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女難危行・拉致した皇女と六人の嫁  作者: 雛人形
第一章
9/90

再会

よろしくおねがいします

 

 ロゼ達が森林をゾーイへと急ぐ中、ユキヒトは港町ペレストに到着した。町というか殆ど漁港であり、ゾーイの賑やかさは無い、ただ数件の宿屋と食堂それと、渡航船の事務所があるだけの小さな町。


 「普通に、日本の漁港だな」


 日本と言う聞きなれない名前に、アリアネスとハルがニホンとは何だと聞いてくる、ユキヒトが住んでいた国で、地球と呼ばれる世界にある数百存在する国の一つだと説明する。


 「ほお、数百の国家とは凄いな」


 アリアネスは国の数に驚き、ハルは。


 「そのニホンとは、どんな処なんですか?」


 ニホンという国に興味を持った。全部は躊躇われたので、概略だけ話す。


 ニホンは、此のハインデリア皇王の様な存在せず、象徴として存在し直接的に権力を有していない、ほぼ全ての国家の決め事は、国民から選ばれた代表が集り決定すると。


 「民主主義…かな」

 

 貴族制度も大昔には存在していたが、六十年程前に廃止されて、今は国民全員が平等の立場を取り生活していると聞かせた。この話には二人とも驚嘆を顕にする、まあ当然の反応でありユキヒトには異質には見えない、生まれた時から階級制度の中で生きて来た、国民全員が平等だと言われたら不通に驚くのは至極当然に納得できた。


 「国民全員とは……それが成立するのか……」


 「本当ですねぇ、私は良い制度と思いますが……」


 ハルの途切れた感想の続きは聞かなくても、大凡(おおよそ)は、件等が付く。

 この世界では無理。或は、遥か未来での可能性を示唆する言葉。


 「それより乗船券(チケット)は何処だろ?」


 此れ以上二人に、日本の内情を質問されたら時間が幾ら有っても足らんと、話を本来の目的へ切り替え、軌道修正させた。


 「あ、あそこ!」


 ハルが気が付いた。何でも良く気が付いて料理も上手である、昨晩の夕飯も味気無い筈の携帯食料に香料や食用の野草を混ぜ、ちゃんとした料理に仕上げて見せた。


 《ハルは良い、よ…


 「おい、乗船券買うぞさっさと来い!」


 アリアネスはユキヒトの腕を引っ張って事務所へと急ぎ脚であるきだした。


 「ちょっと、痛ってば…」


 「五月蝿い黙れ……」


 ご機嫌斜めのアリアネス、その後ろをハルが腰の後ろで腕を組み付いて行く。


 乗船券売り場に到着すると、まだ機嫌が悪いのか?。


 バン! 

 「大人三枚!」


 《もちっと、静かに置けんのか…》


 経験上碌な目に遭ってない事しかなったが、その中でも機嫌悪い女はかなり(たち)悪い。下手に刺激すると更に加速させ、大枚が何枚消えたことか……、中には引っ叩く、蹴るといった【(やから)】みたいな女まで居た。君子危うきに近寄らずである。


 「申し訳ありません、現在出航を見合わせて下ります」


 「なんだと!」

 「え?」

 「あら…」


 なんと、出航出来ないと受付で断られる結果になる。

 不機嫌なアリアネスが黙って引き下がる訳がなかった。


 「何故出航しない?、嵐は来そうにないぞ」


 カウンターから身を乗り出さんが勢いで、文句を言う。


 「それが…実は━━━━


 受付係の話では、船主が船を出すのを拒んでいて、何度頼んでも断られた。料金を大幅に割り増しにするからと説得しても首を縦に振ってくれず、商売が成り立たなくてホトホト困っているのだと。こっちでも説得するから船主の家を教えて貰い、話を聞きに行くために事務所を後にする。


 「悪天候でもなし、解せん」

 

