表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パンドラの箱  作者: 傘屋 佐菜
悪魔の島
57/95

第五十六話 保護者

「話はまとまった?」

その声に顔を上げると、ファグお姉ちゃんが不安定にホウキにまたがりながら降りてきた。そしてほとんど落下と言ってもいい感じに着地する。

「あの霧の魔女、箒乗れないんじゃないの?」

アクアちゃんが私にそっと耳打ちをする。私も小さな声でうん、と返した。

「ファグお姉ちゃんは魔力の使い方はすっごく上手なんだけど、ホウキは全然なんだよ」

小さな声で言ったのだけど、お姉ちゃんは聞こえたのか少しムッとした顔をした。

「ウェンディー? なーにを話してたのかなぁ?」

お姉ちゃんはやっぱり少し怒っている。私は慌てて話題をそらした。

「こ、このアクアちゃんとね、海軍に入りたいって話してたの!」

「海軍?」

「うん、そう海軍! 私強くなりたいんだ! まだまだお姉ちゃんたちみたいに上手くは使えないけど、せっかく魔力が使えるようになったんだし……それで、ええっと……」

不意に、勝手に決めて怒られるんじゃないかと思って次の言葉が出てこない。下を向いてもじもじと指をからませていたら、アクアちゃんが私の頭にポンと手を乗せた。

「ウェンディも私ももっともっと強くなりたい。それには海軍はうってつけだと思う。私は元々海軍に入りたくて島を飛び出してきたんだし……危険なのは十分わかってるつもり! それでも、私はウェンディの意思を尊重して連れていきたい。あなた、お姉さんなんだからわかってあげられるでしょう?」

恐る恐る顔を上げるとファグお姉ちゃんは大きくため息をついた。

「危険とわかっていて1人で行かせられる訳ないでしょう? 私はウェンディの保護者よ」

「ご、ごめんなさ……」

「だから、私も行くわ! 3人で一緒に海軍に入らせてもらいましょう。ツテもあるし、ちょっと調べたいこともね……文句あるかしら、アクアちゃん?」

アクアちゃんは少し不敵に笑って、ないよと返した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