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【悲報】在宅ワーク中に「リアル垢BAN」されました。 ~派遣先の同僚(実は神だった)がノルマ達成のために俺を異世界へ強制連行~  作者: 無呼吸三昧


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第019話 「念願の悲願」

撃つなよ?撃つなよ?

パシュ!

ギャー!!


え?そうじゃない?


※大規模修正

 馬車に乗ったヒガシカとショーヴが、アルケンダス帝国の首都近郊に差し掛かった頃。


 目的地である軍施設内にある弓術士用の練習場は、いつもと違う様相を呈していた。


 いつにない程大勢の見物客が押し寄せ、警備の兵士達がその対応に追われてたのである。

 黄色い声援、野太い感嘆の声。

 まるで劇場のようだ。


 そんな周りの喧噪など気にする事無く、練習場の中央のレーンで1人の女騎士が弓を射る。


 背中の矢筒から1本の矢を取り出し、流れるような動作で弓に番えて弦を引き絞り、放つ。


シュッ!


タンッ!!


 矢は的として備え付けられた板金の鎧を、まるで紙か何かのように容易く撃ち抜く。

 心臓の位置だ。


 続けて2本の矢を同時に取り出し、弓に番えて弦を引き絞って放つ。


シュッ!


タパパッッ!!


 同じ鎧の両脇を正確に撃ち抜く。

 ミリ単位の狂いもない。


 さらに3本の矢を取り出し、弓に番えて弦を引き絞って放つ。

 今度の3本の矢にはスキルが付与されているのだろう。

 鏃に鋭い光が集束し、オーラのような揺らぎを纏っている。


ギュワッ!


 矢は弓で射たものとは思えない、爆発的な破裂音を奏でる。


ドバァァン!!!


 的であった板金の鎧は、後ろの支えの支柱とともに轟音をたて砕け散った。

 中級スキル[ブレイクシュート]。

 一般的な弓兵が使えば鎧を凹ませる程度の技だが、彼女が使えば攻城兵器に変わる。


 キャーキャーと観客の声援が耳障りだ。


 普段の練習場ではこのような事は起こらないだろう。

 だが、今日は特別な日。

 他国の賓客が弓の訓練を行っているのである。


 エターノル神王国 筆頭近衛騎士 聖弓 ナーニ・ワノア・キンドウ。


 神王国の国教であるピュリナック教、そこの枢機卿であるショー・ワノア・キンドウの養女にして、広告塔。


 今代の聖弓。

 弓の聖女。

 女神の使徒。

 光の申し子。


 熱狂的な信者の中には、彼女こそが女神の依り代や、フォンティーヌその人だという者も多い。


 容姿端麗、武芸に優れ手先も器用で頭も良い才女。

 大らかで慈愛に満ちあふれた性格。


 この完璧な条件に加え「女神フォンティーヌからの天啓を与えられた少女」という劇的な背景がある。


 かつて、教会本部に「ナーニ・ワノア・キンドウは聖弓たる資格あり」と女神フォンティーヌからの天啓が下された。


 女神フォンティーヌを崇めるピュリナック教であったが、長い歴史の中で明確な天啓を与えられた事実はこの時が初めてであった。

 奇跡の具現化。


 そのため、教会本部は当時孤児院で保護されていた10歳を迎えたばかりのナーニを急遽招聘。

 洗礼を待たず儀式にてスキル鑑定したところ、弓術レベルが既に60に達している事を確認した。

 達人を超える領域にいる幼女。


 この時、ナーニは[回復系スキル]や[聖女の称号]は与えられておらず、ピュリナック教における正規の聖女認定はされなかったが、その特異性からすぐに枢機卿の娘として養子に迎え入れる手続きが進められた。


