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あたしは自分のことで頭を抱えたことが恥ずかしくなって、両手で挟むようにして、ぺちぺちと頬を叩いた。気合い、入れ直そう。
斗真の家まで、走って十分もかからないらしい。
あたしは、思い切って斗真の手を握った。
「行こう、斗――」
視線がかち合い、心臓が跳ねた。ドキッとして身を引こうとしたあたしの手を、斗真が強く握り直す。
「一花」
濡れたシャツの胸に引き寄せられ、あたしは息もできないくらいに慌てた。
斗真も、いつもの彼ではないみたいに落ち着かない様子で、あたしの頭を撫でている。その手がうなじに差し掛かったところで、彼の体がビクッと震えた。