時を越えた先…
遂に、駄文を書き続けたこの小説も、完結と成りました。
これまで約三ヶ月間、書き続けることが出来たのは、読んでくれたくれた方々の御陰です。
本当に有難う御座いました。
【女難危行・拉致した皇女女と六人の嫁】は、これで一応の完結としますが、明らかにしていない事や、本来予定していた話を、まだ残しています。次に新しい小説を書くか、女難の別シリーズを書くか決めていませんが、彼女達の話を、これだけで終らせてしまうつもりはありません。
直ぐに書くか、少し間を空けるかは気分次第ですw
それでは、この章最期の話をどうか宜しくお願いします。
2/11、続編、亡国の皇女と元英雄の逃避行・気に入らないから奪いました! リスタート
よろしくお願いします!。
七夜城は、崩壊し次元彼方へと消え様としている。
その只中で、全員が脱出する手立ての無い俺達が居る。
「くそ、せっかくここまで来て、最期でこれかぁ」
「まだ……よ、何か手が残されている筈よっ!」
「ズグロ、全員を乗せて飛べないかっ?」
「龍に変化した途端に、全員を弾き飛ばしてしまいますっ!」
何時も離れた場所で、龍に戻るのはそういう理由もあったのかと、この窮地に至って判明した。既に七夜城は、その大半を維持していない。この玉座の間も、消え去るのに残された時間は残り少ないのが分かる。
「私の為に、こんな場所まで来てくれたお前達を、巻き込んでしまった。許してくれ……、私には謝罪の言葉を口にするしか、何も出来ぬ……」
「ロゼ……、連れて逃げる者を選べ、三人連れて転送魔法でこの場を脱出しろ!」
「嫌よ……、誰かを残すなんて私は出来ない、死ぬなら皆一緒に!」
「全員が死ぬ事は無い……ロゼ、お前が選びなさい!」
「絶対に嫌ですっ! 、私には選ぶ事なんて出来ませんっ!」
確かに、転送魔法で飛べた者以外は、死ぬ事に成る。それを彼女に選ばすのは、酷な事かも知れない、成らば彼女に選ばすのではなく、残る者が手を上げるべきではないか?。
「ロゼが選べない、残る者は志願してくれ。勿論、言い出した俺は残る」
「ユキヒト……、そんなの駄目よっ!、認めないわ」
「私も、ここへ残ろう。皇后と皇女が居れば、国は立ち直せる」
「そんな御父様までっ!」
俺達が、戸惑っている間にも崩壊は続いている。
転送で脱出する時間も、あと僅かしか余裕は無い。
「主殿が残るなら、私もご一緒しよう」
「ズグロ……、お前は飛んで逃げれるじゃないか?」
彼女は、龍に戻れば単独でこの場から逃げられるのに、俺と運命を共にするという。全く、損なくじをひいた竜王も居た物だ、人間に付き合って命を失う馬鹿な龍だ。
残りは後一人……。
その、最期の一人も直ぐに決った。
「私も残ります……、ハーフとして生きるよりマシかもしれません……」
確かに、普通の人間よりは現世は住み難いだろう。だが、この領地に居る限りは、昔の様な迫害を受ける事は無い事を、彼女も理解していると想う。それを捨てて、残り一人としてラミカは手を上げた。
「よし、決まりだ。残りはロゼと一緒に外へ逃げてくれ」
「嫌よ……、私は絶対飛ばないわよっ!」
頑固に意地を張り、頑ななまでに脱出を拒むロゼ。
その彼女の傍へ、皇王は静かに彼女の耳へ顔を寄せて何かを呟いている。
「御父様……、知っていらしたのですか?」
「うむ、お前が死ねば、それも失うことになるぞ?」
この時、皇王がロゼに何を告げたのか、誰も知らない。だが、その言葉を聞いた後、彼女は転送魔法で脱出する事を、やっと決意してくれた様だ。
「ユキヒト様、私は貴方を愛……
マリネは、やはり最期の言葉を詰まらせ、続ける事が出来ない、それは彼女一人だけでなかった。ロゼと一緒に行く三人は、全員が涙で言葉を失っている。
想えば最初、激しくロゼを憎んでいた。自分勝手に異世界へと攫い、俺一人を放置したと思い込んだから、後でそれは彼女のミスと知り、マリネの想いに心動かされ、この地へと残る事を決めた。その後も彼女達と、色々と事を解決して行くうちに、俺はもうこの世界の住人に成りきっていた。
叶うなら命尽きるまで、彼女達七名と一緒に居たかったが、どうやらそれは不可能らしい。ロゼ達四人は外の世界へ戻り、残った三人は俺と共に……。
「そうだロゼ、ラケニスの婆さんに、有難うと伝えといてくれよ」
「分かったわ……、ユキヒト実は私の……
ロゼは、何かを俺に伝え様としたが、天井からの落石で言葉を遮られた。
もう時間が無い事を、物語っている。
「急げロゼっ! 、もう時間が無いっ!」
「やっぱり……嫌よ、貴方を……うぅ……」
「早く飛べ! ロゼっ!」
この時、確かにロゼは転送魔法を使用しよとしていた。
だが、ハルがこの場所でも絶叫したのが聞こえた。
様な気がする……。
こんな最後は駄目ぇ! 、皆が居るべき場所へ戻らないと嫌ぁ━!
