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パンドラの箱  作者: 傘屋 佐菜
悪魔の島
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第二十一話 霧の正体

ヤツは楽しそうに笑った。ボクはその笑い声が不愉快でたまらない。アクアが服の端を握っているのも気にならないほどに。

「お前なんかとこんなところで会うとはな」

「私もですよ。そもそも、あなた様はてっきり死んだものと思っていました」

「世間ではそうなってるだろうな。アイツの権限で」

「まあ! リューイ様をアイツ呼ばわりとは。あなた様も随分とお偉くなられたのですね」

彼女の表情が少し曇り、手から白いもやがにじみ出る。ボクは服をつかんでいるアクアの手を握った。アクアが驚いているのが振り返らなくても分かる。そのままグッと引き寄せた。

「飛ぶぞ。絶対に手を離すなよ」

その言葉を合図に、ボクは空高く舞い上がった。アクアは手を離すまいと強く抱きかかえている。落ちないように腰に足を添えてあげた。バランスが取れたアクアは、ギュッとつむっていた目を開けて下を見た。下では、魔女が高笑いをしていた。

「そんなところに逃げたからって何になるの? 私の霧はすべてを包み込み、隠してしまえるのよ!」

彼女の手から放たれた霧があっという間に広まっていく。アクアが怯えて、ボクの手をさらに強く握った。たちまち辺りは真っ白になる。ボクは小さくため息をついて、スッと右手を突き出した。

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