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第二話 邂逅

こんなんで大丈夫なのだろうか…

学校 1年3組教室

「…最上瑞穂です」

あれから数日後、僕のクラスに彼女がやってきた。クラスの男子がおお、と声をあげる。

大いに、そして何か間違えている気もするが大丈夫だろうか?

そんなことを考えているうちに、彼女が自分の席に着いた。僕の隣という位置はなんかテンプレのような気もするが気にしないことにした。

「学校でも(・・)よろしくね、薫君」

「ええ、そうさせてもらいますよ」

一瞬にして空気が凍りついた。おっかしいな、ただあいさつを交わしただけなのにどうしてこうなるんだ?

すさまじいほどの殺気が頭上を飛び交っているわけだけど、勘違いも甚だしいものだと思う。

「え、えーと、なんでこうなちゃったのかな?」ヒソヒソ

「さあ…?」ヒソヒソ

何となくわかってはいるが、口にすることはしない。

…しかしまあ、どうしたものかなこの状況。実際彼女も困っているみたいだし、担任は早くホームルームを終わらせたほうがいいと思うんだけど。

「…あー、ホームルーム終わりにするぞ」

さすがに担任も耐えかねたらしい。令を済ませるとさっさと教室を出ていってしまった。

(おいおい、それでいいのか?)

そんなことを考えているうちに、彼女に興味のあるらしい連中がぞろぞろと彼女の周りにやってきた。一限目の授業まで五分もないのに…。


ひとまず、午前の授業は何事もなく終了した。何か起こるのではないのかと戦々恐々としていたけど、何も起こらなくてよかった。

それでまあ、昼休みになったわけだけど、

「薫君、一緒に食べよ?」

男子からの殺気がすごいです。

「えーと、ちょっとついてきてくれませんか?」

とにかく、ここからはやく脱出しなければ。

「うん、わかった」

お弁当を手に取り、僕はいつもの場所・・・・・・へと向かった。


学校 教室棟屋上

「いつも、ここにきて食べてるの?」

「ええ、教室だとなんだか息苦しいものですから」

(息苦しいというか、友達いないんだよなあ僕)

そんなことを内心思いつつ、いつものように貯水塔の裏手に腰掛ける。ここからだとあたりの街並みがよく見える。

「それじゃあ、食べましょうか」

「うん」

そして僕たちは昼食を摂り始めた。ちなみに僕は弁当で、彼女はサンドイッチだった。

「…そういえば」

不意に彼女が食事の手を止めた。

「薫君て、どの部活に入っているの?」

「正直なところ、まだ決めていないんですよ。見学したりはしているんですけど」

(…本当は見学すらしてないんだよなあ)

なんだか最近、すらすらと嘘が言えるようになってきた気がする。駄目だというのは分かっているんだけど。

「でも、入るとしたら文化部系でしょうね。僕、体力ないですし…」

ガラガラ

…唐突に扉をあける音がした。

(誰か来たのか?)

来るとしたら、僕たちと同じ理由か。だけど、此処に来ることはないだろう。

…そう考えていたのがまずかった。

「あれ? 先客がいたかな」

やってきたのは、やたらと小柄な女子生徒だった。

(…三年生、だよな?)

靴の帯の色(青)からそう判断したが、どう見ても身長は150センチもない。

この人が、僕たちの入ることとなる部活の部長だとは思ってもみなかった。

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