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封印の惑星  作者: おきし
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第一話 始まり

初投稿です。

つたない文章ですがよろしくお願いします!

 地球は最近おかしい。

 地震や火山活動、津波や巨大台風。酷暑の夏が続いたり大寒波なんてものもある。どこかの外国の大都市が凍りついていた。

 ニュースでは名前も知らない偉い人が環境破壊による地球の環境の変化が原因だ、なんて言ってた。

 自分の周りで実際にに体験していないうちは、どこか他人事のように考えてしまっていたのかもしれない。



 春も過ぎようかという季節の朝、俺は学校に向かって歩いていた。

 このまま行くと始業時間ギリギリということもあり、周りに学生は疎らだ。

 ここは富士山を望める街。都会ではなく田舎過ぎることも無い、住みやすい街だと思っている。

 俺は高峰緋色、この街にあるちょっと高台になったところにある高校に通う三年生だ。

『緋色』と書いて『ひろ』と読む。

 この歳になるとキラキラがかった名前がちょっと恥ずかしい。学校では字が『ひいろ』だから『ヒーロー』なんて呼ばれる始末だ。マジで勘弁して欲しい。ヒーローらしいことなんてなにもしちゃいない。


「おう、おはよう。ちょっと遅くないか?学校、間に合うのかい?」


 顔馴染みの店のお兄さんが、店の前を掃除しながら挨拶してくる。

 友達とよく集まる喫茶店だ。

 お兄さんは大学時代によく喫茶店で勉強なんかをしていて、レトロな喫茶店に心奪われて頑張ってお金を貯め、若くして自分の店を持ったらしい。

 気楽な感じの店で俺も気に入ってる。


「大丈夫だよ。まぁ、ギリギリだけど間に合うよ。」

「ヒーローは遅れて登場ってヤツか。」

「マジでやめてください。」


 そんないつもの挨拶を交わしながら、気持ちのいい朝の街を歩いていく。

 しばらく歩くと行く手に学校が見えてきたが、学校の正門はこっちから見ると反対側だ。

 ここまでのんびり歩いてきたので正門に向かうとちょっと間に合いそうに無い。


「今日もあそこから行くか。」

 俺は正門と反対側、グラウンドを囲うフェンスの一画へ足を向けた。



「よう、おはよう。」

「おはよ。」

「なんだ、ヒロはまだ来てないのか?」

「まぁ、いつもみたいにギリギリなんじゃないか?」

「全くいつもいつも、最高学年であるという自覚は少しは持って・・・」


 教室で4人の男女が朝の挨拶を交わし雑談する。

 短髪で引き締まった体、それでも優しそうな印象の男子生徒。

 茶がかったロングで、今時風の普通の女子高生に見える女子生徒。

 細身で切れ長の目に眼鏡を掛けた男子生徒。

 黒髪をポニーテールにした、委員長風の眼鏡の女子生徒。


「あ、来たみたいだよな。」

「アイツまた校庭の抜け穴使ったのか。」

「あの穴は学校に掛け合って塞いでもらおうかしら?」

「おーい!急がないと予鈴なっちゃうよー!」



「・・・!」


 校舎の3階にある教室の窓から、友人が何か叫びながら手を振る姿が見える。

 友人であろう判断は出来るが、声は届かない。

 おれは軽く手を上げてそれに応えた。


「ま、普通に歩いてもギリギリ間に合うって。それに先生だってチャイムと同時に教室に来るわけでも無し。」


 俺はスマホで軽く時間を確認しのんびり校庭を歩く。

 始業ギリギリの時間なので朝練の連中もいないし、校庭のフェンスに空いた穴は茂みに隠れていて、あんまり知られていないので使う生徒もほとんどいない。

 そういうことで誰もいない校庭の隅辺りを校舎の方に向かって歩いて・・・・・。



 ドガアァァァァアアァァアァアァァァァァンンンン!!!!!!!!