 「船主さんの体長でしょうか?」


 確かに天候は悪くないが沖の話なのか?、感じだと数日間船は出ていない。数日間も続く悪天候でもない、天候ならそう説明した筈だし、体調の話なら尚更はっきり判明する、謎である。やはりこれは本人に聞いて確かめ説得するしか無く、急ぎ船主の家へと脚を運ぶ。


 途中で見かけるどの近海漁の漁船は、出港の準備をしている。

 一体何が理由なのか?、近海ではなく、沖で何かあるのは予想がついた。


 「聞いた船主の家はここね」


 漁業より金回りが良いのかそれなりの屋敷に住んでいた。

 アリアネスがドアをノックする。一瞬不機嫌が祟って壊すのではと危惧した。

 彼女のこぶしが再び動き、強く握られたのが見えた……。

 ドアが開き、顔をだしてきた船主と想われる。


 「誰だ?何の用事だ?」


 普通にベタな問いかけをしてきた。


 「ネーブルへのふ……

 バタン!

 「帰ってくれ、船は出したくない」


 「訳が聞きたい…話せ!」


 船主がドアを閉め掛けるのを強引に身体をねじ込み、詰め寄って脅す。野宿に熟れてるだけで無く、この手の類にも長けて居る様だ。その迫力は、船主に抵抗の無駄を悟らせ中で話を聞く事になる。


 「二日前にネーブルからの帰港便を出した日なんですが」


 「俺が、飛ばされた日…だな」


 「三つ子岩が見えた辺りで………その」


 中々に核心を語らない船主に、アリアネスは段々と苛立ちを募らせて行く。

 

 「霧が出てきて……そのぉ…おど」

 

 「あ━━もう、早く先を話せ!」


 遂に彼女が切れた…。胸ぐら掴み睨み上げいまにも張り倒しそうだ。

 

  「明日まで船を出すなと脅されたんです!」


 掴んだ手を放し、船主に詳しく話を聞くと。ネーブルからの航行中に、海上で急に霧が出て来て中から黒装束の男が現れ、港に着いたら明日までネーブルへ向けて船を出すな。商売が出来なくなり困ると答えると、拒むなら船を沈めると、周りに巨大な渦を作って見せられ、怖さのあまり承諾するしか無かったと。

 

 「黒衣の男に脅された………」


 船主から事情は聞けたが、脅されたという話意外は特に何も無く、それ以上問い詰めても何も得られないと分かり船主宅を離れた。しかし要はその黒衣の男を何とかすれば、船は出せる。問題はその男が誰か?、今は何処に潜んでいるのか?。


 「でも何の為に船を出させないんでしょ?」


 ハルの疑問も謎である、明日まで出すなと言う。どうして二日間の足止めをしているのか?、ラケニスの居場所も判明して、あとはネーブルへ到着して、魔女に会えば帰れるかもしれないのに。妙な障害が発生してしまった。


 「でも明日なら出航するんだろ?」


 このまま放置で明日を待てば、ネーブルへ行ける筈だ。これ以上面倒事は御免である、適当に明日まで時間を潰し、明日出発すればいいだけだ。変なことに巻き込まれて、危うき目に遭うのはもう勘弁して欲しかった。


 「まあ、はユキヒトが良いなら…無理に」


 何か違和感が有る、ちょっと悩んだがすぐ理解した。アリアネスがちゃんと名前を呼んだのだ、【お前】でも【貴様】でもなく【ユキヒト】、少しは親近感を覚えたと言う事か?。


 明日まで待つとなると何して時間を潰すのか?。

 あっちなら、時間潰しの算段は幾つもあるのだが見知らぬ異世界、此処で何すれば?。


 「なぁ、この世界だと、暇潰して何するんだ?」


 「ふむ、私は森の散策しながら魔物の討伐だな」


 《それ、こえーな………》


 「私は賢者様の身の回りの世話や、魔法の修行であまり……」


 魔物討伐の弓術士と賢者の弟子に、暇潰しに何してる?と聞いたのが間違いだった様だ、本格的に暇潰しに困っていると。


 誰だ━━!


