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パンドラの箱  作者: 傘屋 佐菜
悪魔の島
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第四十八話 アクアの本気

本気を出すと言っていたのに、ベラさんは私の攻撃をひらりひらりとかわすばかりで仕掛けてこない。イラついて私は叫んだ。

「ベラさん! 本気で捻り潰してやるって言いましたよね!? なのに避けてばっかで攻撃もしてこないし、からかっているんですか!」

「いや、これがボクの本気さ。お前の攻撃はボクには当たらない。どんな技を繰り出そうが絶対に、だ。お前を捻り潰すにはこうするのが効くだろう?」

ベラさんは意地悪そうにニヤリと笑った。つまり、からかっているんだ。私が絶対にベラさんに勝てないと思い込んでいる。

「バカにしないで! 私は島一の実力者なのよ!」

ベラさんに向けてバッと両手を構えた。手の平から溢れた水は下に落ちることなく膨らんでいく。ベラさんはまだニヤニヤと笑っていた。

「"海坊主"! これが私の本気よ!」

船より大きな水の塊は生き物のようにうねってベラさんを襲った。油断しきっていたベラさんは"海坊主"に飲み込まれる。

「当たったじゃない! これで私の勝ちよね!」

ガッツポーズをしてみせると"海坊主"の中で揺らめくベラさんは、やっぱりニヤリと笑ってどうかな? と言った。その直後、ベラさんの姿が大きく揺らめいて消えた。目を見開いて"海坊主"を解除する。あたり一面水浸しになったそこにベラさんはいなかった。代わりに耳元で声がした。

「ボクの勝ちだ……最初からな」

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