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パンドラの箱  作者: 傘屋 佐菜
悪魔の島
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第三十六話 光の天使

「や、やることって何ですか……この島は危険なんですってば……」

強く反論したいのに、ベラさんの目が怖くてつい小声になってしまった。覇気なく口を尖らせることしかできない。ベラさんは一度女の子を見て、そして街を見た。

「よく周りを見ろ。ここにいるのは全員ファグたちに連れてこられた村の人だ」

私は騒ぎを聞きつけ集まってきた人たちを見た。皆珍しがるようにベラさんを見ている。羽の生えた人が飛んでいるのだから当然だけれど……。

「天使だわ」

「この楽園に天使が舞い降りた!」

「ユートピアの新たな光よ!」

「ああ、天使さま。私たちに光を……!」

街の人たちはそれぞれに手を組んで祈りをささげている。私にはひどく滑稽に思えた。

ベラさんは神の使徒ではあるけれど、天使なんかじゃない。そもそもこの世に無償で幸せをもたらしてくれるようなものは存在しない。

私はベラさんを仰ぎ見た。ベラさんは街人の祈りなんか聞こえていないのか、ただ女の子を見てほんの少し口元を緩ませた。

「ウェンディ、この人たちを助けてみねぇか?」

女の子は少し首を傾げて小さく頷いた。

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