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「始まりは唐突に」(笑)

読み辛いとか気にしない!だって…黒歴史だもん!

 鳥の囀りが聞こえカーテンの隙間から暖かな日差しが差し込んだ。

(またあの時の夢か…あの時あの人に会わなければ今頃は…)

(今更昔を振り返っても意味ないか…)

暖かなベッドの中に微かな違和感がありながらも居心地が良かった。

(良い匂いがするなぁ・・・)

まだ、眠気で眼を開けられないが他の感覚は覚醒していた。寝返りをすると柔らかく暖かな物が顔一面に広がった。

(ん、何だこれ・・・柔らかい・・・)

そう思った瞬間、頭を優しく包み込まれた。

「おい、あまり顔を動かすな。少しくすぐったいぞ」

「え?」

すぐ近く頭上から声が聞こえ一気に眠気が覚めた。

「な、なんで!え?何これまだ夢?」

顔を上げるとすぐそこにあの日僕を助けてくれた女性がいた。あの日から変わらない銀の髪と深紅の瞳が僕を見ていた。

「何だ、まだ寝ぼけているのか?」

「ちょっ!師匠!何で同じベッドにいるんですかっ!」

その瞬間、頭に回されていた腕に力が入り胸元へと深く埋もれた。

「おい、レイス。誰が師匠だ?私にはちゃんと名がある。名称で私を呼ぶな」

「ちょ、息がっ!エルシュ!エルシュ・ヴァリシュ!…死ぬ…」

レイスは徐々に顔色が青ざめ動かなくなっていった。

「む。少しやりすぎたか。しょうがない奴だな」

エルシュはそう言うと静かに歌うように魔法の詠唱を始めた。

「大気の元素、癒しの風よ。我の眼前たる傷つき者に癒しの力を与えよ」

「癒しの風――」

詠唱が終わると優しい風が流れエルシュの手に暖かな光が集まった。

するとレイスは青ざめた顔色から徐々に赤みがましていった。

「ん……」

「気がついたか?私の胸で気絶するとは情けないぞ」

エルシュは呆れた顔でレイスに言い放った。

レイスはすぐさま起き上がりエルシュから勢いよく離れた。

「元はと言えば、エルシュのせいでしょうがっ!なんで僕のベッドに居るんですかっ!」

慌てたレイスを見てエルシュはまたも呆れた顔をした。

「落ち着け。まだ寝ぼけているのか?今の現状をよく思い出せ」

レイスはそう言われ少し冷静に思い出してみた。

(確か…昨日は散々道に迷い、やっと夜遅くに着いた街は、何かのイベントをやっているらしくて観光客で宿屋は既に部屋は無く。その宿屋から教えてもらった別の宿で運良く部屋が一つ空いていたけどシングルの部屋…)

「思い出したみたいだな。安心しろ、「私は」何もしていない」

それを聞いたレイスは慌てた。

「ちょ!何言ってるんですか!その言い様だとまるで僕が何かしたみたいじゃないですか!」

エルシュは頬を少し赤く染めとんでもない事を言い放った。

「何を言ってるんだ…あんなに抱き付いて来たくせに…」

「…え?」

呆然とするレイスを見てエルシュはクスクスと笑いだした。

「フフ、冗談だ。安心しろ何にもしてこなかったさ。」

「…エルシュ。冗談がキツイですよ…」

レイスはほっと一息ついた。

「本当、何にもしてこないんだ…私は魅力が無いのだろうか…」

エルシュは小声で呟いた。

「え?何か言いましたか?」

「いや、何でもない。まぁ全てはレイスが次元移動を失敗したせいだ。」

「うっ…」

「端末(座標認識装置)にすら載ってないこんな辺境の地に飛ぶとはな。さすがの私もびっくりだ。」

「それはエルシュがいきなり僕に次元移動の魔法を使わせたからでしょう!それでなくても空間移動系の魔法は超高等禁呪の一つじゃないですか!飛べただけでも奇跡ですよ!…それに詠唱中邪魔しましたよね…?」

