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女難危行・拉致した皇女と六人の嫁  作者: 雛人形
第一章
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雪山

主人公目線ですすみます。よろしくおねがいします!

 「あ━━━! もおぅ、寒い!」


 寒くて当然、なんせこの山には冬しかないらしいしかも氷点下ときてる。

 

 俺達六人はそんな場所を歩いている。

 アリアネスだけは表情を大して変えもせず、先頭を歩き続けている。エルフ族は自然の環境に耐性が強いのか……、先頭を買って出てくれて皆を先導してくれた。ゾーイの森で彼女から救われてから、ずっと一緒に行動を共にしてきた。性格はもろに姉御肌だが、意外と可愛い面を何気に隠してた事を、服装を変えるときに見せてくれた。


 でも機嫌損ねると、すぐに弓を撃ちそうでやばいんだよな……。


 一番後方で、しんがりを勤めてくれたのが、ブラッディ。

 ロゼ皇女の従者の一人なんだが、この女性ひと)はっきし言って、会話したことないし良く分らない……。ただ一度船の上で俺が我を忘れている時に吹き飛ばしてしまった……、後で謝ったが大して気にもしてない素振りで許してくれた。多分……だが、くそ真面目?な性格してる?。


 そう言えば、このお使いに出る前にロゼから提案されたんだった。

 自分の事はロゼでいいと、何でも俺を捉まえて帰るまでは、皇女は辞めたというのが理由みたいだが……よく分らん。それに釣られたのかしらないが、アリアネスもじゃ私はアネスで良いと言い出した。姉御肌のアネス! 、うん何か妙に合ってる気がする、しかしどうにもこの女性(ひと)には逆らい辛い。


 で、肝心のそのロゼだが、こっちの世界へと連れ出し中に、優に事欠いて俺を落したそうだ。まあそれは後で分ったことだけど、てっきり放置されたと思い込んで再会した時は…………、顔見た瞬間に、頭に血が上ってしまい我を忘れてしまった、随分と冷たくて嫌な男がもろに前面に出ていたようで、今と成ってはこっちのが反省している始末なんだけど、ロゼとも仲直り?できたし良かったと思う。


 残り二人の女性、ハル、この女性(ひと)は本当に良く何でも気が付いてくれる! 、アネスのいまの服装を俺の趣味をもろに見抜き、野暮ったい服装を華麗な姿へと変貌させた! 、何時も明るくて物言いも柔らかで、ハルが傍に居てくれて本当に助かっている。


 マリネ……、この女性(ひと)は━━━、この人だけは俺の中でけっこ存在が大きい。

 意に反してこっちに飛ばされ、日本に帰還する事しかなかった俺に、この世界に留まる事を決意させてしまった。


 夜中に船室へ訪れ、身を任せようとした━━━━!、心臓止るかおもった……。作り話の中では良く見る光景だが、実際目の前に現れ装備を外し、白い肌を露出させ怖さで震えているのを見たら……、欲望なんて消し飛んだ。そこまでの決断を彼女に、させてしまった俺の態度と言葉に、恥ずかしかった本当に。


 俺の周りにいま集っている他の女性(ひと)達が、どうでも良い訳じゃないけど、如何してもマリネだけは守りたい、その為にこの世界を厄災とやらを排除する手伝いをしようと思う。

 この気持ちが何なのか?、何と無く…………、そう確信したくないのは。

 

 女性に碌な眼にあっていない━━━━! 。

 

 女に完全に気持ちが或る事を俺の心が拒んでいる、認めようとしない。

 今は、まあそれでいいか………… 。


 しかしなんでこんな、くそ寒い山の中歩いているかと言うと! 、あのお茶目な魔法使いの婆さんのせいだ! 。見た目若くて、確かに凄い美貌だし━、知らなきゃ男なら誰でも騙される! 、あの姿で五千歳だそうだ、完全に人ではないぞアレは! 。その婆さんが、元の世界に帰る方法知りたいなら、代償を払えときた! 。



