8恐怖の蜘蛛怪物
マンション
三輪は神隠しが起きると言われる現場に来ていた。
「どこかに神隠しされた女性がいるはずだ。
一室、一室、丁寧に見て回ると、電気の通っていない薄暗い部屋の前で異様な気配を感じ取る。
「何かがおかしい!ジンライ!
ロザリオ型腕時計から光が放たれると光の中からロストバスターレイブンが姿を現す。
全身に生々しい傷跡が残る漆黒のロストバスターだ。
暗闇の中、両目が緑色に光り輝く
「とお!
何もないが怪しそうな空間を殴りつけてみると部屋がぐにゃりと歪んで見えた。
「怪しげな!
ギュル!と音がして腕を引いてみると腕に無数の蜘蛛の糸が貼り付いている。
なんと、精密な蜘蛛の糸で作られた壁だった。
糸を引き裂くとその奥に隠された部屋を見つける。
「誰かいるか!
糸をかきわけ奥へと進むと、全身糸でぐるぐる巻きにされた女が吊るされていた。
意識を失っているようだ。
腹部には大量の卵が植え付けられていた。
「母体を得るために神隠しに見せかけて監禁していたのか!
「とお!
すぐに糸の呪縛から解くと床に寝かせる。
女の胸の上に手の平を乗せる。
「必ず助けて見せる!はあ!
手の平から微弱な衝撃波を発生させ振動を体内に送り込む、人体の中に巣くう怪物の卵を超振動で全滅させた。
「これでこの人は助かるはずだ!
そのときだった。
「うわあ!
巨大な蜘蛛の足が体を強打する。
助けたはずの女が蜘蛛の足で抱き抱えられ宙吊りにされていく
見上げるほどの巨体8つの赤い目がこちらを見下ろしていた。
5mほどの巨大な蜘蛛の怪物だった。
「ギーーーーーーーーーーーーー!
鳴き声をあげる。
「お前が神隠しの正体か!とお!
ジャンプして目に正拳を叩き込む
「ギーーー!
肉に腕が食い込む、黄色い血液が噴き出し、苦しそうに鳴き声をあげている。
「とお!
さらに腕をねじり込み、自分を上方に投げ飛ばすと落ちると同時にチョップを叩き込み、蜘蛛怪物の腕を両断する。
「とお!
「ギーーーーーー!
さらに黄色い血液が噴き出す。
同時に落ちて来た女をキャッチすると両手で抱きかかえた。
「この怪物、デカい!それにこの人を抱えた状態では技は撃てない。なら!
キッチンまで走るとガスコンロをつけ火を起こす。
ボワァ!
そして棚の中にあったサラダ油を一気に巻いた。
「みんな燃えてしまえええー-!
ブワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
ものすごい勢いで炎が燃え上がり天井の糸に引火、すべてを火の海にする。
「ギーーーーーーーーーー!ギーーーーーーーーーーーーー!ギーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
蜘蛛怪物の断末魔を背にあびながら一気に外に出る。そして手すりを飛び越えて1階までダイブ、着地した。上を見上げる。
「ギーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!ギーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
悲痛な怪物の鳴き声がいつまでも響いていた。