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ふたつの世界  作者: あくた咲希
ただ、ひとりの
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60

 インターホンを鳴らしてみても、返答がない。電話してみようか、鍵はかかっているかな、と考えつつドアノブに手をかけると、銀色のそれはあたしの手の中でスルリと回った。迫ってくるドアをすんでのところでかわす。

「斗真……!」

 衝動に駆られて、出てきた彼に抱きついた。シャツの向こうで心臓が跳ねたのがわかった。

「な……っ、いたのかよ」

 口調が、陽の斗真だった。でも、慌てるのは神経を逆なでしそうに思えて、ひと呼吸置いてからそっと離れる。

「あの。怪我は、大丈夫」

「まあ、よくも悪くも」

「仕事?」

「いや」

 斗真は、とくにあてもないという様子で、立ち去るでもなく部屋に引き返すでもなく、あたしと向き合っていた。

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