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パンドラの箱  作者: 傘屋 佐菜
男子禁制の島
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第八十八話 腐王退治

「い、今更何したって許してあげないんだから!」

顔を真っ赤にして叫んだメリー王女は、その言葉とは裏腹にどこか少し嬉しそうだった。

「そう……そうよね。ダメよね」

僕の肩に手を置いたままのディアンがシュンとうなだれる。

「で、でも! 姉さんがいてくれたら心強いわ。腐王退治なんて、考えたこともなかったから……」

こういうのを昔本で読んだことがある。メリー王女はいわゆるツンデレってやつだ。ディアンもそれがわかっているのか、わざとらしく喜んでみせた。

「そうと決まれば早速行くわよー!ねえ、メリー。あなた腐王がどこにいるか知ってる?」

「ええ、いつも最上階の謁見の間にいるわ。あそこは一番陽の光が当たらないから」

よしきた! とディアンはガッツポーズをしてウインクをしてみせた。勝手に話が進んでしまって、僕は完全に逃げようと提案するタイミングを逃してしまった。その腐王退治に僕もついて行かなくてはいけないかと思うと震えが止まらない。

「ディアーン! ディアン、どこだー!!」

どこか遠くから聞こえてきた声に、3人とも耳を傾けた。張りのある、女性にしては少し低いこの声はフラッシュだ。何か相当焦っているのか、何度もディアンの名を呼んでいる。

「これは……外から聞こえるわね。まだ他にお仲間がいたの?」

「そうだ! 途中でフラッシュとはぐれちゃったんだった!」

ディアンはしまったと言いたげに口元に手をやった。

「大変! あんなに叫んでたらあっという間に腐王に見つかっちゃうわ!!」

早く外へ! と僕の手を掴んだディアンは、握りしめた拳で地下の壁を打ち砕いた。

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