 いきなりアリアネスが急転換で体を振り向き、矢を放った。

 矢は何も無い木に突き刺さっていたが、抜いた矢を見せてとハルが言う。


 「この矢、微かですが魔力の痕があります」

 「私のじゃないのか?」


 アリアネスが、エルフは魔法を使用しなくても、多少魔力を帯びる物だと。


 「いえ、アリアネスさんのでは……もっと暗い感じの痕です」


 三人の後方で、暗い魔力を纏っている何者かが、こっちを監視していた?、しかし誰も身に覚えが無い。不気味ではあるが、特に危険な気配もその後感じられず、明日までの宿を探し始める。女性二人の意見で、湯を浴びれる宿屋以外はダメ。

 初日に泊まった宿では、疲れでそのまま寝てしまって分からなかったが、風呂の無い宿の方が多いのだそうだ。


 「湯浴みして来るが…付いて来るなよ」


 ユキヒトも男である、興味が無いはずは無いが、覗きの趣味は無い、第一。


  《そんな怖い事すっかよ!》


 湯浴みすると言いつつ、しっかり弓矢を持っていった。


 《はは、覗いた奴は、()られるな》


アリアネスはヤバイがハルなら………、叫ばれる位か?いやマテなんぞ魔法が飛んできて、焼き殺されるか感電死?、でも治癒士にそんな魔法あるのか?。そして何故か二人が露天風呂へ入る処を想像してしまう。


 《って、何考えてんだ俺は!》


 頭をぶるぶる振って、気を取り直してると、宿屋の主人の困り顔が見えた。

 暇な事と、今の想像で疚しさを感じた事も忘れたくて話を聞きに歩きだす。


 「どうかしたんです?」


 「お客様に出す料理の材料を………」


 取りに行かせたが、帰って来ないので確認に行きたいが、他の従業員も出払っていて自分が行くと、誰も居なくなるので困っていたと。風呂上りで食べ物が出来てないと、誰かの機嫌が又悪くなりそうだ、ユキヒトは自分が取りに行ってこようと提案した。

 

 主人も最初は客にさせられないと難色を示すが、他の当ても帰って来ない。


 「すいません、ではお願い致します」


 客が自分の食材を店員の代理で取り行く、日本でも田舎の民宿では有りかもしれない、そんな事を考えながら教えて貰った場所に向かった。


 港の脇に立ち並ぶ各種食材店が見えてきた、果物や野菜、魚介類を売り買いしていて、人通りが多いのが遠めにも分かる。頼まれたのは魚類で名前を聞いたが、当然聞き覚えの無い名で、忘れそうなのでメモに書いて貰っていた。


 市場の敷地に入りながらメモを見る。

 

 ━━━━、ざわめく音が消えた……。


《あはは、ガリアカス?全く変な………ん?…


 ━━━━、人通りが消えていた……


 「え?なんだ?、あれ?人は?」


 何がどうなったのか、あれ程歩いていた人波が消えた。一人も歩いていない、その場で辺り一面を見回すが、やはり誰一人居ない此の場から姿を消し去った…。


 人の痕跡を捜しまわるユキヒトに向けられる視線があった。遥か上方の死角の先、黒衣の者が見下ろしている。船主を脅している者か?、異形の仮面が更にその雰囲気を不気味にさせている。それは暫しユキヒトを眺めていたが、動きを見せる。


 「さて、確認させて貰おう」


 

  シュ━━━━ゥ、 シュ━━━━ゥシュ━━━━ゥ


 不気味な音が、静寂を破る。


 《なんか嫌な音だ………、しかも此の音は…


 巨大な長い影がユキヒトに覆い被る。


 《ははは……違う…よなぁ》

 

