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そういえば天狼は、今の太極と無極の命は有限ではないと言っていた。だから次代を探すのだと。二人を孫のようにということは、今の太極がおじいちゃんのような存在であっても不思議はない。そして、太極を生み出すことのできる無極もまた、結構なご高齢なのだろう。
「会ってみたい? 銀ちゃんに……えっと、今の太極は銀脇って名前なの」
「はい、あの……無極の人は」
「無極は桐っていうのだけど、会ってくれるかなぁ。いるにはいるんだけど、桐ちゃん……うーん」
お姉さんが、急に困ったように腕組みをした。えらく顔をしかめている。桐さん、気難しい方なんだろうか。
「……うん、いずれは会えるかな。運がよければね。レアキャラだからね」
「レアですか」
「そ、スーパーレアって感じ。ウルトラレアっていっても過言ではない感じ」
「そ、そうですか?」
なんだか、考えていたよりフランクな人達に思えてきた。もっとも、このお姉さんだけかもしれないけれど。
「ふわわ、昨日も夜更かししたから眠くなってきちゃった。私は屋敷から出られないから、天ちゃんたちに案内してもらおーねぇ」