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ふたつの世界  作者: あくた咲希
ただ、ひとりの
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お酒の入っていた宏志さんは、下戸というわけでもない斗真が、飲みの席でも最初の乾杯の一杯しか口にしないと愚痴っていた。腹を割ってほしい宏志さんは斗真に絡みはじめ、それをあたしは静かに見守っているという構図だったわけだけど、ほどなくして巻き込まれた。

「真面目なのはとやかく言わねえんだがなぁ。どこまで真面目なわけ。おたくら付き合ってんでしょ? なに? そっち方面も真面目なの? それって一花的にどーなわけ」

普段は年上の男の人という感じで飄々としている宏志さんなのに、酔っぱらうと雰囲気って変わるもんなんだなぁ、と赤くなるやら、苦笑いするやら……。あたしがちらりと見ると、斗真は一瞬うろたえ、困ったような表情で視線を泳がせた。

未成年のあたしに気をつかって飲まない、というわけではないと思う。職場の飲み会には当然あたしはいないのだし。

うちの家は父さんも母さんもお酒を飲まない。だから、斗真が飲まなくても、たいして疑問にも思わなかった。夜に一緒にいることも稀だったし……。


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