俺の耳には、彼女がそう叫んだ様に聞こえた。
だが、確かな事は分からない。
何故なら、そこで俺は……、意識を無くす事に成ったからだ。
━━ 旧開拓村、神殿前の広場。
転送魔法を使った私は、あの時一瞬意識を失っていた。
目を開けると、神殿の前の広場に立って居た。
「一緒に飛んだマリネ達は?」
彼女達三人は、私の直ぐ傍に居た。転送は無事に成功して、私達四人だけは、生きて帰る事が出来た様だけど、私には素直に喜ぶ事が出来ない……。
「ユキヒトや御父様を、救えなかった……」
「ロゼ……様?」
「マリネ、気が付いたのね」
「やっぱり……、私達だけなのですね」
「ええ……」
マリネが目を覚ました後、ハルとイリスも順に目を開け始めた。二人も、ひよっとしたら他の人もと、期待していた様だが、現実を知って肩を落とした。
その時、ハルが広場に倒れている者を発見した。
私達は、その場所へ行きそして息を呑んだ……。
「アネス、ラミカも無事に帰ってきてる……」
「ロゼ様っ! 、これはもしかしたら!」
「ええ、御父様もユキヒトも、そしてズグロも生きてるかも?」
「手分けして捜しましょう」
私達は、旧開拓村全域を探し回った。
しかし……、どれだけ捜索してもユキヒト達の姿を見つける事は無かった。
私達が、元の場所へ戻って来た頃に、二人は意識を取り戻していた。
彼女達に話をすると……。
「七夜城?、私達はそんな場所へは行っていないぞ?」
「ええ、この場所で敵に囲まれて……、その後が思い出せません」
「ロゼ様、これってもしかして元の時間軸に……?」
マリネの言葉は、現実味を持っていた。
私達は、それぞれが元の世界へ戻って来たのだ。
それは、首都へと帰還する事で確定した。
「ロゼ様っ! 、皇王様達ですっ!」
「御父様っ! 、御母様っ!」
「おおロゼっ、お前も無事であったか!」
「良かった……、再び生きて貴女に逢えたわ」
あの場に残った筈の内、三人がここに居る。
これは残りの二人も、無事に生きている可能性が高くなった。
「ロゼよ、あの者達もきっと生きておる」
「ええ、私もそう信じています!」
後日、ラケニスを介してズグロの無事が伝えられた。彼女は、私達が最初に出会った雪山の洞窟で、目を覚ましたらしい。どうして彼女が、そんな遠くへ飛ばされたのか?、はっきりとした事は断言する事は出来ないけど、ハルがこんな事を言っていた。
「あの時、私は皆が居るべき場所へ、っと叫んだかも……」
あの人も、この世界の何処かに居る筈。
だとしたら、彼も何処かに居る、きっと逢えるはず……。
私は、そう信じていた。
しかし……、あの人は帰って来る事は無く、時だけが過ぎ去っていった。
もう……、彼と逢えない…………?