 ゆっくりと振り向く。


 鎌首擡げた大蛇、その頭は遥か上空に在った。




 「居たか?」


 「変ですね、部屋にも何処にも居ません」


 湯浴みから上がり、次行けとユキヒトを捜したが、見つける事が出来ずにいた。昼間の件もあるし少し不安をつのらせ始め、宿屋の主人に聞きに行く所だ。


 「お連れ様なら市場の方へ、まだ お戻りに?」


 《まずい…な此れは》


 「嫌な予感がする……、市場に行って来る」

 「私も!」

 ハルを見詰め一瞬考えたが。

 「よし、来い!」


 二人は市場に向かう、さほど離れていない為に数分も走れば入り口だ。

 アリアネスが急停止した。目を伏せ何も無い空間に手を伸ばす。


 「如何かしましたか?」


 「此処に…特殊な結界が張られている」


 「ええ!」


 行き交う人々が、変な目で通り過ぎていくが、構わず続ける。

 アリアネス目を開き、首を振りながら呟く。


 「くそ…駄目だ!、私では破れん…」

 「では、ユキヒトさんは……」


 「多分……結界内……手がだせん」

 




 「またか!、又でけーのがお出ましかよ」


 蛇に睨まれた蛙━━━、長さ一Mの蛇でさえ本気で威嚇されると、気の弱いものなら一瞬たじろぎ、動けなくなる時もある、ジャングルで野生の大蛇に出遭ったなら、それが三、四Mクラスだと普通に金縛りとなる筈である。ユキヒトの目の前で鎌首高く威嚇している相手は、その高さだけで優に三階の高さは在る。


 その頭が急降下した!。

 巨大な顎が開かれ一飲み━━━!


 寸前で大顎は停止、延ばされた手に頭を擦り着けている。


 

   《ほ━━━これは……手懐けた…か、だが、脅威とは成り得ん………》


    《しかし━━━………まあ…良いか》



 黒衣の者は霧と成り消える、同時に大蛇も消え、代わりに元の人並みの中。

 突然人並みの中に現れたユキヒトをハルが見つけた。


 「ああ!、あそこ居ます!」


 二人は彼へ走り寄って何が起きてたのか問い質す。ユキヒト方も何が起きていたのか、理解していないが、体験した事を語り聞かせた。


 「突然、音と人が消え、怪物大蛇が出てきたぁ?」

 「よく無事でしたねえ、良かったぁ」

 

 よかったと抱きついてきたハルから、湯上りの好い香りがする。

 

 「ひょっとしたらと、試したら大人しくなった…」

 「隻眼の赤龍みたいにか?」

 

 賢者が呼び出した赤い龍を手懐けた様にかと、アリアネスが問う。

 

 「ああ、うん、何かやれそうだったから」

 「……他は?」


 人並みの中から、一人のみを閉じ込めた結界で、大蛇しか出なかった?。

 事実は、得体の知れない黒衣の者が居たが、ユキヒトは知らないのだ。


 宿屋へ戻り、主人と話すが、そんな失礼な事頼みませんよと大笑いされた。

 

 「まぁ、無事で良かった、……湯を浴びくるといい」

 「大蛇の唾液が流して下さいね」

 「はは、冗談やめて」


 言われたとおり、湯を浴び汗を流し戻ってきたら、料理が用意されていた。

 夕飯を口にしながら話をするが、情報が不足で結局何も分からずじまい。

 

 「妙な事は、するなよ」


 その夜は二人の女性が、ユキヒトと同じ部屋で睡眠を取った。

 

 《おちつかねぇ……》


 女性が同一の部屋で寝ている、あっちでどれだけ期待した状況か……。

 しかし、そういう目的で居る訳では無い。

 再び、何か起きても対処し易い様に居てくれる。


 《寝れない━━━!》

 ユキヒトが寝れたのは、夜が明ける数時間前。





 ロゼ達は朝一番で地竜に乗り、昨日擦れ違った三人を追う為、港町ベリストへと急ぎ走らせていた。賢者の語った言葉が意味不明だったが、既に港に渡航船が居たら、出航してしまっている可能性が高い。とに角今は急ぐしかない。

