表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平成のタスクフォース  作者: 月宵/氷渚
第一章/TaskForce
9/58

始まりの出会い

きっぱりと言いますが、駄作です。

大した面白味はない小説だと思いますが、読んで下されば幸いです。

お問い合わせ等ございましたら、

[freedom769240@gmail.com]

までお送りください。

清々しい土曜の朝。いつもと何も変わらない退屈で価値のない一日が過ぎるだろうと考え、

俺はいつも通り上下ジャージのまま家を出た。

近所の自販機まで飲み物を買いに行くためだ。土曜の朝方なら正直同級生と会うことはないだろうとふんだためだ。

事実、通り道にはあまり親密だとは言えない近所のおばさん達しかいなかった。

しかし、今日の誤算はそこだった。同級生と会わなくて済むのは計画通りだったが、

このおばさん達は例外だ。近くを通ると世間話に巻き込まれて立ち往生してしまう。

そこで仕方なく迂回して行くことにした。

だがこの行動が一番いけない物だったとはその時は考えもしなかった。

今、俺の目の前にあるのは死体だ。頭部を的確に撃ち抜かれている。

被弾部の肉は抉れ、中からどす黒い血液が滝のように流れ出ている。

その黒い海の奥には元は頭蓋骨であっただろう残骸が沈んでいるのが見えた。

その光景に目を疑った俺は、ゆっくりとその死体に向かって歩き出した。

地面に横たわった成人男性と思しき死体。頭部を一撃で撃ち抜かれたその死体からは

絶えず黒い海が溢れる様に噴き出している。

だが、死体に向かってニ三歩程歩いたところで急に世界が反転して次の瞬間後頭部に強い痛みを感じ、

それによって視界がぼやけた。暫くその後頭部の強い痛みに動くことが出来なかった。

痛みが徐々に薄れていき、視界がハッキリしてきたところで自分の眉間に押し当てられている物に気が付く。

この無情をはらんだような冷たいさわり心地は恐らく銃だろうと俺は思った。

だがその場合、事態は最悪だ。次に聞く音は俺の頭蓋骨を撃ち抜く銃声だろうと考えた。

しかし、俺の耳に聞こえてきたのは柔らかく心地の良いはっきりとした言葉だった。


「貴方は誰?ここで何をしてるの」


てっきり自分の人生はここまでだと勝手に想像していた俺は呆気にとられてしまっていた。

そこに眉間に押し当てられている銃が及ぼす圧力が強くなったところでようやく自分を取り戻す。


「あ、あぁ。どちら様?」


ようやく我にかえったのもつかの間、俺の口から発せられたのは意味不明な言葉で、

それによって更に眉間に加わる力が増大したのは言うまでもない。


「痛い!分かった分かった!言うからとりあえず銃を収めて……下さい……。」


それで良しと言わんばかりに今まで眉間にかかっていた圧力が急に抜けて全身から力が抜ける。

痛みに顔をしかめながら自分の力で起き上がって眉間の確認。撃ち抜かれてない?よし。

そして俺に無表情で銃を向けている奴を見てまた呆気にとられる。


「んな……女子!?」


俺の眉間に銃を突き付けていた者の正体は学生服に身を包んだ女子生徒だった。

白髪のロングヘアーで背は俺よりも少し小さい。

ハッキリ言って美少女だが今はそんな事は言っていられない。

しかし、俺はなぜかこの少女に見覚えがあった。


「いいから答えなさい。拒否権はないわ」


酷い言いようだ。元から貴方に人権は無いですよ的な。

だがこれを言えば明らかにその小さい指のかかったトリガーを引かれると思ったので

取りあえず両手を上にあげて曖昧な表情を取る。


「俺は花村零斗。おばさんを避けて自販機に行くために迂回してた」


そういうと少女は興味深そうに俺の事をじろじろと見た後に軽くため息をついて銃を下ろした。だがまだその鋭い眼光は俺を睨んだまま離さない。


「花村君?君確か二組の……」


そこまで聞いて俺ははっとした。制服に違和感を感じたのは気のせいじゃなかった。

冬休みだからとすっかり忘れていた。あの制服は俺の通う高校と全く同じものだった。

しかし冬休みだからと言って自分の学校の制服を忘れていたのはある意味凄いと思う。

それに彼女の事も何処かで見たことあるなと思っていたが、二年の東雲先輩だ。

滅多に学校に姿を現さない事と絶世の美女だという事で一年女子の間で話題になっている。


「東雲先輩……ですか?どうしてこんな……」


俺のその一言に今まで緩みかけていた表情が元の無表情に戻り、またため息を漏らす。

まるで君に教える義務はないとでも言わんばかりに先輩は顔を背けた。

そして俺が話しかけようかどうか迷っていた時、急に先輩が口を開いた。


「黙って聞きなさい。貴方には二つの重要な選択肢がある。まずは、このことを誰にも口外せずに知らなかったふりをしてそのまま人生を送る。あるいは……」


「あるいは……?」


少しばかりの沈黙。なぜだか俺はその後の一言に期待をしていた。

顔を背けたままの続きを聞きたいという渇望により、一秒一秒が長く感じられた。

やがて、俺の予想した続きが先輩の口から伝えられた。


「私たちの、仲間になること」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