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パンドラの箱  作者: 傘屋 佐菜
悪魔の島
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第五十話 フラッシュの憂鬱

ベラとアクアの勝負はベラの圧勝だった。あたしにも見抜けなかった高度な幻影。どうしてあんなことができるのか……

船首に座っているベラの背中を見上げて、あたしはほぅと息を吐いた。そして初めて、今まで息を止めていたことに気付く。

「ベラって滅茶苦茶強いんだな……」

ボソッと呟いた独り言に、ファグ姉がそうねと返した。

光の屈折を使えば、あたしにも幻を作り出すことはできる。けれど、あんなにも本物みたいなのは作れない。私の幻影はいつも歪んでいて、抽象画みたいに色の混じりあった物体にしかならない。「(ルス)」の魔力で太陽みたいに広範囲を照らすことは出来ても、応用した技とかはない。できない。

あたしは中途半端だ。魔力を上手く使えない。箒に乗るのも上手くない。

――どうしたらそんなに強くなれるんだ?――

口をついて出そうになった言葉を無理矢理飲み込んだ。

教えて欲しい。けど侮られたくない。知りたい。けど知られたくない。この言い表せないグチャグチャの感情を。

あたしは大きく舌打ちをしてベラに背を向けた。

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