表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ブクマや評価を入れてくれれば連載します?ふぅん、じゃあ連載始まったらブクマと評価外すね?

作者: 燦々SUN

 諸君、私は短編が好きだ。

 自分で書くのも好きだし、人が書いたものを読むのも好きだ。

 ちょっとした隙間時間にサラッと読め、気軽に楽しめるのが長編にはない短編の魅力だと思う。


 悪役令嬢、婚約破棄、追放、復讐、テンプレ大いに結構。面白ければそれでいいじゃないか。

 ただ、最近筆者が気になるのはこれ。


「ブクマや評価が伸びるようであれば、連載するかもしれません」


 最近、こういった後書きをちょくちょく見掛ける。

 これを見てまず思うこと。


「いや、評価ってそうやって稼ぐものじゃないよね?」


 である。

 百歩譲って、「感想欄で要望が多いようなら〜」と言うならまだ分かる。

 読者からの「続きが読みたい!」という言葉は間違いなくモチベになる。筆者自身、感想欄での熱い要望に応えて続編を書いたことは何度もある。

 というか、たった1人の読者の無茶振r……ゲフンゲフン、要望に応えて、元々単発で終わらせる予定だった短編の続編を、視点を変えて4本も書いたことだってある。


 それだけ、「続きが読みたい!」という読者の要望はモチベに繋がる。それはよく分かる。

 だが、なぜそこで評価を欲しがる? ポイント稼いでランキングに載って、宣伝効果を強めるため? まあ、たしかにランキングに載ればたくさんの人の目に留まるけれども。


 だとしたら、言いたいことは1つ、「じゃあ、連載始まったら短編の方のブクマと評価は外していいよね?」である。

 そういうことではないか? 宣伝目的なら、その役目を果たしたらもう用済みという訳だ。


 いや、仮にその短編がきちんとその短編のみで話として成立しているのならば、まだ許せる。

 読み切り漫画みたいに、「俺達の戦いはまだまだこれからだ!」エンドでも、それはそれでギリ話としては成立している。


 だが、そこまですら到達していない、「いや、これただの長編のプロローグだよね?」というレベルの短編“もどき”を短編として投稿して、「続きが読みたきゃ評価くれ」はどう考えてもルール違反だろう。

 そもそも、評価とは飽くまでも「その短編に対する評価」であって、「連載化への期待値」ではない。断じてない。


 そこを勝手にすり替えて、1人だけ違うルールで勝負をするなと言いたい。

 短編もどきを投稿して「ポイントくれたら連載書くよ〜?」なんて言うのは、自分自身の作品を人質にした一種の脅迫だ。

 本人は連載の足掛かりとして軽い気持ちでやっているのかもしれない。だが、そんな卑劣な手段でポイントを稼ぎ、他の真面目に短編を書いている人の作品を押し退け蹴落とす行為は、他の短編の作者全員に対して唾する行為だということを、もう少し自覚した方がいい。


 そして、読者諸君も、どうかそんなものに評価を入れないで欲しい。

 既に、前述したような短編もどきが累計短編ランキングにまで入り込んできている。この調子だと、これからもまだまだ増えるだろう。

 読者を脅迫してのし上がった、短編の体を成していない紛い物が溢れ返る累計短編ランキング。それは、なろう短編業界の危機と言ってもいいのではないだろうか?

 筆者は短編を愛するなろうユーザーの1人として、この状況を非常に憂慮している。多くの人がこのことを認識し、この流れを止めなければ、なろう短編業界は紛い物の方が(・・・・・・)“評価”される無法地帯と化すのではないかと、本気で危機感を抱いている。故にこうして筆を執った。


 この筆者の主張を聞いた上で、それでもどうしても続きが読みたいならば、感想欄やメッセージでその思いの丈をぶつければいい。本当に心ある作者なら、その声援だけで十分動かされるはずだ。

 もう一度言うが、評価とは飽くまでも「その短編に対する評価」であって、「連載化への期待値」ではない。

 今あなたが入れようとしてるその☆は、本当にその作品に対する評価だろうか? 今一度、よく考えてみて欲しい。

追記(2020/5/4)


感想欄で似たようなコメントをいくつか頂いたので、少し言葉を足しておく。

筆者が真に問題視しているのは、ぶつ切りプロローグを短編として投稿することそのものではなく、それに加えて、続きを書くことをエサにポイントを稼ぐ行為である。


連載のお試しとして、ぶつ切りプロローグを短編として投稿する。それ自体を批判するつもりはない。

ただ、それをするならタイトルやあらすじにそのことを明記するのが最低限のマナーだと思うし、後書きに書く言葉は「ブクマや評価が入れば連載するかもしれません」ではなく、「こんなプロローグはいかがでしょう?よかったらご意見を頂けると嬉しいです」であるべきだと思う。


連載のお試しで読者の反応を窺うことが目的ならそれで十分用は足りるはずだし、そこでポイントを欲しがるなら、それは連載の宣伝が目的だと思わざるを得ない。

筆者が言いたいのはそういうことである。

誤解を招く表現があったことをここに謝罪し、追記しておく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
へぇ~、そういう人がいるんだ…………。 幸い、なのか、そういう短編は読んだ事はないなあ。 評価のくれくれはよく見るけど。 短編はそれで完結させるから短編だと思うんだが………。
[良い点] ホンコレ [一言] あらすじに書かれているところまで進まず終わってるのを見たときのなんとも言えない脱力感というかガッカリ感というか。
[良い点] >だが、そこまですら到達していない、「いや、これただの長編のプロローグだよね?」というレベルの短編“もどき”を短編として投稿して、「続きが読みたきゃ評価くれ」はどう考えてもルール違反だろう…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