初めましてを、もう一度(リメイク版)
凛古風時代に「なろうラジオ大賞4 冬童話2023」へ投稿した作品です。
ああ、そういえば、ぬいぐるみのテーマだと、クマ率が高くて、ゴリラにしたらどうだろう、ランキング上位は、駄目だろうなぁ~。とかなんとか考えていたような気がします。結局、統計を取ることもなく。
イラストは、アホリアSS様よりいただきました。
「ゴリラダンクをもう一度」スラム○ンク映画化記念。
僕の名前はロランド。
おばあさんが、アンナにプレゼントしたぬいぐるみさ。
でも、アンナは僕を気に入らなかったみたいだ。
クリスマスに包み紙を破いて僕を見たアンナは、僕をゴミ箱にブチ込んだ。
「何よ、ゴリラのぬいぐるみなんて。いらないわ」
アンナが寝た後、アンナの両親が僕を救出してくれた。
次の日の朝、アンナの両親は、僕を抱っこして彼女に渡す。
「ほら、せっかく、おばあちゃんが作ってくれたんじゃない」
そう、説得してくれるものの。
「いやよ、ゴリラなんて、気持ち悪い」
また、僕はゴミ箱に放り込まれた。今度はダンクシュートだった。
「しょうがないわね……、気の毒だけれども、おばあさんに返しましょう。バラせば、何かに使えるだろうし」
そうして、僕はおばあさんの所へ戻った。
「ロランド、随分と嫌われたみたいだね。ゴリラが駄目だったのかね?」
おばあさんは、優しい声で少し悲しそうに僕に話かけた。
「よし、大改造してあげるよ」
そうして、おばあさんは、僕をバラバラにして綿を出して縫い直したんだ。
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僕の名前はロランド。
おばあさんが、アンナにプレゼントしたぬいぐるみさ。
おばあさんの孫のアンナが僕を抱きしめてくれた。
「こんな、クマのぬいぐるみが欲しかったんだ」
アンナの両親が言う。
「じゃぁ、おばあちゃんにお礼を言わないとね」
「うん、すぐに電話する」
そうして、僕はアンナに抱きしめられた。
アンナちゃん。初めましてを、もう一度。
そう、僕はつぶやいた。聞こえないけれども。
(おしまい)
ひょんなことから、タイトルのキャッチフレーズを思い浮かびまして、それに基づいて、執筆しました。
え~と、童話として言いたいこと?「第一印象って大事ですよね」
悪いとゴミ箱にダンクされますよ。