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「始まりは唐突に」2(笑)

どこで切っていいかわからない…それが黒歴史!

 「そう言うな。女は色々と準備がいるんだよ。それでイベントの詳しい内容、と言うのは?」

レイスは先ほど主人に聞いた内容を話した。

「ふむ・・・なるほどな。要は魔物を派手に倒せばいいって事か?」

「違います。派手に倒しすぎると持っている鉱石ごと粉砕してしまうので魔法は止めておいたいいでしょう。それに、この次元で魔法があるかどうかわかりません。下手に魔法を使うと逆に動きづらくなるでしょう。」

エルシュは「ふむ」と納得したのかどうかわからない表情で返事をした。

「ならば、武具が必要になるな。残念だが私は武具の類は持っていないぞ」

「それを言うなら僕もですよ。大した武具なんて持ってませんよ。」

そんな話をしていると隣の席から声が掛かった。

「あ、あのぉ~武具をお探しですか・・・?」

声を掛けてきたのは16歳位の少女だった。

「君は?」

「あぁ、すいません。自己紹介が遅れました。私この町の鍛冶屋の娘のキャロと言います」

「僕は、レイス、こっちの女性はエルシュです。よろしく、キャロ。」

「は、はいよろしくです・・・。で、あ、あの!武具をお探しですか!?」

キャロの剣幕に零栖はちょっと驚いてしまった。

「あ、あぁ・・・探してるけど・・・」

「そ、それでしたらどうぞ家の店に来てくださいっ!」

キャロは頭を下げ必死でお願いしていた所にエルシュがぼそっと言葉を出した。

「いいんじゃないか?」

「え?」

キャロは驚いた様だった。

「え?いいんですか!?」

「まぁ、こっちは武具を探してる。君は武具を取り扱ってる。別に不思議は無いだろ?」

「ありがとう御座います!では早速店に案内いたしますっ!」

「まて、私はまだ朝飯を食べていない。」

「あ・・・すいませんすいませんすいません」

キャロは何度も謝った。

「えっと・・・キャロさん。もう少し落ち着いて・・・別に逃げるわけじゃないんだから。」

「は、はい!」

その時ちょうど宿屋の主人がエルシュの朝飯を持ってきた所だった。

「はい、お待たせ致しました。ごゆっくりどうぞ。」

「あぁ、ありがとう」

エルシュが礼を言うと主人は「あれ?」と言う顔をした。

「君は・・・バーンズの娘さんじゃないか、どうしたんだこんな所で?」

キャロは「あうあうあう」と慌てた様子だった。

「えっと、イベントに出るために武具を探してた所キャロが家の店で揃えないか?と誘われたので、これから店に行く所だったんですよ」

レイスがそう言うと主人は少し戸惑っていた。

「バーンズの娘さんには悪いんだが・・・お客さんそれは止めておいた方がいいですよ。」

「え?何でですか?」

レイスが答えると、キャロは黙って俯いてしまった。

「バーンズの作る武具は昔は良い物だったんです。あの事故さえなければ。」

「あの事故?」

「えぇ、バーンズの作った剣が折れてその破片が他の人に刺さりその方は亡くなってしまった。そんな事故が立て続けに起きてしまって、呪われた武具職人と噂されてからは、すっかり廃れてしまってね。」

「そんなのお父さんが悪いわけじゃ無い・・・使ってる人がちゃんと手入れしなかったのが悪いんだ・・・」

「ふむ・・・呪われた武具職人か・・・」

「・・・エルシュ・・・顔に出てますよ。すっごく面白そうだと・・・」

「お、お客さん正気かい?悪い事は言わない別の店に行くべきですよ」

「はぁ・・・残念ですけどエルシュが面白がってますからまず無理でしょう・・・」

「え、それじゃ家の店に来てくれるんですか?」

「えぇ、行かせて貰いますよ」

その時丁度エルシュの食事が終わり食後の珈琲を飲み終わっていた。

「それじゃ行こうか、久しぶりに楽しみだ・・・くっくっく」

エルシュの妖しい笑いに主人の表情は引きつっていた。

「それじゃ御主人色々とありがとう御座いました。御代はここに置いておきますね。」

「は、はい。毎度ありがとう御座いました。またのご利用を心待ちにしております。」


宿の外へ出るとキャロは沈んだ様子だった。

「それじゃキャロ、道案内を頼む」

「は、はい・・・。でも本当に良かったんですか?」

「何がだ?」

「そ、そのうちの店の事を聞いて嫌じゃないんですか?」

「なんだ、そんな事か。キャロも行っていただろ。使ってる人がちゃんと手入れしなかったのが原因なんだろ?ならば問題ない。それに例え呪われていたとしても使い手がその呪いより強ければ問題ない。」

