表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ふたつの世界  作者: あくた咲希
ただ、ひとりの
51/132

24

今日、あたしが訪れると、そこには道端宏志みちば・ひろしさんという、三十そこそこのお兄さんがタバコをふかしていた。地毛だという金色の剛毛が日の光を受けて輝いており、ふたつの碧眼はあたしを見つけると、ちょうど獲物を見つけた肉食獣のようにギラリと光る。職業がら体格もよく、けれど、けして襲いかかってきはしないライオンに、あたしは話しかけた。

「こんにちは。斗真はいませんか?」

「まだ上がってないよ。親方に絡まれていたから」

ハスキーな声を間近で聞きながら、指し示された方向に目を向ける。とはいえ、仕事場はここからは見えない。老朽化した建物が解体されて、その水道管やらを撤去しているところらしい。

「すっかり気に入ったみたいでさー」

宏志さんいわく、親方さんの生き別れた息子さんと、斗真がよく似ているんだとか。年の頃合いも同じだそうだ。

「どんくらいかかるかわかんないけど、待つ? うちくる? 一花に見てほしいものあんだけど」

「新作?」

「そうそう」

宏志さんは嬉々として、タバコを携帯灰皿にしまいこむと、アパートの外階段を駆け上がっていった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