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悠星はいきなりあたしの手をつかみ、ぐいと引っ張った。そして、ものすごく乱暴に、後ろから羽交い締めされるような感じで抱き締められた。
「一花はおれんだから。保護してくれてたんは感謝する、けど、ちゃんと返してもらう」
まさか、な、けれど薄々予感していた展開だった。頭の中でふたつの記憶がぐるぐると混じりあおうとしている。目眩を起こしそう。
――こわい。これって、変。あたしが、二人いる。
助けを求めるように、泣きそうになりながら斗真を見る。彼も、何か感じとったみたいに苦い顔をしている。
「……あたしは、陰の世界のほうの一花だよ」
声を絞り出す。
「こっちの一花、じゃない」
「はあ!?」
耳元で悠星が苛立った声を上げる。
陽の世界に、陰の人間は禁忌。以前会った通りすがりのおじさんの目、もう一人の斗真の目、思い出されて……胸の奥がひやっとする。