(2022,4,1)麓路の現状
「結城入ります」
俺の安眠を妨害したのは結城さんの一言だった。安眠と言っても寝させられてるだけだが。
入って一番最初の任務でこけて足を捻挫するなんて言えるわけがないだろ。
あまりにもドジすぎるんだよ。もっと注意すべきだったと反省はしているが。
そのせいで新守さんや他のメンバーにも結構迷惑もかけてしまったしな。
だがなぜこのタイミングで来るんだ。時刻は昼の2:00。お昼寝タイムじゃねぇか。
だが結城さんが入ってくることすら珍しいのでとりあえず興味本位で出てみる。
出てみると結城さんがぐったりした零斗を抱えて立っていた。
「零斗どうしたんですか!とりあえずこっちに渡してください!」
相変わらずぐったりしている零斗を結城さんからパスされた俺は急いでベッドへと運ぶ。
額に手を当ててみるが熱くはない。呼吸もいたって普通だ。
「私は忙しいので失礼する」
と結城さんはSVDをこっちに放り投げてどこかへ行ってしまった。
というかなんでSVD?しかも誰かが使った痕跡がある。
弾が数発減ってるし、何よりも銃身がまだ温かかった。
とりあえず頬をつついてみるが反応はない。本当に大丈夫なのかコイツ?
そんなこんなして零斗をいじくっている内に、二回目の訪問があった。
唯でさえ足が痛いのにと内心ブツブツ言いながら取っ手を引く。
「……」
どうやら開けたのはこの少女らしい。しかもライフルまで持って。恐ろしい。
まぁこんなこと言ってる俺もM16を振り回すわけだが置いておくとしよう。
「誰に用?」
「……零斗」
なんだよ。またこいつかよ。休ませてくれよ俺を。ちょっと待っててくださいと言って
俺は零斗が寝ているベッドへと向かう。くそぅ、静かに寝息なんかたてやがって……。
そして俺は色々な腹いせも含めて大きく振りかぶった。