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奇話百厭  作者: 水崎
2/9

2.かくれんぼ


 短い、短い話を一つ。

 俺がまだ幼い頃――そう、それこそランドセルを背負っていた頃。一人の帰り道を「探検」と称してあちこち歩き回ったことがある。別に友達がいなかったから1人で帰っていたわけではない。ただ単に同じ方面に帰る子供がいなかったのだ。

 その日は、良く知らない道に出た。てくてくと一人で歩く。そして、あるモノが聞こえた。


 もういいかーい


 まーだだよー


 複数の、子供の声。どうやらかくれんぼをしているようだ。いったいどこでだろう。

 きょろきょろと辺りを見渡しながら歩き続ける。

 その時。


「もういいかい?」


 子供の声が聞こえた。

 遠くからではない。

 耳元で、はっきりと。


 横を見る。しかしそこには誰もいない。

 そして後ろを振り返ると――


 在ったのは、壁だった。

 今まで通って来た道などどこにもない。

 すぐ前には、何故か俺の家があった。


 後から聞いた話だが、昔ここの周辺で、かくれんぼをしていた子供が数人、行方不明になったらしい。

 何十年たった今でも、子供達はかくれんぼを続けている。



【終】

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