 「なあに代償と言っても、ペットを捜して連れて来てくれりゃいいのさ、ちょっと次元の扉開けっ放しにしてたときに、外へ飛び出したズグロちゃんを捜してきてくれ、無事に連れて来れたら元の世界へ帰る方法を教えてやろう、如何だ?」


 「そんなの……何の手がかりも無くて捜せる訳が……」

 「逃げた場所ならわかっとるし、捜索用のコンパスもくれてやる」

 

 「随分寒い場所だから、服も付けてやろう、では頼むぞ」



 次元の扉で此処へと落とされた……、そして、俺達の後から防寒着が六着降って来た。

 何が寒いとこだ━━━━! 、これ氷山じゃないのか?。


 それから、彼是、二時間くらいは死の行軍みたいに歩いているわけだが。


 「アネス! 、まだ何も見えない?」

 

 あ━━━、ロゼはもう痺れを切らせだしたな、まあ俺も正直寒い…。他の連中も限界ぽいか?、ブラッディとアネスは、ホントこいつらタフだわ! 、平気な顔してるし…。


 ハルとマリネは━━━、駄目だ止った方が、だが如何する?止った所で……、カマクラだ! 。俺もそんに体力が在る訳ではないが二人を休ませないと、先頭のアネスに駆け寄った。


 「アネス、ハルとマリネが限界だ! 、雪穴つくれないか?」

 

 彼女も二人の様子をみてくれて、限界を見て取ったくれた。

 

 「すまぬ、ロゼ、あそこに炎で穴あれてくれ!」

 「穴空けりゃあいいのね」


 手に炎を纏わせ、アネスの指定したあたりに、ロゼが火球で穴を開けた。

 が、でかいな! 、これは……カマクラと言えない、雪も見えない…。

 

 まあ取り合えずは 休憩出来るというもんだ。みんなで穴、というかねこれ、洞窟だな……、中にはいると土壁になった。アネスは適当と言いつつ、下に土の出そうな場所を指定したのか流石はエルフだ、いや此れは種族の能力でなく経験だな、この姉さん本当頼りになる。


 しかし心配なのはマリネとハルだ。

 防寒着を脱いでマリネに掛けてやった。

 

 「いけません! 、ヒロユキさんが…」

 「あー俺はまだ大丈夫そうだし」


 確かに、これ不思議だった━━、寒い事は寒いんだが凍えるほどじゃない。

 ハルにはアネスが防寒着を掛けてくれるが、ここで一人不服そうな奴が居る。


 「なに?私は放置?、ふんいいわ自分で暖めるから!」


 不貞腐れて両手に炎を作り暖め出した、それ……もっとデカクしたら皆が暖まれないか?、物は試しでロゼに言ってみる。


 「それ━、地面でもっとデカク作れない?」

 「おお、その手があったわ、でも長時間はムリよ」

 「少しでも良いから、皆を暖めてくれるか」


 両手の炎を地面へと、少し浮いたあたりで停止させて詠唱している。


 炎よそのすがたを━━━


 ゴォォォ━━━!


 土壁の天井まで届く勢いの炎が上る。


 「わわ、熱っ、デカイでか過ぎ!」


 ロゼは慌て炎を抑える、ったくもう危ない過ぎるぞこの姫さんは。焚き火より、若干大きいくらいまで何とかロゼは炎を調整し、皆は暖を取れ出した。寒さと疲れで、皆無言を崩していない、帰る方法を聞くため同行してくれている訳だが、本当の事を今、告げたらどうするだろうか?ロゼはどんな顔するんだろ?、皆に黙ってこんな場所に同行させてしまった。


