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ヤバイ!パンツを!

作者: 霧ヶ峰 涼

今日、僕は世界一不幸な男だと思う。


なぜなら、今現在パンツを履いていなかったことを忘れていたからだ。


そもそも、そんなことだけではよかったが、ちょうど行った銀行で銀行強盗のプロである鬼畜的で猟奇的で凶暴な団体さん御一行が来店してきた。そして、人々に武器的な何かを装備していないかを確認するために下着姿にさせると言っているからである。


僕は人間国宝と言われても過言ではない英国紳士ばりのサラリーマンと巷ではささやかれているくらいの超真面目君である。生まれた時の産声は鳥の囁きに匹敵するくらいの声量といった感じで生まれながらの紳士戦士。


ガッッ!!


なんということだ、最近ノーパン生活がブームに来ていたことが裏目に出たじゃないか、ここで脱いで僕のイチモツを公開してしまうと今まで築いた信頼も何もかもを失うことになる!絶対に脱がない!「クソ野郎!」


その時無意識に声が出ていたことは周知であった、一瞬周りが凍っていたがそれを気にせず、ファイアーボールを投げつけてくるように猟奇的強盗の一員がこっちに近づきながら「おい、お前も早く脱げ」、と僕の心情を一掃するか如く言ってきた。


おいおいこれじゃー、公開死刑ではないか目線が全部自分に向いている、ここで脱ぐことを渋ったら疑いをかけられ瞬殺されてしまう。いやいっそのこと瞬殺されて羞恥を防ぐか、だめだどうせ服をまさぐられてノーパンがばれて馬鹿にされ、下半身をむき出しのまま放置されることは回避不可避。


「ままよ!」そう思いベルトを外しズボンを下げようとした瞬間。


「わーん」、子供が緊迫した空気を一蹴するかごとく泣き出した視線は瞬く間に子供に向き、それと同時に強盗の銃口も子供に向いた。そして、うるせえ!という雄たけびと同時に引き金を引くのが見えた。


僕はこの状況でも紳士的思考が冴えていたようだ、「うおおおお」という声と言っていいのかわからない人外的声でズボンが裂けそうな勢いで脱ぎ視線をまた自分に向け子供をかばった。

しかし

そこには火薬のにおいと絶叫が蔓延した空間にマグナムをぶら下げた死体が転がっていた。

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