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『ツイステッドワンダーランド』の7章の夢から見るオクタヴィネルの三人の関係性が面白いな、という感想考察。

作者: のらりん目

YouTubeでツイステッドワンダーランドが流れてきたから作業しながら、流し見してみた。見たのは本編のみだけど、他にも番外編がちょこちょこあるらしい。


児童文学みたいで懐かしい感じがする所が好きかも。


エースくんという子がキラキラしていて可愛い。キャラクターの中で一番好き。好きな関係性は、砂漠の組の子達。カリム君はあそこまでジャミル君に感情を抱かれていていいなあ。うらやましい。



でも、3番目のエピソードのアリエルの海の子達の関係性が独特で、考えるのが一番楽しかった。

Twitterで感想を纏めようとしたんだけど、長すぎるのも嫌がられるかな、とこちらに投稿することにした。




このゲーム、『リトル・マーメイド』を基にしたタコとウツボの人魚の三人組のキャラクターが登場する。


タコの名前はアズール。

ウツボの兄弟はフロイドとジェイド。


基本的にアズールの後ろをちょろちょろウツボたちが着いていっている。

従っているというよりも、タコにちょっかいをかけている。


ウツボの兄弟は見た目がそっくりだけど行動が似ていない。フロイド君はADHDみたいでジェイドくんはASDみたい(それっぽい要素を足がかりに考察しているけども、発達障害でキャラクターをカテゴライズするのはナンセンスだとは思う)。


そして、彼らがアズール君に求めているものもそれぞれ異なるように見えた。




- ジェイド君 :


ジェイド君は擬態をしている所とか、思い込みが強いところとか、他者をあまり正確に認識していない所とか、敬語を使っているところとかASDぽい。あと、こだわりが強そうで、キノコに強い興味を抱いている。


彼は、三人の中で一番、人間と、特にアズール君とフロイド君の二人との繋がりを求めている人に見える。


彼の持つ固有のスキルが、他者のことを理解できないなりに少しでも理解したい(究極的には繋がりを持ちたい?)という願いの発露のように見えたのと、


一番最近のエピソードで唯一、彼のみが夢の中で最初から他の二人と一緒に行動していたから。他の二人の夢と違って、ジェイドくんは自分が好きな『山登り』の楽しさを分かち合う事を望んでいる。


覚醒していない状態の『闇』の行動を見るに、分かち合うだけではなく、自身が必要とされることも望んでいるかもしれない。


フロイド君は予定調和や簡単すぎるハッピーエンドを嫌悪しているが(単調すぎて達成感を感じないんだろう)、ジェイド君は彼が言うほど簡単にあの人間関係に『飽きる』だろうか?


(ただ、マレウス君が構築するシステムは制限があるという話だったので、もしかしたら本当の望みを映し出しているわけではないかもしれない)




- フロイド君:


フロイド君は気分屋。衝動性が強く、あまり一つのことに長い間集中している感じもしない。興味の対象が移り変わるのが早い(事を示すエピソードがあったような気がする)。


彼は、ジェイド君と違って、他人と自分のズレを明確に自覚しているフシがある。一回見ただけだから、明確にどこの箇所とは言えないけど、なにが常識か、どういうふうに行動するのがセオリーかよく理解している。


ただ、その『常識』に従うことに興味が持てないから、自分のしたい事を我慢せずに行う。金庫の方に攻撃を飛ばしたり、楽器を奏でるのを放棄して踊り始めたり。


自分の思いついたままに行動して周囲と軋轢を起こすから(軋轢が起きることも理解しつつ、自分の好きなように行動せずにはいられない)、一人気ままに世界中を飛び回るのが気楽なのかもしれない。


周囲と合わせることはできないし、押し付けられるのも嫌いだから、固有のスキルが『自分に押し付けようとする人に押し付け返す』ものになっている。


アズールとジェイドと一緒にいるのは、他の人間といるよりもラク?我慢できる?のかもしれないけれど、それは彼を他の二人に縛りつける理由にならない。


より興味があるものがあれば、あっさり離れて他に興味の対象を移す。




- ジェイド君とフロイド君がそれぞれアズール君に求めていること :


ウツボ兄弟はそれぞれアズール君に求めている事はちがう。それぞれ惹かれている部分がちがうからだ。


フロイド君は、社会から疎外されいじめられたタコちゃんが、それでも社会に果敢に挑戦し、上に行こうともがく姿に惹かれているように見える。


社会に馴染めず、疎外されているのはタコちゃんもそうだけど、フロイド君はその気質ゆえに同じである。


フロイド君がいじめられていないのは、ただ彼が強いからだ。アズール君の孤独を、フロイド君は分かる。疎外された者が、社会に溶け込むことのむずかしさも。


だからこそ、フロイドはアズールがどこまでも上を目指すことを望む。


7章の夢の中で、アズールに対してフロイドが「もうほっといて次行こう(意訳」などと突き放すような事を言ったのは、単純に飽きたのもあるかもしれないが、アズール君が変化のない海に留まり、海の中で停滞する事を是としたからじゃないだろうか。


その上、パリピ軍団のトップとなってイジメを行うというのは、アズール君を、つまりはフロイド君を疎外してきた社会の側に、抗ってきたアズール自身が回ったという事である。


そりゃもう失望して、もういいわ、となるのかもしれない。

依存していない、ある種健全な好意がある。




ジェイド君は基本的にフロイド君に追従するから分かりにくいけれど、単純に忘れられている事、切り捨てられている事に腹を立てているように見える。


フロイド君は軋轢を起こすことが多いだろうが、その分あちこち移動し、トライ&エラーを繰り返すので、たとえ二人から離れたとしても人間関係を築くと思う。フィクションの人間だし、その辺ポッキリ折れて鬱になったりせずに、現実よりもよっぽど上手にやるかもしれない。


ジェイド君はフロイド君ほど行動幅は広くないので、たぶんもう少し人間関係がむずかしい。彼の特性をよく理解してくれる絞った人数で安定した人間関係を築く方が向いているかもしれない。正直、陰キャオタクを自称しているあの青い髪の子より、一回人間関係で躓いたら引きずりそうな気がする。


あの青い子は「拙者みたいな陰キャなんて、上手くいきっこないなんて分かってたんだよ」とグチグチ言いつつ、なんとなく感情を処理しそうだが、ジェイド君は「問題なんてありませんよ」と涼しい顔をしながら内心ドロドロしたもののを抱えて病みそうである。


その点、アズール君が意識的かそうでないかは分からないが、ジェイド君が求めている他人との繋がりに、ある程度は応えているんだろう。話しかければ反応してくれるから、受け入れられているように感じているのかもしれない。


だからこそ、フロイド君は「やってらんねえ、つまんねえ」とバッサリ興味を無くしたが、ジェイド君は「僕のことを忘れて、勝手に甘美な夢に耽ってれば」と拗ねたんじゃないだろうか。無理に覚醒させて、万が一にでも責められたらもう、立ち直るのが大変だろう。


憶測に過ぎないけども、一見さっぱりしたような関係の下にこうしたちょっとジメっとした、思春期らしいというか人間らしい感情があるように見えた。





ところでタコちゃんの情はあっさりしたもので、薄情にも夢の中で最初はウツボ兄弟の事をすっかり忘れている。ああ、そういえばそんな奴ら小学校にいたな、程度。ウツボ兄弟の片思い、一方通行である。


まあでも、アズール君はとても正確にウツボ兄弟のことを理解していたことを鑑みると、多少なりとも何らかの思い入れはあるのかもしれない。よかったね。


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