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4/22

4、10年後、暗黒の時代

三つの怪物勢力は種族のリーダーを失ったことで3種族がひとつになり共存、

混血を繰り返すこと数世代、より強大な種族エラトマ種となる。

人間たちは食料家畜として搾取される存在となった。

そしてそれは人間たちの世界の終わりを意味していた。


人々は世界を悲観視、宗教団体ティーモスが大頭する。

教祖玉木奈央の指導の下、勢力を拡大

信者たちの奇行は連日世間を騒がせ、また黒い噂の絶えない実態もあった。

いわく誘拐、嫌がらせ、殺人。

噂が噂を呼ぶ疑惑の組織、かと言って警察が介入するにはいまひとつ弱く。

支配者である怪物たちはティーモスの存在に口出しをするようなことはしなかった。

政府にも宗教組織が混ざり初め、いよいよ誰にも手が出せなくなっていく


不気味な行為を見た人々は恐怖し、怪物たちの支配で悪化していた社会不安はさらに加速していった。

一方で活動家の人々はシュプレヒコールをあげデモ行進した。

「怪物を攻撃するな!怪物に対する差別だ!いい怪物もいる!」と20万人もの人々が嬉々として怪物たちを擁護

20万人、渋谷の人口と同じだ。潜在的な主義者を換算すれば3000万人はいると言われている。


彼らデモ隊は怪物たちは人間との共生を望んでいると主張し。頑としてそれを譲らなかった。

正確には未知にして絶大な脅威である怪物という恐怖が彼らを突き動かしていたのかもしれない。

しかし、いくら彼らが好意的なことを言おうと確実に人は狩られる。

それは少なくない人数おり、人間たちがそのことに反発を持つのは当然のことであった。

怪物反対を暗に抱きつつも抵抗のできない人々と、怪物をむやみに肯定する人々とで亀裂が走り分断していた。


レジスタンスたちは怪物殲滅をかかげ過激派組織ゲバラを創設する。

このチェ・ゲバラを意識した名の組織は人類最後の抵抗勢力として存在している反面、

既存の兵器の通用しない怪物に対し有効打を持たず、さらに怪物たちの粛清対象しても追い詰められ無用な犠牲を増やす結果となっていく。


フィクションにあるような荒廃した荒野が存在するわけではない。

整備された街並み、健康的な人間たち、兵器開発こそ許されなかったが一定水準の武装を許された警察と自衛隊、表面上、何も変わることはない。

ただひとつ、人が公然と襲われるようになった。

誰もそのことに抵抗できない。

一見効率性をないがしろにした行為に見えるが怪物たちに取っては用意された肉よりも狩った獲物こそが重要だ。

それは怪物たちの狩猟本能に根差した怪物工学的正答だった。

暗い夜道OLが歩いていた

ガサガザ。

振り返ると誰もいない。

おかしいなと思い前を向くと

サイの怪物がこちらを見ていた


「シュニーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!


サイ怪物が鳴き声をあげる


「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!


大急ぎで近くの公園に駆けこむとトイレに立てこもった

ブルブル震えながら待っていると


「シュニーーーン!


怪物の声と足音が聞こえて来る

ドスドスと足音を立てて

ひとつずつ扉を開ける音が響いた

ギイー。パタン

ギイー。パタン

ギイー。パタン

そしていよいよ自分の扉の前まで来た。

ガシャガシャ

扉のちょうつがいを開けようとする

OLはそれを必死に抑えた!

死にたくない!死にたくない!と強く念じ抑え続けたのだ。

どれくらいの長い時間そうしていたのか、何も音も気配もしなくなった

でも外に出たらまだいるかもしれない。下の隙間から何とか外を覗き込むと足はなかった。

誰もいない。諦めて帰った?と思い扉を開けると目の前にサイの怪物がいた


「シュニーン!

「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!

グザ!

「うぶ!


サイ怪物の角が胸に刺さり血がびちゃびちゃと流れ出ていく

死にたくない。死にたくない。

そう強く願い。

OLは何とか地をはい、公園近くのコンビニまで向かう。

ぎゃああああああああああああああああああああ!

コンビニから出て来た客が悲鳴をあげる

そんな中、誰もがOLを避け遠巻きに見ていた。

そこにひとりOLに駆け寄ると抱きかかえる男がいた。

「大丈夫か!

男が傷口を強く抑えつけると叫ぶ

「誰か!医者を!

「は、はい!

サラリーマンがスマホで連絡してくれる。

「あ、もしもし!・・・はい!・・・救急車をお願いします!はい!はい!

男は口を抑えていた女子高生を呼びつける。

「君!君!

ビクッ、と肩を震わせる女子高生が恐る恐る男を見る。

「俺の代わりに傷口を抑えておいてくれ、彼女を頼む!

「あ、はい!

