表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

中編

思ったより時間がかかってしまいました。《ディーバ中編》です。なんだか勢いで書いてしまったところもあり、読み辛かったら本当に申し訳ない限りです。そして待ってた方、〈いるのか?〉いたらお待たせして申し訳ありません!前編同様、エロも絡みもない話ですが、楽しんでいただけると幸いです。

アリスの建物、ペンタゴンの中心。

そこは大きな吹き抜けで、建物の中であるにもかかわらず噴水が造られていた。そのまわりは、見渡すかぎりの木々、草花。

植物園顔負けである。

植物園のすぐ横には、食堂が設置されているため、昼ともなればたくさんのスタッフで賑わう。

もっとも、ペンタゴンはまわりを林で囲まれた造りになっているため、憩える場所は至る所に存在する。


僕は噴水の脇に腰掛け、食堂で購入したホットドックを頬張った。


ペンタゴンの食堂というのが、一般的な会社の食堂とは、少々異なっていた。

和食、洋食、中華、韓国料理、イタリアン、エスニック、ジャンクフード店、スイーツ専門店…。

デパートか、ショッピングセンターのフードコートのように、いろんな料理店が立ち並んでいる。

とはいえ、全ての料理店の調理も運営も、全部アリスの食品〈フード〉班が行なっているため、それぞれに店名が付いているわけではない。

更に、あくまでそこは《食堂》であるため、値段は破格である。


今し方僕が頬張ったホットドックも、大きめのソーセージと野菜がたっぷり挟んでいるにもかかわらず、わずか105円である。

他にも、チーズやらトマトやらベーコンやらを、ふんだんに使ったパスタがワンコインだとか。

野菜にキムチに牛カルビを大盛りのせたビビンバがワンコインだとか。

旬の刺身の盛り合わせまでついた定食が600円から700円だとか…。


〈確か、食堂に限らず、ペンタゴンで使われてる野菜のほとんどが、園芸班で栽培されたものだっけ。

ソーセージも食品班の自家製だって聞くし。

そーいえば、食品班で家畜が飼われてるって話を聞いたな。

科学班の新製品開発にも必要だからなんだとか。

魚の一部もアリス内で養殖してるって噂だし。

すげーな、会社内で自給自足!

他の会社や一般家庭にも見習ってほしい姿だね。〉


落っこちそうになるソーセージを食い止めるため、ホットドックの反対側に噛りつきながら僕は思った。

飲み物はコーヒー。

インスタントではなく、ちゃんと豆を粉砕してドリップしたものだ。

香りよく、味も最高だ。

コーヒー中毒の僕にはたまらない一品である。


ほっ、と一息ついているそこへ、先日僕を驚かせてくれた人物が歩いてきた。

ぱっと見、とても女性とは思えない人物。

部下に任せればいいような仕事も、自分がするような人物。

ときに他の隊員達に交じって、訓練の士気を上げる人物。

警護〈ソルジャー〉班、副班長『魚住真春〈うおずみまはる〉』。

身長179センチの大きな女性である。


〈…もう180センチでもいいような気がするんだけどなあ…。〉


彼女の大きさを再確認し、僕は思った。


五日前、訓練が終わった後に彼女と話したときだ。

身長のことを尋ねた際、えらく《179センチ》であることを強調していた。

ささやかな乙女心。

と云ったところなのだろうが。


それでも《大きな女性》であることにかわりはなかった。

とても本人には云えないことだが…。


真春は僕に気付くと、小走りで近づいてきた。


「こんにちは、レイベルさん。

今日もアリスの下見?

画になる被写体は見つかった?