エルシュはそう答えたが当のキャロは「???」と良く分かっていなかった。

「ま、まぁ。キャロさん。取り合えずお店まで案内してください」

レイスの言葉でキャロは少々困惑していたが店まで案内した。


「ここが私の店です。」

と言って店の中へと入っていった。

「エルシュ。」

「あぁ、分かってる。これは本物だな。」

店を取り巻く嫌なマナが漂っていた。

「これは面白くなってきた。零栖お前の力が必要になるかもしれないぞ。」

「・・・あんまり使いたくないんですけどね。確かにこの次元なら使っても問題は無さそうですけどね。」

「まぁ、取り合えず入ってみるか。」

「そうですね。」

と、零栖とエルシュは店の中へと入っていった。


「いらっしゃい」

店の主人でもありキャロの父親でもあるバーンズと思わしき中年の男が待っていた。

「お父さん、この方達が武具を探してたから連れてきたの。」

「そうかい、お客さん。うちの噂は聞いてるのかね?」

「はい、宿の主人から聞いてます。何でも呪われている、とか。」

そう聞くとバーンズは「フッフッフ」と笑っていた。

「そうか、あいつが言っていたのか。まぁいい。どんな武具をお探しだい?」

そういうとエルシュが前に出た。

「呪われた物を見せて欲しい」

「・・・お客さん正気かい?」

「正気だ。今出てる物は特に呪われていない様だからな。」

「・・・お客さん一体何者だ?よく分かったな。その通りだ、ここにある物は俺が作った物じゃないからな。」

「と、言う事は、ここにある物はキャロさんが?」

「あぁ、キャロは中々良い物を作るだろ。他の街へ出てもそこそこ有名になれる代物なんだがな。キャロはここを離れたくないと言う。困った娘だ。」

「私は、お父さんと離れるなんて嫌よ!それにお父さんより良い物なんて私作れない・・・」

キャロはそういうと店の奥へと走って行った。

「やれやれ、それじゃお客さん。奥へ来てくれ」


店の奥には工房があった。とても綺麗とは言えないが竈の火も燃え盛り今でも時々バーンズが武具を作っている様子が見て取れた。

「俺が作った今ある武具はこれだけだ。」

そういうと工房のテーブルに載せて見せた。

武具の種類た多数あり、刀・剣・短剣・斧などの武器や鎧や小物などもある。

「ふむ・・・これは「吸血」の呪いか・・・」

エルシュが短剣を手に取ってみた。

「見て分かるんですか?」

零栖が不思議そうにエルシュを見た。

「あぁ、このマナを見れば分かるが、零栖はまだ魔剣など見たことが無かったな。一度そのマナを見れば大体は分かるようになる。」

「ふ~ん。そんな物ですか」

零栖は刀を手に取りじっくりと呪われたマナの気配を見ていた。

「そうだな、流石に私が持てる武具は無さそうだな。」

「僕もちょっと重過ぎたり、大き過ぎたりしますね。」

エルシュと零栖は色々手に取ったり振るったりしながら選んでいた。

「主人、バーンズと言ったな。」

「そうだが、やっぱり呪われた武具じゃ怖くなったか?」

バーンズは嘲笑いながら武具を片付けていった。

「いや、私と零栖の専用の武具を作って欲しい。」

「は?」

「バーンズ、お前は腕がいいみたいだ。それにこの呪い、素晴らしい。ぜひお前に武具を作って欲しいんだが、駄目か?」

「はっはっは」と急にバーンズが笑い出した。

「お客さん。お前達は面白い奴だ。こんな客今まで居なかったぞ。」

と、バーンズは腹を抱えて笑っていた。

「いいだろう。お前達専用の武具を作ってやる。だが、俺の武具は高いぞ?」

零栖はこっそり財布の中身を確認した。

「えっと、お幾らですかね・・・?」

零栖は渇いた笑いでバーンズに聞いた。

「100万G。・・・と、言いたい所だが面白い奴だから1万Gでいいだろう」

破格の金額を聞いて零栖は驚いた。

「そ、そんなに安くて良いんですか!?」

次元や通貨にも寄るが大抵の武具は安くても5万~7万Gだ。

「まぁ、金の事は気にするな。どうせ今回のイベントに参加するんだろ?」

「ま、まぁそうですけど・・・」

「そこでだ、ちょっと頼みたい事があるんだが・・・」

「なんでしょう?僕達にできる事なら頼まれますけど・・・」


眠くなったので今日はここまで、また近いうちに投稿します!

悶絶して下さった方からの誤字脱字の指摘や、感想や評価お待ちしております(笑)

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