 あれから10年。

 彼女は現在20歳。


 この世界の常識では、この歳の高貴な令嬢は既に既婚か、あるいは嫁ぎ先が決まっているものだ。

 だが彼女は誰もが羨む高嶺の花だったにもかかわらず、恋愛や結婚に纏わる浮ついた話はこれまで一切無かった。


 彼女が公言している、ある言葉のせいだ。


――わたくしの人生は定められた日、定められた相手に弓を射る為だけにある――


 その言葉を聞いた世間の人々は、いつか訪れる運命の男性を思う、比喩的な言葉だと受け取った。

 恋のキューピッドの矢、あるいはハートを射抜くという意味だと。


 その孤高の存在を思わせる生き方が女性に受け、男性は自分がその相手ではと思いを馳せた。

 今日ここに集まっている観衆も、そのような勘違いをしている幸せな者達だろう。


(あと少し……あと数分で約束の時間が訪れる……)


 ナーニは、愛想よく手を振りながらも、内心では冷徹に時計の針を数えていた。


 この日のため矢を射続けた。

 血の滲むような、いや、実際に指の皮が何度破れようとも構わずに続けた修練。

 努力の甲斐もあり、現在の弓術レベルは88となった。

 通常の射撃であれば、スキルなど無くとも必中同然。


 また、女神から与えられたスキルの発動に必要な装備も揃った。


 [必中攻撃スキル 両膝砕き]

  弓術専用 追尾型スキル

  指定した対象の膝へ矢を命中させ、確実に呪いを発動

  ※一定条件の時、一度のみ使用可能

   鏃がオリハルコン、または準ずる強度の材質以外の場合は必中効果減少


 オリハルコンの鏃を持つ矢[竜貫き]。

 これは聖弓になった時に教会から与えられた。

 尚、一緒に[神弓]と呼ばれる国宝級の装備も与えられたが、こちらはスキル発動に不要のため実家の倉庫の奥に眠っている。

 道具に頼る必要はない。

 必要なのは、弟を救うという殺意(あい)だけだ。


(後は矢を番えてスキルを発動して放ちさえすれば……わたくしに与えられた役目は終わりですわね……)


 練習場の外、街道の方角から微かな馬車の音が聞こえた気がした。

 身体が、魂が反応する。

 来たのだ。


「さて、そろそろ時間ですわね」


 ナーニはそう独りごちると、腰につけた別の矢筒から特別な矢を取り出し、番える。


 陽の光を浴びて神々しく輝く黄金の鏃。

 [竜貫き]である。


 続けて頭の中でスキル[両膝砕き]を発動。


 瞬間。


ズズズッ……!


 美しい聖騎士の姿が一変する。

 矢を中心に黒と灰の禍々しいオーラが溢れ出た。

 それは聖なる輝きとは対極にある、呪詛の塊。

 オーラは全身を包み込み、薄紫色の美しい髪が重力に逆らうように逆立つ。


 それを見た観客から、称賛の声が止む。

 「ヒッ!」という恐怖の声が聞こえる。

 本能が警鐘を鳴らしているのだ。


 警備の騎士が慌てて駆け寄ろうとする。

「ワノア卿! 危険です、お止め下さい!!」

 暴走か、あるいは何かの間違いか。


 だが、ナーニは無視する。

 その瞳孔は開かれ、ただ一点、壁の向こうの標的だけを見据えている。


(邪魔をするなら殺すのみ……)


 絶対零度の殺気。

 運良く、その時が来るまでにナーニを物理的に止めることのできる実力者は、この場にはいなかった。


 弓が限界まで引き絞られる。

 キリキリと悲鳴を上げる弦。

 だが、それ以上に彼女の心は歓喜に打ち震えていた。


 10年待った。

 長かった。

 ようやく、会える。

 ようやく、救える。


――ヒガシカ……ちょっとだけ痛いけど我慢してね。きっと[おねえちゃん]が救ってあげますから――


 そして聖弓ナーニは、ウチカとして使命を果たすため。

 愛する弟の未来(あし)を奪うため。


 引き絞った弓弦から、指を離すのであった。

撃ちました。

描写が相変わらずイマイチですね。


次回、治療室で……


修正しないかな?と気になりましたら★★★★★頂ければ幸いです。

ブックマークやコメントも嬉しいです。


宜しくお願い致します。


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