この間、うちの次期班長候補の二人をナンパしてたみたいだけど?」


「《ナンパ》だなんて、ただモデルのお誘いをしてただけですよ。

ついでに云えば、《画になる被写体》は僕のすぐ目の前にいますよ。

先日言いそびれましたが、あなたにもモデルをお願いしたいと思っているんですよ♪」


そう云って、彼女にも名刺を渡す。


五日前、訓練が終わったあと彼女と話したが、あまり時間もなく、少し会話をかわす程度で終わってしまった。

聞きたかったことは聞けず仕舞い。

名刺も渡せなかった。


「こんな大女、撮っても誰も見ないと思うぞ?」


名刺を眺め、僕の隣に腰掛けながら彼女は云った。

その頬が、微かに赤く染まっているのを僕は見逃さなかった。


〈脈アリだっ♪〉


こっそり拳を握った。


「そーいえば、今日は先日とは違う格好ですね。

訓練以外にも、何かされてるんですか?」


身体にフィットするタイプの黒いTシャツと短パン姿に、僕は尋ねた。

先日の、いかにも自衛隊か軍隊か。

という格好と比べると、今日の格好はとてもシンプルだ。

また、身体にぴったりフィットしているシャツのせいで、ボディラインがはっきり分かる。


豊満な胸。

ウエストの括れも素晴らしい。

日々の訓練で鍛えられ、締まって見事に割れている腹筋が、シャツの裾から僅かに見える。

丸みを残しつつも、キュッと上を向いた尻。


〈すっごい!

ナイスバディじゃん!!

上から…98、56、88、といったところか?!

D…、いやEカップは間違いないな!!〉


不謹慎だと思いつつ、スリーサイズを観察する。

自慢じゃないが、僕は女性のスリーサイズを当てるのが得意だ。

だから彼女のスリーサイズも、まず間違いないという自信がある。

軍隊服の下に隠れた女神の躰。

エロスだ。

是非、そんな写真もフィルムに収めたい。

などと思っていると、彼女が質問に応えてくれた。


「…さっきまで衣裳合わせしてたんだよ。

明後日の式典で着るやつ。

イベントなんかと違って、称号を与えるちゃんとしたやつだから、正装しないといけなくてさ。

で、私達警護班の場合、それが甲冑なんだ。

今まで使ってた甲冑があるけど、せっかくだから新調しろって、社長のご好意でさ。

タダで新しいのくれるっていうんだから。

貰っとかないとね♪」


そう云って嬉しそうに笑った。


甲冑なんて、重いだけだろうに。

そう思う僕には分からないが。

それが正装である警護班にとっては、やはり新しいものは嬉しいのだろう。

しかも、会社がタダでくれるというのだから、貰うほうは万万歳であろう。


〈しかし、甲冑なんて一つ作るだけでも相当金がかかりそうなものだがな。

それをタダで新調していいなんて、随分太っ腹な社長だな。〉


以前、海外で鍛冶を見学させてもらったことがある。

レプリカなんかとは違う、本当に剣としての機能を持った、正真正銘、本物の刀鍛冶だ。

剣一本作るのに、鉄やら鋼やらステンレスやら。

強度を上げるだけでなく、軽さも要求されるため、職人は高い技術と腕が必要となる。

また、よい剣であればあるほど、費やす時間もかかるため、一本がとんでもない値段になる。


その時僕が見せてもらったのが、

『一本で新車が二台は買える』

というものだった。


ここ、アリスに鍛冶屋がいるとは思えないし。

たとえいたとしても、剣と甲冑が同じ工程で作られるとも思えない。

が、素材は少なからず似通っているはずである。

アリスで作られる甲冑がどんなものか。

それは見当もつかないが、レプリカだとしてもそれなりに値は張るだろう。


〈警護班の隊員は約百人、だったな。

百人分の甲冑か。

ハリウッド映画並みだな。

アリスの社長ってのは、かけるところにはホントに惜し気もなく金をかけるんだな。〉


ほんの少し呆気にとられ、コーヒーをすすった。


「じゃあ、私は訓練があるから。」


時計を見、真春が立ち上がる。


「あっ! 一つ教えてほしいんだけど!」


立ち去ろうとする彼女の後ろ姿を、僕は慌てて引き止めた。


「なに?」


「明後日の式典で称号を与えられる隊員って、一体どなたなんです?