「何んの事だ?もしかして抱き付いた事か?」

「もしかしなくてもソレですよソレ!御影様で集中が途絶えましたからね!」

エルシュはふっ、と笑った。

「それにはちゃんと理由があったのだ。お前緊張してただろ?緊張を取ってやろうとしたまでだ。」

「だ、だからと言ってっ!」

すぐさま反論しようとしたが言葉を遮られた。

「お前は本当にそれだけで失敗したと思うか?」

レイスは息が詰まった。

「詠唱所々間違えていたぞ。それにマナの練が足りなかった。」

それは…と言い訳を言おうとした所を再度遮られた。

「マナの練が足りないとどうなるか教えなかったはずは無い筈だ。」

魔法を使うには二つの方法がある。一つは己の持つ魔力で瞬時にマナを練あげる方法。もう一つは大気に渦巻く魔力を詠唱によりマナへと変換する方法。

前者は簡単で大したマナを必要としない場合に用いられる。後者は大量のマナが必要な大魔法を使う時に用いられる。

この詠唱などをしくじると必要なマナが足りなくなり、代償として自分の魔力から補わなければならない。

当然のように自分の魔力が枯渇すると死に至る。

「ごめんなさい…エルシュは僕を助けてくれたんだね。」

しょぼくれるレイスを見てエルシュは僅かに微笑んだ。

「まぁしかし、そろそろ路銀が尽きてきた頃だな」

「そう言えばそうですね。そろそろお金を稼がないと先が辛いですね。」

この所は以前居た次元で偶然にも賞金首の盗賊を修業中にふっ飛ばし多大な賞金を貰いその賞金で旅をしていた。

「うん。そうだな、今この街ではイベントが行われていたな」

「そうですね。そのせいでエルシュと一緒の部屋になったんでしたね」

「街へ出てそのイベントやらを見て行こう。もしかすると金になるかもしれん」

「そうかもしれませんけど、どんなイベントなんですかね?」

「それは行って見ないと何とも言えないだろう?」

「それもそうですね。じゃあ仕度して行ってみますか」

「うむ」

レイスが仕度をしようとするとエルシュは突如服を脱ぎ出した。

「ちょっと。エルシュ・・・僕の見えない所で着替えて貰えませんか・・・」

「別に見られても減る物でも無かろう?」

「減ります。僕の自制心が・・・」

顔を赤らめ俯くがエルシュには聞こえなかった。

「ん?何が減るんだ?」

「もういいです。僕は先に食堂に行ってますっ!」

そう言うとレイスは自分の荷物を持って部屋の外へと出て行った。


「まったく・・・エルシュは僕を男と見てないんだから・・・」

ぶつくさ言っているレイスの背後から声が掛かった。

「おはようございます。よく眠れたでしょうか?」

宿屋の主人が大量の洗濯物を持って現れた。

主人の体つきは騎士や傭兵のようにがっちりしており力仕事など得意そうだった。

「は、はい。昨夜は夜分遅くにすいませんでした。」

「いや、気にしなくていいですよ。こんな時期ですから他の宿屋も一杯だったでしょう?」

「そういえば、この町ではイベントが始まるんですよね?どんなイベントなんですか?」

宿屋の主人は零栖の言葉を聞き少し驚いている様だ。

「お前さん方は知らずにこの町へ来たんですか?悪い事は言いません早くこの町から出ていった方が良いですよ。」

「え?何でですか?」

レイスはきょとんとした表情で聞き返した。

「町ではイベントと言っているが早い話、魔物狩り――なんですよ。」

「魔物・・・狩り?魔物って人外の化け物の事ですか?」

「はい。化け物です。この辺の地域では魔物が居るんですが十年に一度魔物の体内に鉱石が生み出されるらしいんですよ」

「鉱石?」

「鉱石と言っても鉄や金などでは無いんですよ。宝石に近いですね。その鉱石はとても高価で取引されている為、人々が集まりこうしてイベントになってるんですよ。」

「ほ~・・・鉱石が高価で取引されてる・・・これだ・・・」

「あの・・・お客さん・・・?大丈夫ですか?」

「いえ、大丈夫ですよ。貴重な情報ありがとう御座います♪」

「は、はぁ・・・」


「美味そうな物食べてるな。主人、私にも同じものをくれ」

「はい、毎度」

エルシュはそう言い席に着いた。

「まったく、何時まで準備してるんですか。イベントの詳しい内容がわかりましたよ。」


投稿する作者も読み直して枕に顔を埋め足をジタバタ中(笑)

悶絶して下さった方からの誤字脱字の指摘や、評価や感想お待ちしております(笑)

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