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メイド服っておいしい?

久しぶりの投稿なのでリハビリを兼ねて。メイド服って萌えですよねぇ(笑)

「そういえばさ、前から思ってたんだけど」


と口火を切ったのは私だった。



旅の途中、お昼を取りに入った食堂での会話。



「この世界のメイド服ってみんなスカート丈が長いよね」


その言葉にみんなが首をかしげる。


「メイド服…とは何だ?」


アレクの質問にあー、という表情になる。

つい元の世界で使っていた単語が出てしまったが、さすがに自動翻訳機能でもこちらの言葉には変換されなかったようだ。


「あー、メイドっていうのは元々お屋敷とかに勤める女性の使用人さんのことでね、私のいた世界ではそれが転じて一部マニアックな飲食店で接客する女性のことをさしたりするわけで…まぁ、とりあえず、彼女達が着ている服のことをメイド服って言うのよ」


なんだかかなり偏見が入った私の説明に更にみんなの頭の上に?が飛びまくっている。


「ええと、つまり王宮や貴族の屋敷に居る侍女たちのことでよろしいのでしょうか?」


「ああ、うん、そうだね。あとはこういうお店で給仕をしている女性のことも広い意味で指すねー」


「サヤの世界では侍女も一般食堂の給仕娘も身分は一緒ということなのか?」


「いや、厳密には違うと思うよ?でもイマドキ日本のサブカル文化じゃ本物の侍女なんて見る機会ないからねぇ…」


アレクの問いに答えたものの言葉の語尾が消えていくのは仕方がなかったことだろう。

実際、元の世界ではお嬢様学校で有名だったウチの学校でも家でメイドを実際に雇っている人なんてほとんどいなかったしね。(でもいなかったわけじゃないよ?)

故に、ほとんどの日本人が想像するメイド服というのは秋葉原のメイド喫茶などで働く女性が着ている物が多いとおもうのよね。


「こちらではお屋敷勤めが出来る侍女になるためには貴族の位がないと無理ですわね。もしくは豪商、豪農の娘が行儀見習いとして上がるぐらいですわ」


メリッサのちょっと驚いたような口調にヴァレリアやシーラも頷く。


「王宮勤めが出来るほどの侍女となると更に条件は厳しくなりますね。家柄や本人の性格や容姿はもちろんのこと親族の素行なども含めて徹底的に調べられた上に厳しい面接を通過しないとなれませんもの。逆に言えばその条件を越えられればその女性にとっても箔が付きますから王宮勤めを望む者も多いのですのよ」


メリッサの言葉に更にヴァレリアとシーラも同意する。


「私も昔は行儀見習いとして幼いころは他の貴族の家に行っていた時期がありましたよ。でもやっぱり騎士になりたかったので約束の年季が明けて家に帰った後、父上と大喧嘩いたしまして…その結果が今の姿です」


苦笑しながらいうヴァレリアだったが、幼いころに見につけたという姿勢の美しさは今も損なわれていない。

それどころか騎士として生活していた分、動きが更に洗練されたといってもいいだろう。

「はーい、はーい、シーラも侍女やってたことありますよー。シーラはバーニーおにー様の家でがんばってましたー!」


元気良く申告するシーラの姿とは対照的にバーニーの気配がどーんと暗くなったのは気のせいではあるまい。

バーニーの隣に座るアレクとメリッサもなにやら苦笑いをしているではないか。


「そういえばシーラとバーニーは親戚だって言ってたね。その縁で行儀見習いに行ってたの?」


「そうなんですよー。わたし、昔からそそっかしいところがあったのでー、なかなか行儀見習いに行くお屋敷が決まらなかったんですけどー、お母様が公爵様にお願いしてくださったのであがらせてもらったんですー」


公爵様って誰だっけ?と思いそっとメリッサに目配せをすると小さな声で「ルーン公爵閣下、バーナビー神官長のお父上様のことです」と教えてくれた。

あー、そういえばそんな話を前に聞いたことがあった気がする。


「シーラの魔術の才能を見抜いてくれたのもバーニーだったよね。もしかしてそのころのことなのかな?」


「そうですー。おにーさまったらいつも気にかけててくださったみたいで、お屋敷にあがってまもなく魔術の才能があるから公爵邸(うち)ではなく、神殿に預けて学ばせた方がいいってみんなを説得してくださったんですー。おかげで行儀見習いの期間は短かったですけど、いっぱい魔術の勉強が出来たのでうれしかったですー」


シーラはにこにこと本当に嬉しそうだが、バーニーやアレク、メリッサの表情を見ると何か判った気がした。


案の定、後ほどバーニーにコッソリ真相を聞いてみたところ


「シーラの才能があったのは本当ですが、アレが公爵邸(うち)にいた間にいくつの花瓶が割られ、カーテンが破かれ、絨毯がダメになったことか思い出したくもありません…」


との返事が返ってきた。

まぁ、シーラの性格からして侍女向きじゃないのは分かっていたけどそこまでひどかったのか…と思わず苦笑してしまった。

なんにせよ、シーラに魔術の才能があったのは本人にとっても、そして周囲にとってもとても幸せなことだったに違いない。


「それで、話が戻るがこちらの侍女服とサヤのいた世界の侍女服はそんなにも違うものなのか?」


あら?なんだかアレクの食いつきが妙にいい気がするけど気のせいかな?



「そうねぇ…。私の世界での一般的に多く見かけるメイド服って萌えタイプが多いかな?黒または濃紺のワンピースでスカート丈は膝上、白いフリル付きのエプロン、頭にはやっぱり白いフリル付きのカチューシャというのが定番だったね」


さらっと流したけど、この世界では膝丈スカートなんてあるわけないからみんなどんなものか想像もつかないらしくて顔を見合わせている。

仕方がないのでちょっと書くものと紙をもらって簡単なメイド服のデザインを描いてみんなに見せてあげた。



「ちょ、ちょ、ちょっとサヤ!なにこのデザイン!足が丸見えじゃないですか!」


「そうですわ!サヤの世界ではみんな女性はこんなはしたない格好をしているんですか?!」


「うわー、すごいですねー。でも、ちょっと着てみたいかもー」




「「「「「えっ?!」」」」


動揺しまくるメリッサとヴァレリアの反応は予想通りすぎて苦笑するしかなかったけど、シーラの言葉には思わず私も驚いてしまう。


「シ、シーラ?本気?」


「えー、だってこんなにヒラヒラしててかわいいじゃないですかー。うーん、機会があれば一度着てみたいですよー」


私の突っ込みに無邪気な笑顔で答えるシーラ。

確かに童顔の彼女なら似合いそうだけどねぇ・・・。

でもこの世界でこんな服着てたら危ない人扱いされそう…って考えてたら何故かメリッサとヴァレリアが真剣な顔してデザイン画を覗き込んでいた。



「確かにスカート丈を除けばデザインとしてはステキですわね。こちらでは全く見かけたことのない斬新なラインですし」


「足元も靴下を変えれば何とかなりそうな気がしますね」


「そうですわね。私達が着るにはちょっと勇気が要りそうですが、シーラとサヤなら…」


「いけそうな気がしますねぇ」



なにやらぼそぼそと話していた二人が顔を上げて私のほうを見てニッコリ笑ったが、その笑顔に嫌な予感がひしひしと感じられた。


えーっと、これって大ピンチの気がしますよぉ?



その後、デザイン画がどんな風になったのかはあまり言いたくないことだった(涙)

本編の合間に入れても良かったのですが、現在本編がシリアス風味なので今回はオマケに投稿してみました(苦笑)

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