誰に尋ねても、副班長のあなたに聞いたらいい、っておっしゃるんですけど。

部外者には教えてもらえないんですか?」


僕の質問に、真春は一瞬困った表情を見せたような気がした。

外部に漏らせないことではないようだが、どうやら言いにくい人物のようだ。

それほど特別な人物か。

あるいは嫌い、もしくは苦手な人物か。


しばらく悩んでいたが、やがて小さく溜息を吐き、仕方ないというように苦笑した。


「教えてあげなくもないけど、楽しみはあとのほうがいいでしょ?

だからヒントだけね!

今日の午後3時くらいに、美容〈ビューティー〉班に行ってみるといい。

衣裳合わせの最終チェックがあるはずだよ。

もしかしたら、シャッターチャンスもあるかもね。

今日を逃したら、次は式典まで会えないだろうから、これがラストチャンスだろうね。」


そう云って、彼女は再び歩きだした。


「健闘を祈る!」


と、悪戯っぽく笑って見せて。

その笑顔に、不覚にも僕は一瞬ときめいたりなんかしてしまったのだが。


「手強い女だ。」


無意識にそんなセリフを口に出して、僕も噴水をあとにしたのだった。



ペンタゴンは実に広い。

五角形で、その形がアメリカ国防省と同じことから、

『ペンタゴン』

と呼ばれているわけなのだが、しかし。

敷地の広さはアリスの方がはるかに上回っている。


アリスはペンタゴンのまわりをぐるりと林で囲まれた造りになっている。

五日前、僕が案内された第七訓練場は、その林の中に設置されたものだった。

林とはいうものの、それは『森』と表現してもおかしくないものだった。

鬱蒼と繁る木々。

まったく手入れされてないわけではない。

いやむしろ、場所によっては、相当細かく手入れが行き届いている。


各門〈ゲイト〉から入り口までの道程、約1キロ。

綺麗に舗装された道の両端は、見事な桜並木。

春になると、それは満開の花をつけ、見るものを魅了し、また和ませた。

桜以外にも、藤、紫陽花、向日葵、花菖蒲、彼岸花、秋桜…。

園芸〈ガーデニング〉班が手塩に育てた花々が、それぞれの季節を彩った。

ちなみに以前記した通り、食品〈フード〉班で使用している野菜のほとんどが、園芸班で栽培されたものである。

園芸班で育てられた花々や野菜は、見た目も味も特級品ということで、実はブランドが付いてたりする。


『ALICE』。


大手医薬品メーカー、『アリスコーポレーション』。

今やトップクラスのブランドである。


余談だが、今園芸班は科学班とともに新種開発に取り組んでいるそうだ。

何の新種かというと、ジャガイモ。

前の収穫のとき、散々な目にあったと、真春が云っていた。

《収穫際》

と銘打って、社長を含めスタッフ総出でジャガイモ以外の収穫もついでに行なったそうだ。

結果。

新種のジャガイモには改良が必要なことが判明したらしい。

味は合格だったが、収穫するときに問題があるということだったそうだ。


まあ、その話はまたの機会にするとして。


とにかくアリスの敷地というのはだだっ広いのだ。

ペンタゴン内を探索しながら、改めて僕は思った。


アリスにある班は全部で十班。

『警護〈ソルジャー〉』

『医療〈メディカル〉』

『科学〈サイエンス〉』

『機械工学

〈エンジニア〉』

『探索〈ファインダー〉』

『企画公報〈メディア〉』

『美容〈ビューティー〉』

『食品〈フード〉』

『園芸〈ガーデニング〉』

『経理事務〈ビジネス〉』

の以上である。


そして、ペンタゴンは地下2階、地上7階からなる、高さの面積も相当な建物である。


地下2階は駐車場で、一部が倉庫と荷物の搬入場所になっている。


地下1階は警護班の武器や装甲車の格納庫。

そして射撃場が設けられている。

最も、警護班の武器格納庫は、地下1階だけではないとのもっぱらの噂。

各階の至る所に、それこそ他の班のオフィスに、隠し武器があるそうである。

何かあったときのため。

だそうだが、社長の趣味、という噂も少なからず流れている。


