リアニメーション~The tale which connects a tale~
ある少年が一つの物語を閉幕させてから一年の月日が過ぎた。
そして、この日も夏のある日。
深く深く人が辿り着けない底のある空間に『それ』はあった。
頭上では、穏やかに夏を強調し静かに静かに波をたてる。
青く白く、時には濁り、時には荒く、行ったり来たり。
そんな日々を眺め――
その時はやってくる。
深く暗い闇の底、小さな命に突かれては微かな移動を開始した。
小さな命がいたずらに移動を手伝い、その命は唐突に大きな命の糧になる。
そんな自然の摂理の現象を前に、底に砂埃と波紋の勢いが生まれた。
横になってからどれほどの月日が流れたのか久しぶりの起床、隙間から残りわずかな吐息が漏れた。
小さな泡は無数に分裂し地上へと昇る。
それを合図と言わんばかりに、『それ』は浮上した。
小さな波が『それ』をゆっくりと運んでいく。
そして、時を経て、『それ』は再び物語を紡ぐためこの地に戻って来た。
七月二十一日――。
「なんだろ……これ?」
「なにゴミ拾ってんの?」
新たな◆◆◆の――――元へ――。
「やっぱゴミ?」
「怪しさ満点のゴミだよ」
そうして、物語は次の扉を開く。
「でもさ、真っ黒いDVDケースってなんかそそらない?」
To the next stage.