プロローグ
新作の小説です!特撮要素一切無しのSFファンタジー作品となっております。同じく連載中の特撮系ファンタジー小説「Metal Blood World」の世界の過去のお話となっておりますのでどこかで話が繋がったりしているかもしれませんね♪どちらもよろしくお願いします!
数千前........。
この世界には発達した文明があったらしい。動く階段、空飛ぶ馬車、フェンリルやユニコーンより速い鉄の塊。古い文献を読んだだけで事実なのかどうか分からない。でも今の俺達じゃ理解できないくらいすごいものでいっぱいだった!それだけは分かる。
でも、その文明は突如終わりを告げた。空に現れた巨大な穴から何百体もの悪魔が街を破壊し始めたんだ。築き上げてきた文明のほとんどが数日で失われてしまった。
埋め尽くすほどいたはずの人々は半分以上減っていてその代わりにモンスターと呼ばれる怪物がそれを補うように出現し始めた。暴れるモンスター達に対抗するすべはない......その時だ!人間達の中に魔法っていうすごい力を使えるよいになった者が現れるようになったんだ!その魔法を駆使して人々はかつての文明ほどではないが少しずつ復興を果たしていったそうだ。
めでたしめでたし
「子供に読ませる紙芝居①魔法の歴史・この世界の歴史より」
「つまんなーい」
「そーだそーだ」
「私お姫様や人魚のお話がいい!」
「僕はドラゴンと勇者の!」
1人の子供が声を上げる。それに釣られるように周りの子供達もわーわーと文句を言い始めた。紙芝居を読んでいた白髪の少年は困ったように髪をかくと持っていた紙芝居を入っていた袋にしまう。少年は村の中央の広場にある像の前のベンチで読み聞かせをしていた。
「やっぱり難しいかー最近の子供は昔の歴史より物語の方が好きだよな~」
「ハハハハッ!選択ミスだな!」
そこにひげを生やした40代くらいの大柄な男が腕を組みながら少年に近づいた。彼の背中には大きな斧が背負われおりすぐ後ろにいる若い男2人が鹿を担いでどこかに運ぼうとしていた。
「ドルヘックおじさんが子供達にはこういう歴史のやつを教えた方がいいって言ったんだよ!あれ?今日は鹿を狩ってきたの?」
「おうよっ!うちのこの間入った若いやつが初めて狩ったんだ。まぁ初めてにしては上出来だな。次はミノタウロスだな」
「さすがにミノタウロスは難しいよ........って事は今日は鹿料理!よっしゃぁ!」
ドガッ!!
少年はベンチから勢いよく立ち上がると大柄な男はポカッ!と軽く少年の頭を叩いた。
「いってぇ!何するんだよおじさん!」
「お前肝心な事忘れてんなぁ?今日の昼にこの村から旅立つんだろ?」
「あ、そうだったぁぁぁあぁあ!!!荷物家に置きっぱなしだ!まずいまずい!もうすぐ馬車が来ちゃうよ!」
ビューーーーーーーーン!!!!!!
少年はベンチの横に置いてあった剣を背中に背負うと自分の家に向かって全速力で走り出した。大柄な男をその様子を見て思いっきり笑い始める。
「ハッハッハ!!!やっぱアイツおもしれぇな!さすが俺の甥っ子だぜ。..........アイツ一人で大丈夫か?」
数分後
村の入り口の前に数台の馬車が到着した。半分は野菜や果物や肉を運ぶ為のものでもう半分は人を乗せるものであった。家から荷物を取った少年は馬車に乗ると後ろの部分から顔を出す。村の入り口には少年の旅立つを見守るように村の大人から子供がその場に立ち会っていた。
「みんな!」
そこに少年の母親がやってくる。
「いい、知らない人にはついてっちゃダメよ。お腹が空いたからって道端にあるものを食べちゃダメ.....あ、友達とケンカをしてもすぐ仲直りをすること!」
「母さん....俺16だよ?道端に落ちてあるものなんて食べないよ......たぶん」
そこにさらに先ほどの大柄な男とその弟子達がやってきた。
「ドルヘックおじさん!それに弟子の人達!」
「頑張れよー!応援してるから!」
「手紙書いてくれよな!都がどんなとこか知りたいから!あと土産も忘れんじゃねぇぞ!」
「いいかジェネス!お前の背負ってる剣はお前のお守りだ!村のみんなの気持ちがお前の剣には込められている!だから誇りを持って進め!という事で...........」
「「「いってこいジェネス!!!!!!」」」
村の人々の揃った声が森に響き渡った瞬間彼の背中に背負った剣がかすかに光った。少年は笑顔でこう答える。
「行ってきます!!!」
彼に新しい風が吹いた瞬間である。