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第2話 ~ユーナとユート~

 ユーナはユートの後ろ姿を見ていた。あまり成績がよくない。時折授業中に何かノートに書いている。

 ユートはノートに20世紀初頭のソビエト連邦の創立の要因となったロシア革命についてのことを書き込んでいた。

 そして同時にドイツのファシズム、ヒトラーの台頭についても考えていたのだ。

 その二つに一体どういう違いがあるのか。

 ユートには共産主義が非常に理解できた。なぜなら共産主義国を作りそこを楽園にするという思想に感銘を受けたからだ。しかし歴史の教科書には共産主義国の失態と残虐性しか示されていなかった。

 同様にファシズムも否定されていた。

 いったいどちらが高揚するのだろう。

 ユートは常に陶酔を求めた。何か変化が起こることを望んでいた。それは純粋な好奇心によるものだった。


 ユーナは後ろからユートのことを見ていたが、なぜかあの少年に興味を強く抱いていた。恋が始まる予感かもしれないなんて考えていた。

「ユーナ。一緒にご飯食べよ」

 友達のかおりがユーナに話しかけてくる。

「いいよ」

 そんな風にクラスの中でさほど目立たずにユーナはかおりと昼休みを過ごした。

 ユートはどうやら授業の間に昼食を食べ終えたらしく一人で机に座っている。

 時折ユートのもとに友人が話しかけてくるのを見ているが、ユートは相変わらずノートに夢中だった。

 友人はユートにいくつかの言葉をかけにやってくるとユートはにこやかにいつも対応する。そして友人は彼のもとを去り別のグループへと行ってしまう。

 ユートはただ考え事に熱中しているように見えた。

 かおりとユーナはお互いが持ってきた親に作ってもらった弁当を食べていた。

「さっきの数学の先生の言ってたことわかった?」

「あの人いっつもワンパターンだよね」

 ユーナはそう言った。

「そういうこと言っちゃだめだって」

 かおりには恋人がいたサッカー部のレギュラーで髪が長く長身で、周りの女子にももてた。

 かおりはいつも誰かのことを思う性格で率先して学級委員とかそういうのをやるタイプだった。

 ユーナはどちらかというと冷めてはいるが、彼女は高校ではテニスをやっていた。

 もちろんシングルスだった。ダブルスは嫌いだった。

 ユーナはテニスで相手のことを打ち負かすスマッシュを決めることを強く楽しんでいた。

 ユートは高校ではどの部活にも所属していない。入学当初はバレー部に所属していたらしいが、すぐにやめたらしい。適当に高校で過ごした後はガソリンスタンドでアルバイトをしていると聞いていた。

 時折屋上でユートが他のクラスの連中と煙草を吸っているのをユーナは知っている。

 ユートはあまり物事に関心を示さない存在に彼女から見ると思えた。

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