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パンドラの箱  作者: 傘屋 佐菜
悪魔の島
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第三十七話 ポロリ

「この人たちを助けてみねぇか?」

いきなりナゾのお姉さんにきかれて何のことかわからなかったけれど、今までずっとファグお姉ちゃんやフラッシュお姉ちゃんが私のためだって言って連れてきてくれた人たちだから、私はいつも何もできないけれど小さくうなずいた。

「よし。なぁに大丈夫さ」

お姉さんの声は突き放すみたいに冷たいけれど、少しだけ、本当にほんのすこーしだけ笑っているような気がしたから、私もニッコリと笑い返した。でもすぐにお姉さんはキリッとした顔になって、背中の大きな羽を大きく動かして少しずつ空へ上っていった。お姉さんが開けた大穴を通り抜け、いつも遊んでいるお城よりも高く、ずっと高くまで上って止まった。お姉さんがまた私の頭を優しくなでる。

「手を空に突き出してみな。聞き手の方がいい。それで手のひらから力を放つんだ」

「……わかんない」

「いつもファグやフラッシュに遊んでもらっていただろ? あいつらはどうやって魔力を使っていた?」

うーんと考える。いつも遊んでもらっていたけど、どんなふうに力を使っているかなんて見ていなかった。ただ、私もいつかあんなふうになれたらいいなーなんて、できもしないことばっかり夢見てた。

「ムリだよ。私お姉ちゃんたちとちがって力がないんだもん」

ポロリとなみだがこぼれた。

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