 全員暫らくは暖を取るのに無言を続けているが、ロゼがマリネに寄り添った。


 「ねえマリネ……、何か魔法がね━━、変なんだけど」

 「何が変なんですか?」


 「うん……、詠唱無しで発動しちゃうし……、今のも、威力はんぱない」

 「確かに言われてみたら……、港でもサポ無しで、あんな威力高い魔法でした」

 「詠唱無しで上級魔法なんて…禁呪並よ…、怖すぎる」

 「でも……、何故……急に」


 なんか魔法の事でマリネと話してるが、魔法の事なんて俺が知るわけ無い。

 さっきラケニスにでも聞いてみたらと思ったが。

 「ふむ、代償払えば教えてやるぞ」

 と、言いそうだ。


 「さっきラケニス様に聞いてみたら良かったのでは?」


 「あ━━、一瞬、それおもったんだけどね、代償言われそう」

 「ふふ、そうですね……要求してきそうでよね!」

 「あの見た目綺麗な、婆さん! 、性格悪すぎよっ! 」

 

 性格悪すぎ━━、の意見には同意したい。見た目綺麗なだけに達が悪い。

 いまで五千歳とか……あとどれだけ生きる心算だ━━。


 「すいません、その魔法がおかしく成ったのは何時からなんですか?」


 二人の魔法の話に、聞いていたハルも、興味出たのか話に割って入っていく、ハルも治癒士で魔法を使うし、そりゃ気になっても不思議は無いけど。


 「ん━━、港からかなぁ、本当だったら港付近だけの範囲しか囲めなかった筈なのに、町全体に陣が拡がって威力も怯ます位の筈なのが、全滅させちゃったし……」


 ロゼは港で倒せないけど怯ませれば、確かにそう言ってたけか。


 「住民を助けたくて、無意識に範囲も効果も上ったって事ないですか」

 「それなら、駐屯地でも…………、あそこでの方が……」


 ロゼは再会する途中の事を話したがらない、なんか余程の事があった?。駐屯地の話がでたらロゼは口を閉じてしまった、マリネは事情を知ってるロゼを労わる顔になってる、ハルは、知らずに余計なことを言ってしまったと。


 「ごご御免なさい! 、私何か言ってはいけない事を…………」

 「いいの、ハルは何も悪くないわ、謝ることなんてない」

 「は……い」

 

 ハルが返事した後、無言に戻ってしまったけど、ロゼが炎をじっと見ながら。 


 「ね! この炎、まだ消えてない……他にも……ね、私……魔力が全然消費されないのよ、疲れてない。」

 

 「ほんとっ……しかも衰えてもいません……、魔力まで消費されないなんて、聞いた事ないです!」


 どうやら魔法使いにとって、信じられない現象が起きてるらしいが、知識も何も持ってない俺には話にも入れない。


 暖を取り始めてもう一時間くらいだが、確かに炎は衰えていない。

 炎を睨んでも答えが出る訳じゃないが、見つめてしまう。

 

 「ちょっと外の様子を確認してくる」


 聴こえていた筈だが、沈黙を通していたアネスが立ち上がり外へ出た。

 何があっても冷静な女性(ひとだ、怖い物とか、取り乱す事ないのか?。


 あーしかし、凄い可愛い姿は見たな!、あの時の服のまま防寒着……、一番薄着の筈なのに! 、エルフの肌てどうなってるんだ?。


 「吹雪が止んでる、先に進めるぞ」


 アネスが外の様子を伝えて進めることが分った、ロゼも炎を消した。暖は皆十分取れた事だし先に進む事にしよう。


 外は、さっきの天候が嘘のように晴れてる……、山の天候て本当に変わり易い。

 とに角早く魔女のペットとやらを見つけないと、しかしこんな所好む奴て…。


 アネスは天候が晴れた事で、コンパスを常時見ながら進んでくれている。景色が遥か遠くまで見渡せる、今の境遇を忘れてしまいそうだ。日本に居る時はこんな風景は見る事が出来ない、都会にあるのはビルの立ち並ぶ街並みと、ぎゅう詰めの電車とバス。蟻の様に蠢く人の波くらい、田舎の方でも行けば違うけどね、だが今目の前に広がる景色は比較にならない。


 「着いたな、この先の洞窟の中に居るみたいだな」


 さてそれではこの雪中行軍も、魔女のペット捕まえておわりだ! 。

 全員同じ心境みたいだ、やっと笑みを浮かべて俺達は洞窟へ入っていく。

 

 


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