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ふたつの世界  作者: あくた咲希
ただ、ひとりの
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「無極であれば消えずにいられる。……うちの玲は、どんな様子かしら」

 ヒロさんは、まるで困った我が子を心配するようなそぶりで尋ねてきた。

「玲がいなくなってから、ずいぶん経つのだけど。あなたみたいに無極になっているのかしら」

 あの人の場合、どうなんだろう。玲子さんの身体だけど、中身はずっと玲さんで……。答えられずにいると、ヒロさんは目を閉じて、ふう、とため息をついた。

「せめて周りに迷惑をかけていないといいんだけどね……。私が甘やかしていたから。いなくなってから、ずいぶん反省もしたのよ」

「反省……ですか」

「私がついてるからなんとかなるかって思ってて、彼の好きにさせてたから。だめよねー、ずっとずっと張り付いていられるわけじゃないのに。過保護だったと反省してる」

 額に手をあてがっくりと項垂れたヒロさんを見て、玲さんが男の宏志さんにでさえ、あれだけ依存している理由がわかった気がした。束縛も激しいみたいだし。宏志さんは飄々としているほうだから、言葉は悪いけどヒロさんにベッタリだった玲さんにとって、不安で不安でたまらないところがあるんだろうな。

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