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寄る年波には勝てず

「デジタルとかITとか、時代の波についていくのも楽じゃねぇな」

 ハゲた頭頂部とは対象的に残った長い髪を後ろに払いながら一人の男がしみじみと語る。

「全くだ、今やスマホやネットが使えないと話にならない。アナログの時代は終わったんだよ」

 話を聞いていたもう一人の隻眼せきがんの男が合いの手を入れる。

「それでな、頑張って説明書を読もうとしたら横文字ばっかりで何が書いてあるのかさっぱりわからんかった」長髪男が吐露する。

「横文字だけじゃないぞ、今や日本語すらよくわからん。アジェンダとかエビデンスとか舌がまわらねぇよ」隻眼男もそれにならう。

「激おこぷんぷん丸とかな」

「それはちょっと違うと思うぞ」

「あとあれだ、人がせっかく説明書を読もうとしたら、詳しくはwebでとかQRコードとかになってんだ。紙でやれ紙でってんだ」長髪男はヒートアップする。

「俺は、この前カーナビを操作してやろうとしたんだけど、あれって機種によって全然違うから諦めたよ」隻眼男は首をふった。

「そうそう、俺はケータイにかけたら出ないどころか留守電とかになっちまってなんて言おうか迷っちまった」長髪男も同意して続ける。

「昔は良かったな、アナログのカメラや電話までが俺の限界だわ」

「生きにくい世の中になったもんだ」隻眼男が感傷に浸る。


「俺たち落武者の霊だけどな」二人は声を揃えて言った。

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