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パンドラの箱  作者: 傘屋 佐菜
悪魔の島
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第五十一話 もうやめてくれー!

ハッと気がついて顔を上げると、遠くの船首にいるベラの背中が目に入った。

「べ、ベラァ。助けてぇ」

手を伸ばしながら涙声で嘆願すると、ベラは腕を組んで振り返り、ニヤリと笑った。

「なんだ、その情けない声は。お前男だろう? 魔女なんかにビビってんじゃねぇよ」

ベラはその真っ白な翼を広げて僕の前にフワリと降り立つと、ほら、と言って手を差し出した。僕はその手を縋るように掴む。ベラがぐいっと手を引っ張って僕を立たせ、ポンポンと頭を叩いた。

「な、なに?」

僕はその手をおずおずと払い除ける。ベラは別に、と言って笑った。気を悪くはしなかったようだ。

「ビビる必要ねぇって。コイツらは敵じゃねぇ。味方……ってワケでもねぇが、ま、大丈夫さ。ちょっといじわるなヤツも混じってるが」

そう言ってベラはお面の魔女を指差した。お面の魔女は指されていることに気付いて、ベラをギロリと睨む。僕はひぇっと短い悲鳴を上げ、ベラは怖かねぇよと笑った。

「もうやめてくれー!」

お願いだから、これ以上魔女たちを刺激しないでほしい。じゃないと僕はもう、恐怖で気絶してしまいそうだ。

すぐ近くでフゥ、と誰かのため息が聞こえた。

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