ふざけていて完全に嫌がらせなくせにくっそたちの悪い怖い話
ある男に告白された。
その男は顔はいいほうだしОKしてくれると思ったんだろう。だが好きではないし、なんかそういうやつは見ててむかつくのでフったらなんかびっくりした顔でこちらを見つめてきた。
「私、好きな人がいるので」
そういって私は去っていく。
もちろん好きな人などいない。そういえば諦めてくれるだろうから言っただけだ。
それにあの男はどうせ顔目当てだし。まえにクラスの男子と好きな子のタイプを話し合っていたあの男は、そのとき外見のことしか言っていなかった。それが根拠だ
「・・・・」
なにか男が言ったようだったがよく聞こえなかった。
□■□■□■□
「ただいま」
誰もいない家の玄関を通ると私はそういった。
「んん~~~~~!?」
いきなりトイレに行きたくなる。
ものすごい尿意が脳みそを刺激し、何も考えられなくなる。
トイレに入り、ドアを勢いよく閉める。
下着を下げ、便器に座る。
「はぁ」
漏らさなかったことに安堵の息をついた。
すこしぼーっとしてから『ビデ』と書かれたボタンを押す。私はウォシュレットがないトイレは使わない主義だ。昔軽くしか拭かず痒くなった思い出があるが、いまだに使い続けている。
そろそろ出ようとボタンをもう一度押す。
「・・・あれ」
終わらない。ずっと股の間に向かって水が噴射されていく。
「なんで?え?どうして?」
何度もボタンを押すがいっこうに終わりそうにない。
「やだやだやだ。なんでなんで?」
これは完全に壊れている。
もう床が汚れようが関係ないもう立ち上がってしまえ。
・・・立てない。
「なんでなんでなんで?こういうのいらないって。ほんとにやめてよ」
涙目になりながら愚痴をたくさん吐く。
怖い話は好きだが、こんなのはいやだ。どうしてこんなことに?
心臓が周囲に聞こえそうなほど強くドクドクと脈をうつ。
「やだ・・・こんなの・・どうして?どうして私が・・・」
うなだれ太ももに液体をこぼす。視界がぼやけ、何も見えなくなる。
思いあたりそうなものは何もない。
「何もしてないのに・・なに、もして・・・」
「あ」
「まさか」としょっぱい水がたまった目を大きく見開いて呟く。
あの男が私が背を向けたときに何かを呟いていたのを思いだした。
「・・・を・・・しろ」
誰かと会話していたような口調だった。
「もし・・・たら・・・」
絶対にそうだと確信すると私は首を爪でかき、男を酷く恨んだ。
それが呪いになってくれたらいいが。
そう思いながら私は動かなくなる。零れる赤い雫の量が私がこの世から消えたことを証明した
いやー楽しかった