 何の前兆もなかった。

 突然の轟音と同時に、足元から体が浮くほどの突き上げる衝撃が襲ってきた。


「!!!???なんだ!?」


 ポケットの中のスマホが、緊急地震警報をけたたましく鳴り響かせる。

 校舎の方では、先程の友人達が壁などに捕まったり、右往左往するする姿が見え、たくさんの悲鳴が聞こえる。

 収まる気配の無い揺れの中、原因を探るように悲鳴が聞こえる校舎から周りに視線を巡らせた俺は・・・・。


「な・・・!?うそ・・・だろ!?」


 そこには信じられない光景。

 俺の視界に天に突き抜けるような赤い光の柱が見えた。



 富士山が、かつて映像や映画でも見たことのないほどの溶岩を、天に向かって吐き出していた-----。



 校舎の中は阿鼻叫喚だった。

 鳴り響くスマホの警報音と非常ベル、生徒達の悲鳴が入り乱れていた。


「きゃあああ!な、なに!?地震!?」

「なんだよこれ!?全然おさまんねぇよ!」


 始業前ということもあり、教室には生徒を落ち着かせ誘導する教師はいない。


「落ち着いて!みんな落ち着いて避難訓練を思い出して!」


 委員長風の女の子が、混乱する生徒を落ち着かせようと声をあげるが、表情には恐怖が見え、その声も震えている。


「おい!見ろ!あれ!!」


 生徒の一人が窓の外を指差し叫んだ。


「嘘だろ!?富士山が!」

「富士山は活火山だからな。噴火してもおかしくはないが、それにしてもあれだけの規模で前兆もないのか?」

「冷静に分析してんじゃねえよ!今そんなのどうでもいいんだよ!」


 細身の眼鏡の男子生徒が言うと、短髪の男子が突っ込みを入れる。


「ヒロは!?」

「そうだ、ヒロ!」


 男子生徒二人は、校庭を一人で歩いていた友人を思いだし窓の側へ駆け寄る。


「ヒロ!」


 いた。

 校庭の端の方、ヒロは転びそうになった体を起き上がらせながら富士山を見ている。


「ヒロ!早くこっちへ!」

「地震の時は私たちが校庭に行くんじゃない?」


 遅れて窓際へ来た女子生徒が言う。


「バカ!地震じゃなくて噴火だろ!噴石とか飛んでくるかもしれねえだろ!」

「ああ、そっか!ヒロー!危ないから早くー!」


 その時再び激しい揺れが起こり、友人達は校庭に亀裂が走るのを見た。



「うわっ!またかよ!」


 富士山の噴火に気をとられていた俺は、突然の激しい揺れに対応できず地面に手を着いた。

 体勢が崩れたことで視線は下がり、校庭の様子が目に入った。


「!!」


 亀裂が入った!

 校庭に走った亀裂は瞬く間に広がり、ヒロの足元を通過していく。


「え?」


 一瞬分からなかった。

 自分の足元に地面が無い。

 巨大な亀裂はヒロの足元に底の見えない闇を作り出していた。


「うわっ!うわっうわあああああぁぁぁぁぁぁ!!」


 ヒロは絶叫しながら、なす術もなく亀裂の中に落ちていった。



 友人達は落ちていくヒロを見てしまった。


「ヒロが!」

「ヒロが落ちた!た、助けなきゃ!」

「お、落ち着きなさい!こういう時は・・・こういう時は・・・どうすればいいの?」


 友人達は混乱していた。普段冷静そうな二人も一緒に。


「ぼ、僕たちにヒロをどうにかする手段がない。それと校庭に避難も無理だ。どうしたら・・・。」


 皆が混乱する中、窓の外、富士山の様子を見ていた生徒が何かに気付いた。


「お、おい」


 その声は悲鳴や混乱のため皆に聞こえない。


「おい!」


 生徒は叫ぶと何人かの生徒は気付き、そちらへ視線を向ける。


「お、俺の目がおかしくなければ富士山の火口、噴き出してるマグマの中でなにか動いてるように見えるんだけど。」


 生徒は富士山の火口付近を指差し、震える声でそう言った。


「マグマが噴き出してるんだから、そりゃ動いてる・・・だろ?」


 窓へ寄り富士山の方を見た生徒達もそれに気付いた。何かがいる。

 黒く大きな影。

 異様なシルエットが生物らしき動作で動いている。

 それはまさに今、立ち上がろうとしているようでその巨大さが増していく。


「何あれ?」

「マグマの中に生き物?でも、そうだとしたらめちゃくちゃでかいぞ!」


 生徒達の視線は富士山の火口へ集まっている。

 他の教室などでもそうなのだろう。先程までの悲鳴や叫び声が減っている。

 皆が注目する中、ソレは出て来た。

 100メートルは超えていそうな巨体。禍々しいほど赤黒く、マグマのような発光した赤い線が幾本も走った体。


「え・・・怪獣?」


 誰かが呟いた。

 その異形は、漫画や特撮でしか見たことの無いようなもの。

 一言で言い表すならば『怪獣』。

 その怪獣がこちらを向いて一歩踏み出していた。



お読みくださりありがとうございました。

前半1割程度のプロットで、見切り発車してしまいましたが頑張りますので、生暖かく見守ってください。

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