 

 三人の中にあって、マリネだけは賢者の言葉が気に成って胸騒ぎがしていた。

 ロゼから聞いた向こうの世界での顛末を想い出していた、罠を仕掛けて近付き何度も懇願して、ちゃんと顔を見せたら、「うん」と言ってぼぅーとしてたから連れて来たと……。


 マリネは地竜をロゼに寄せて、聞いてみる事にした。

 

 「ロゼ様、あっちの世界で声を掛けた時て夜でした?」

 「ええ、あっちの世界………月夜もだった……よ」

 

 「連れて来る……理由…はどうです?」

 「理由は……説明していない……けど助けて、と」

 

 「その殿方………は何と?」

 「えーと、顔見みせて……礼言ったら……うんと」

 

 「その後……ぼけっと……待ってた…から……連れて来た」

 「けど……なんで?」

 

 「ちょっと……聞いてみた……だけです」

 「変なの……急ぎましょ」


 地竜に速度を落とさせた為、ブラッディに遅れ気味だった。 

 

 ロゼの質問の返事と連れて来た後の状況は?。

 《過失だけど………落としたまま二日…》


 召喚の事に詳しい魔女に会いに行こうとしている事。

 それと賢者の言葉を合わせ考える


  《ああぁ、まさか、そう言う事なの?》


 マリネは自分がいま頭に浮かんだ事が、本当だったらロゼの言う首都へ連れて行く行為は、そんなに容易い事では無くなる、取り越し苦労なら良いのだが、当たっていたら……。


 前を走るロゼの金髪の後姿を眺めながら、不安の内容に確信を持ってしまった。


 《招致された人は、残る気が無い……帰ろうとしている》

 

 賢者の言う、分かっていない、はそう言う意味なんだと。


 「ロゼ……さま、分かっていない……」


 マリネの不安も賢者と同じ言葉を告げた。

 彼女の不安を他所に、地竜達は大地を駆け抜け間も無くペレストへ着く。





 日も高く昇り、ユキヒトは目覚めた。

 何故か、今朝はアリアネスから叩き起こされなかった。

 部屋には二人とも居ないが、皿の上にパンが乗せてある。


 《あ、ハルが置いてくれたのか》


 既に冷めたコーヒーを飲みながら、パンを食べる昼食に近い朝食だ。

 昨日の大蛇を思い出すが、考えても答えは無い、無駄だと悟り止めた。


 昨日は長椅子に毛布で寝た、女性二人がベッドで眠った。

 

 自然に無意識に、ベッドに手が延び━━━。


  バタン!

 「起きたら出発するぞ━━━!  ……… 何を…?」

 

   《!!!!!!》


 「いや!、何か変なムシが━━━!」


 「………、ふん、出るぞ急げ」


 ドアを閉め出て行くアリアネス。

 赤面物の行為を何とか誤魔化せた?、かは知る由も無いが、外へ向かう。


 此処まで乗ってきた地竜とは、ここでお別れになる。

 ハルが好物の餌を与え、優しく礼を告げて別れを告げた。

 寝てる間に、話を付けに行った様で、渡航船の近くで 不安げに待っている。


 さあ、出発だ!

 

 猛烈な速度で駆け寄ってきた地竜がいた━━━。


 三頭の地竜には三人の女性、その一頭から、髪を振り乱し一人が降りる。


 《金髪?………、黒の…》


 「やっと!捉まえた!」


 「あああ、お前━━━ぇ!」


 夜の裏通りで出会い、拉致して異世界へ飛ばした張本人。


  ━━━ 私は、フォア・ローゼス・ハインデリア……貴方を捜してた!



 今、再会と相成った。


 

 崖上に黒衣の姿━━━。

   

  《ようやく……役者が揃った》


   

  






ありがとうございましたー

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