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魅了
無事にダンジョンから抜け出せた。
現在は誰もいない裏道でどうペンダントを取りに行くか考え中である。
流石に堂々と宿屋の部屋に入る訳にはいかない。
透明化の魔法で侵入することも考えたが、マサキに透明化の魔法は通用しない。
鉢合わせたらアウトだ。
「さて、どうしたものか……ん?」
目の前に黄色い小鳥が飛んで来た。
特に警戒はしておらず、地面をくちばしで突いたりあっちこっち見て回っている。
「……いいこと考えた」
私は小鳥に対して魅了のスキルを発動した。
魅了のスキルは掛けた相手を隷属化することができる。
ただし自分よりレベルの高い者には効果がない。
今いる小鳥が私より強い……なんてことはなく、簡単に隷属化することができた。
「小鳥さん、あなたに頼みがあるの」
右肩へ止まった小鳥に対し、私はあることをお願いするのだった。