地上1階は食品〈フード〉班と園芸〈ガーデニング〉班のオフィス。

そして食堂と、噴水付き小さな植物庭園。

以前も説明した通り、この植物庭園が位置するペンタゴンの中心は、1階から7階まで大きな吹き抜けになっている。

噴水の横には、やたら背の高い椰子の木が3本。

その高さは、もう少しで3階に手が届きそうな程。

時々、警護班の一部の連中が、椰子の木の天辺を足場に、吹き抜けの間を行き来しているのが見受けられるのだそうだ。

2階から上には、ちゃんと連絡用通路が設置されているにもかかわらず、だ。

警護班のやんちゃぶりが伺える話である。

そして椰子の木以外にも、室内とは思えないほど青々とよく繁っている、植物の数々。

本当に、植物庭園さながらである。


2階にあるオフィスは経理事務〈ビジネス〉班と企画公報〈メディア〉班。

それから医務室が設置されてある。

医務室は2階と5階の二ヶ所に設置されている。

建物も大きく、スタッフも多いアリスならではであろう。

ちなみに、2階と5階はあくまで医務室〈メディカルルーム〉であって、医療班のオフィスは別にちゃんとある。


3階は機械工学〈エンジニア〉班と探索〈ファインダー〉班のオフィス。

そして、やたらめったらだだっ広い図書館。

この図書館では、探索班のスタッフの姿をよく見かける。

その名の通り、世界各地を飛び回り、新種や貴重な資料となる材料を捜し回るのだ。

ときには『インディ・ジョーンズ』ばりの発掘依頼なんかもあるため、探索班はみな、考古学には余念がないらしい。


4階は医療〈メディカル〉班と美容〈ビューティー〉班のオフィス。

そしてそこそこ広いスタジオ。

ちゃんと音響、証明と、数代のカメラ付き。

新商品のCMやポスター撮影など、このスタジオを使用することが多いとのことである。


5階は警護〈ソルジャー〉班、科学〈サイエンス〉班のオフィス。

そして先も述べた通り、医務室と、科学班のあやしげな薬品の数々の保存室。

本当に危険な薬品は、科学班しか知らない別室に保管場所があるそうである。

が、常日頃から寝不足のスタッフが多い科学班。

別室に保管しなければならない危険な薬品を、誤ってこちらの保存室に入れてしまうことも時々あるとか。


6階は警護班の訓練場、第一から第三訓練場になっている。

そして、第四訓練場、別名『社員用プール』が設けられている。

このプールがまた、会社のプールにしてはなかり設備が整っていた。

25メートルプールの他、流れるプールや子供用の浅いプールまであった。

それ以外にも、警護班用のやたら深いプール。

前方から、これでもかというほど水流が押し寄せるプールなど、様々なプールがあるのだ。

朝9時から夜11時まで使い放題なため、常に数人のスタッフの姿があった。


7階は社員寮と寮生のための大浴場、しかも露天風呂付き。

そして、アリスの設立者で現社長でもある、『有原昴〈ありはらすばる〉』の住まいになっている。

つまり、スタッフと社長が同じフロアで生活しているという、実に不思議な現象が日々起こっているのだ。

しかもこの社長、大浴場の露天風呂がいたくお気に入りで、毎日誰か彼か社長を目にするという…。


カメラマンの以来を受けたときに一度会ったきりであるが、とても気さくな社長だった。


〈温厚で人当たりも良さそうだったし、会社自体もこんだけ設備が整ってたら、なかなか辞めようとは思わないよな〉


ペンタゴンの探索を切り上げ、美容〈ビューティー〉班へ向かいながら僕は思った。


時計は午後三時を回ったばかり。

警護班、副班長である真春の話が本当ならば、美容班には今回の式典で英雄の称号を与えられる人物がいるはずである。

その姿をカメラに収めるべく、僕は美容班への通路を小走りで駆けていった。


「お仕事中申し訳ありません。

失礼します!」


美容班の扉をノックし、中から返事が聞こえたのを確認すると、僕は勢い良く扉を開けた。


思わず、動きが止まる。