慌てて女子高生が傷口を抑える。

それを確認してから男は暗がりの公園へと急いだ。

暗闇の中にサイの怪物が立っていた。

闇の中、目が黄色く光っている。

3種族の混血した結果、産まれた最強の怪物種、エラトマ怪物だ。


「エラトマ怪物・・・絶対にお前たちの好きにはさせんぞ!ジンライ!」


そう、この男こそ、三輪ユウキ、ボーダー怪物との戦いで死んだかと思われていた歴戦の勇士だった。

43年間、たったひとりで怪物たちと戦い続けて来たのだ。

三輪のロザリオ型腕時計から光が放たれると光の中からロストバスターが姿を現す。


「ロストバスターレイブン!」


長い年月が装着装置と人体にどう影響を及ぼしたのかは未知数だが、

すでにその体は強化装置であるクォーツクリスタルとシャフトクリスタルなしで両装置の力と一体化していた。

全身に生々しい傷跡が残る漆黒のロストバスターだ。

暗闇の中、両目が緑色に光り輝く


「とお!

サイ怪物の側頭部を蹴り飛ばす

シュニーン!

右正拳

左正拳

右正拳

左正拳

右正拳

左正拳

はあ!

右ハイキック

シュニーン!

襲い掛かって来た

はあ!

左ローキックで相手のバランスを崩し


「いまだ!


腕のロザリオ型時計から電子的な音声が言った

シャフトクリスタル・べシンダー!

レイブンが叫ぶ

「シャフトクリスタル・べシンダー!


クローに光が宿ると一撃必殺技の強烈な光がほとばしる

「はああああああああああああああああああああああああああああ!」

最大威力の必殺技をサイ怪物に叩き込む、大爆発が巻き起こる


ファアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!

キキー!

いまごろ来たのかパトカーが急停車する

警察官たちがレイブン目掛けて拳銃を構えた

彼らは拳銃では怪物に対抗できないことをよく理解している。

それをわかったうえで使命感で行動しているのだ。


レイブンが言った

「待て!俺は・・・


「おい、怪物が人の言葉を話したぞ。


「どういうことだ!?


そのときだった

ホオジロザメの怪物がしげみの中から転がり出て来た。


「お前は!


それはかつてボーダー怪物との戦いで倒せずに逃した敵だった。

ただ体格は大きく更新され、外見がまったく違うものになっていた。

そう、ホオジロザメ怪物はさまざまな組織を渡り歩いて7回もの度重なる強化を経てホオジロザメ怪物ZX7へと強化されていた。


「食べます。


ホオジロザメ怪物は両目をギョロつかせながら警察官たち目掛けて突っ込んで来た


「う、撃てえええ!


パン!パン!パン!

発砲音が響き渡る

ホオジロザメ怪物の胸に火花が散った

強靭な腕力が警察官たち襲い掛かる

警察官たちの悲鳴がとどろいた


「うわあああああああああああああああああああああああああああああ!


「とお!


ホオジロザメ怪物の拳をレイブンが腕で受け止める


「ここは俺に任せて!逃げろ!


「ま、ま、待ってろ!すぐに応援を連れて来る!


そう言って警察官たちは車に乗り込み急発進すると行ってしまう


「とお!


ホオジロザメ怪物を殴り吹っ飛ばす


地面を転がったホオジロザメ怪物が立ち上がると、なんと背にハチの羽根が生やした


ブウウウウウウウウウン!


高速で飛行してきた。

ホオジロザメ怪物の尻に巨大な毒針が現れる


「はあ!


転がるように避けると先ほどまで立っていた場所に幅5cmの毒針が突き刺さる。

アスファルトの地面が砕け散った

まるでパイルバンカーのような一撃だ。


「サメだけじゃない!複数の怪物の能力を持っているのか!?


ブウウウウウウウウウン!


また高速飛行して突っ込んで来る


「同じ手を食うものか!はあ!


右横に転がるように避ける

するとホオジロザメ怪物の背中から蛾の羽根が生え風圧を利用して進路を急変更、無理やり右方向に方向転換、まっすぐ襲い掛かって来た


「くうっ!はあ!


とっさに毒針を蹴り上げ方向をそらす、すぐに立ち上がり態勢を立て直した。


「危なかった。蹴っていなければやられていた!


かつてない強敵に冷や汗をかく

そのときだった。


「ぐっ!こ、これは!


体がシビレ始める。

よく観察すると蛾の羽根から細かな粒が振りまかれていた。


「毒鱗粉か!くっ、不覚!


痺れた体で片膝をつき何とかファイティングポーズを維持する。

またも高速で突っ込んで来た。


「とあ!


なんとか毒針を回避したがそのまま体を掴まれ上空へと舞い上がってしまう。

見る間に地面が遠ざかり100m下には地面が広がっていった。


「何とか降りなければ!とあ!


何度もホオジロザメ怪物のわき腹を殴りつける。

あそこの銭湯のえんとつに落ちれれば!

そう計算していたら自分を掴んでいたホオジロザメ怪物の手がいきなり緩んだ

しまった!


「うああああああああああああああああああああああ!


ドスーン!

廃工場の中へと叩き落とされてしまう。

幸い、ゴミの上に落ちて助かった


「逃げなければ!

からくも逃亡するのだった

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