あなたは?」
「見ての通り悪魔だ。
しかし、オレは人間どもに悪さをしたときに、イエス様に救われた。
だからこうしてお前ら天使の手助けをしている。
名をディアブロと言う。」
ディアブロは、天使を見た。
「大天使ミカエルの野郎からの命令だ。
お前は、医療関係者への誹謗中傷を可能な限り減らせ。」
「どうして?」
「バカか?
例えば、医療関係者に中傷が集まれば、奴らは仕事に意欲をなくす。
そうすれば、よけいにミスや医療事故が増え、中傷がまた集まる。
志願者が減って、奴らの数が減って・・・」
「悪循環じゃないですか!」
「そうだ。
おッ・・・
いいところに・・・」
ディアブロが視線を向けた先・・・
そこでは・・・
手術は成功したが、患者が死亡した現場が・・・
遺族が、医者を激しくののしっている・・・
「どこがいいところですか!?」
「よく見ろ。」
見ると、遺族には・・・
「悪魔・・・!」
そう。
悪魔が憑りついていた。
ディアブロは、光を放ち、悪魔を消滅させた。
すると、遺族は泣きながら謝罪し、医者に感謝の言葉を述べ始めた。
「これが、お前の仕事だ。
ちッ・・・
神に仕えるとはいえ、所詮オレは悪魔だ。
「破壊力」がない。」
「えッ・・・?」
「つまりだ。
こういった「悪意」は、悪魔たちのエサであって、同時に引き起こすモンでもある。
まあ、オレは神のヤツに仕えているから適用されねえが。
これをもっと「破壊力」があるお前がやれば、もっと人間どもを幸せにできるんだ。」
天使は、ハッとなった。
「気付いたようだな。
オレは、お前の護衛と補助をする。
そして・・・
お前ら天使は、人間どもをただ救うだけじゃねえ。
そのために戦う神の兵隊でもあるんだ。
天使フォウエル!
医療関係者を可能な限りでいい。
救ってやれ!」
「うん!」
天使フォウエルは、翼をはためかせて飛び立った。