そして俺は今、ロゼに連れ去られる俺を見ている……。
出発前のロゼの台詞が聞こえる。
「では! いざ行かん」
占い師の両腕が、真横へと振られた! 、刹那、円陣の輝きは飽和して弾けた。
その場からもう一人の俺と、ロゼの二人の姿は、異世界へと消えた。
俺は二人が消えた跡へ、足を止めた。
その場所に立って、俺は想った。
今、異世界へと旅立ったもう一人の俺も、やはり同じ道を辿るのだろうか?。同じ運命が彼を待っている事だけは、疑いようも無い事実だ。間違いが無いと思われる。しかし今帰ってきた俺と、全く同じ道を辿るかは、彼次第では無いかと想った。
「後悔する選択だけは、するなよな……」
俺の言葉が、彼に届くはずも無いが、そう言わずに居られなかった。
彼女達は、無事に帰還する事が出来たのかな?。
まぁ、俺が無事なくらいだ。きっと皆も無事に違いない。
彼女達には、もう逢う事が出来ない……。
そう想うと、止め処無く哀しくなる。
俺は、この数ヶ月間の出来事を心に刻みながら、家路に着いた。
あの夜に、帰るはずだった道を……。
時は流れあの夜から一年後………。
ロゼに逢った道は、本来通る道ではなかった。
日本に戻ってからは、再びあの道へと足を向ける事が殆ど無くなっていた。
そんなある日の夜……。
俺の足は、自然とかつて自分を別世界へと旅立たせた道へと向けた。
「あれ、この道って確か……」
あの日以来、この場所へ来たことは無い。
だが、不思議と今夜はこの道へと自然に足が向いたのだ……。
「何か懐かしいなぁ……、偶々この道へ入り込んだらロゼと……」
あの夜も、特別に理由が在った訳じゃない、何と無く通っただけ。
彼女いた路地を通り過ぎた……。
「今の場所に、アイツが居て……
『ちょっとそこ逝くお兄さん、占いは如何?』
「そうそう、そんな感じで…………、何っ!!」
俺は大慌てで、振り返った……。
そこには、黒装束の女性が立って居た。
「はは、これは頭がおかしくなったか?、ロゼが来れるはずが無い……」
「あら……、貴方はまともよ、ちゃんと私と認識してるんだもん」
「そんな馬鹿な、魔法陣は一生に一度限りと確か……」
召喚の儀を行なえるのは、一生に一度限とはっきりと聞いた。
彼女には、二度と魔法陣を起動する事は、不可能なはずだ。
だがこの声と、フードを上げたその顔は、間違い無くロゼ本人。
これは一体、どう言う事か?。
そして、何故今になって俺の前に、彼女は現れた?。
「勿論、この魔法陣は私のじゃないわ、私は代理で来ただけ」
「代理だって?、一体誰のだよ?」
「来れば分かるわ、でもその前に……
ロゼは俺に抱きつくと、唇を重ねてきた……。
懐かしい彼女の感触が、俺の頭を翻弄する。
長い時間、ロゼは身体を離れ様とはしなかった。次第に俺も、自然と彼女の身体に腕をまわして、久しぶりの彼女を感じていた。
「さあ、帰るわよユキヒト」
「帰るって……、また異世界にか?」
「当然でしょ! 、貴方を待っている女が、他に七名居るんだからねっ!」
「待って……、六名だろ?。っていうか、行くと言って無いっ!」
一年振りに逢った彼女は、相変わらず人の話を聞いていない。
勝手に俺を連れ戻すと、決めている……。
そして、他の七名て一人増えて居るのは何だ?。
「では! いざ行かん」
ロゼの両腕が、真横へと振られた! 、刹那、円陣の輝きは飽和して弾けた。
俺と、ロゼの姿は一年前と同じ様に、再びこの日本から消えて行く。
俺の女難危行は、まだ終了を許してはくれなかった……。
新たな旅が、今再び始まった。
これまで読んで頂いた、全ての方に感謝を込めて、本当に有難う御座いました。
* 空白の期間、ロゼが主人公を再び迎えに来る間の出来事を外伝として、投稿開始しました。