両の目に飛び込んできた、鈍色〈にびいろ〉に光る銀の鎧。

重々しく、見ているだけでずしりとした重みを感じさせる。


胸の部分は厚く、両肩の羊をモチーフにしたパッドも厚く、大きい。

手甲も太く、中には数本の短剣がしまえるようになっているようである。

指の先には鋭い爪。

ご丁寧に両手とも。

腿の部分も太い。

見た目では分からないが、おそらくその部分にも、何らかの隠し武器が仕込んであるのだろう。

フルフェイスの兜のせいで顔は分からない。

肩パッドと同じく、羊をモチーフにしている。

頭の左右に付けられた、大きく、円を描くように曲がった角。

そして、顔を守るように、隠すように付けられた、羊を思わせる面。

黒いマントを付けて立つその姿は、まるでゲームやファンタジー小説に出てくるような、魔神そのもの。


ごくり、と僕は唾を飲み込んだ。


恐怖と好奇心。


魔神に睨まれ、背中に冷たい水を感じながらもカメラのシャッターを押した。

美しいと思った。

銀の鎧の美しさもさることながら、堂々と立つその姿が。

身に纏うオーラが。


『英雄〈ヒーロー〉』の称号に相応しい佇まい。


美しいと、心底、僕は思った。


しばらくシャッターを押し続ける。

が、ふと手を止め、僕は改めて『英雄』を見た。

鎧のせいで正確な身長は分からないが、僕より少し高いくらいである。

鎧を着て僕より少し高い程度ということは、僕より低いということだ。

警護班の男性の中では小柄なほうである。


しかし、身長は小柄でも、力は凄いのだろうということが鎧から伺える。

装飾と、見ているものからは分からない仕込み武器の数々。

総重量は一体どれ程か。


<正装とはいえ、こんな重そうなもの着るなんて、大変だよなあ。

女性の鎧もこんな感じなのかな?

あの副班長は大丈夫そうだけど、他の女性隊員とかって大丈夫なんかな?>


真春副班長には失礼かと思いつつ、そんなことを思った。


「気は済んだ?」


シャッターの手を止めた僕に、一人の女性が声をかけてきた。

美容<ビューティー>班、班長。

『鈴城茜菜<すずしろせんな>』。

『歩くエロス』の異名を持つ、茜色の髪を持つ女性である。


「どお? うちの鎧の出来は?

綺麗だと思わない?

数少ない『英雄』に着てもらう鎧だし、相当気合い入れて造ったのよ!

『英雄』自身の写真もいいけど、鎧の方もしっかり紹介してよね?!

カメラマンさん♪」


そう云うと、フルメイクの顔が優しく笑った。


「任せてください!」


その笑顔につられ、僕も満面に笑った。


と、その時だ。


ドオオオンッ!!


巨大な音が響き、建物が大きく揺れた。

続いて二ヶ所、別の場所からも


ドンッ! ドンッ!!


爆発音だと、誰の耳でも分かった。


カメラを握り、音のしたほうへ走りだそうとした僕の横を、魔神が人並み外れたスピードで駆け抜けた。

その背に、黒いマントの下から見えた背中には、『クレイモア』。

警護〈ソルジャー〉班、副班長である魚住真春が繰る大剣。


「うそぉ…。」


その背中を見送りながら、僕は一時その場に立ち尽くした。


『英雄〈ヒーロー〉』の称号を与えられるのは、真春本人だった。

警護班初の女性副班長、

『魚住真春〈うおずみまはる〉』。

警護〈ソルジャー〉班が設立されて20年。

初めての、女性『英雄〈ヒーロー〉』の誕生でもあった。


「なんて女だ…。」


真春のあとを追いながら、思わず僕は、そう呟いたのだった。


もはや真春を女と思ってないよな扱いの中編。鎧のモデルは、実は某ゲームの根っこはいいヤツな悪者だったり…。単純に強い女性を書きたかっただけなのに、鎧って、しかもそれが正装って…。我ながら突っ込みどころ満載。アリスってどんな会社だよ!もはや日本にあるかも怪しい…。次で終わりですが、ぶっちゃけ途中経過がまとまってなかったり。とりあえず、後編またお会いできたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