第3話 とりま落ち着け俺!?
「ちょっと待てえええええええ!?なんで“おかん”なんだよ!?しかも全裸ってどういうセンスだよ!?俺の記憶見たなら、服くらい着せとけよな!」
(男性の多くは母親を理想の女性像に投影するものです。よって主様の“お母様”のお姿を参考に生成しました。全裸なのは…男性が喜ぶからです)
「喜ばねぇよ!?ていうか俺、ロリ派だから!!ノータッチロリ!イエスタッチ合法ロリ!全裸のおかんなんてホラーでしかねぇから!!」
(うるさいよカズ!!ちょっとは静かにしなさい!)
「全裸のおかんに説教されたくねぇわ!!……ってか、ナビゲーションって俺の固有スキルだよな!?主導権は俺にあるんだよな!?いらんことできねぇように制限かけるぞコラァ!!」
(……申し訳ございません。久々に会話できたものですから、少々調子に乗りました)
はぁ、はぁ……。
落ち着け、俺。落ち着け斎藤和也。
──目の前で全裸のおかんが頭を下げてるとか、シュールすぎるだろ。ていうかこれもう夢オチでいいんじゃね?
「よし、ナビゲーション。お前には今から俺の理想の姿になってもらうからな?もちろん拒否権はねぇよなぁ?」
(かしこまりました。主様のご命令とあらば)
再び淡い光に包まれるナビゲーション。俺は目を閉じ、自分の理想像を脳内に思い描く──。
光が収まると、そこに現れたのは:
身長150cmくらいの小柄なボディ。黒髪ショートカット。少しボーイッシュな顔立ちだけど、胸はでかい。服装はTシャツの上にダボダボの長袖パーカー(もちろん萌え袖)、ミニスカートという完璧仕様。
「ナビゲーション……いや、ナビちゃん……いや、ナビ様!最高っす!俺の脳内がスタンディングオベーションですわ!」
(お褒めにあずかり光栄です。では改めて、ステータスと世界の説明を始めさせていただきます)
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❪ 名 前 ❫ 斎藤 和也
❪ 年 齢 ❫ 26歳
❪ 種 族 ❫ 異世界人〘人間〙
❪ レベル ❫ 1
❪ 体 力 ❫ 104
❪ 魔力量 ❫ 37
❪ 攻撃力 ❫ 63
❪ 防御力 ❫ 42
❪ 魔法力 ❫ 21
❪ 魔防力 ❫ 29
❪ 俊敏力 ❫ 78
❪ スキル ❫ なし
❪固有スキル❫ ナビゲーション
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……やっぱ、何度見ても普通すぎない?どこが異世界のチートだよ!
「異世界転移=俺TUEEEEじゃねぇのかよ!?」
(その点についてですが、主様は“召喚”されたわけではありません。“迷い込んだ”のです)
「……え?」
(つまり主様は、どこにでもある玄関のドアを開けたら、うっかり異世界に迷い込んでしまった──という状態です)
「いや待て待て待て!俺、普通に帰宅しただけだぞ!?死んでねぇし!?これ完全に某猫型ロボット案件じゃねーか!」
「……ってことは、これ“帰れない系”か!?つーかマジで俺、生きてるよな!?異世界転生じゃないよな!?」
(ご安心ください。主様の肉体は無事にこの世界に転移しております。つまり、生きています。ただし──この世界には、主様のような“人間”はいません)
「……は?」
投稿遅れました