PHOTO ALBUM 4
ほんの数十歩
登った先に広がる
いつか届かなかった空
幼い心が追ったのは
夕日の消える瞬間
建物の陰が邪魔だった
飛びたかった気持ちは
心の底でそのままに
今、辿り着く
光が溢れた
髪を掠めた風の向こう
純白に溶ける微かな黄色
遥か遠くの連山には
揺らめく陽光のヴェール
穏やかな山吹は透けていて
階段の魔法
築いた人の想いこそ
ここへの扉だった
雲の陰りですら
それが水だと教える程に
仄かな透明感を湛えて
青さの滲んだ灰色は
見晴らす海にも染み渡り
上空には羽根の様な白い雲
未だ翼はないけれど
確かに空へ届いた歩み
日が沈むまであと少し