表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ひとりぼっち(仮)の異世界放浪記  作者: 踊る兎人
第1章 とりま異世界放浪
2/6

第2話 お前誰だよ!?


 ──どこからともなく、声が響いた。

 いや、正確には“脳内に直接語りかけられた”ような感覚だった。

 耳で聞こえたわけではない。だけど、確かに聞こえた。


「お前誰だよ!?てか脳内に話しかけられるのとか初めてなんだけど!?しかも誰もいないのに声だけ聞こえるって怖すぎぃ!?ホラー!?異世界ホラー!?」


 ふぅ……取り乱した。いや、取り乱しっぱなしだな。さっきから。


(落ち着いてください。そして、うるさいのでとりあえず黙っていただけますか?)


 ……わーお、辛辣。

 なにこの理不尽な異世界スタートダッシュ。ジャングルに放置されて、見えない誰かに語りかけられて、それに驚いたら速攻で「うるさい」って言われるとは。やだもう怖い……。


(意外と素直ですね。よかったです。では、先ほど“ステータスチェック!(笑)”などと叫ばれていたので、ステータスをオープンさせていただきます)


 うん、いま完全に「(笑)」ついてたよね?バカにされてない?なんか含み笑い聞こえたよね!?


 すると、目の前にパッと薄い光が浮かび、半透明のガラスのようなパネルが出現した。

 そこには──



ーーー ステータスパネル ーーー


❪ 名 前 ❫ 斎藤 和也

❪ 年 齢 ❫ 26歳

❪ 種 族 ❫ 異世界人《人間》

❪ レベル ❫ 1

❪ 体 力 ❫ 104

❪ 魔力量 ❫ 37

❪ 攻撃力 ❫ 63

❪ 防御力 ❫ 42

❪ 魔攻力 ❫ 21

❪ 魔防力 ❫ 29

❪ 俊敏力 ❫ 78

❪ スキル ❫ なし

❪ 固有スキル ❫ ナビゲーション



「……なるほどね?」


 パッと見、体力とか攻撃力とか、まあまあありそうだけど──


「なんか……普通じゃね? 異世界人って肩書きついてるくせに、何の恩恵もなし!? レアスキル爆誕とか、伝説の勇者っぽいのは!?」


 固有スキル“ナビゲーション”って、絶対あれだろ。チュートリアル案内係だろ?


「うーん……恩恵なさそうだし、固有スキル“ナビゲーション”とか、正直クソじゃ──」


(……ほう? 私がクソと?)


「えっ」


(なるほど。では以後、主様に一切の案内はいたしません。この世界の知識、魔法の使い方、危険地域の警告等すべて──永久スリープモードに入らせていただきます)


「ま、待って!ウソウソ!冗談っす!ナビゲーション超重要っす!!生きるために必要っすからぁぁぁ!!」


(……はぁ。仕方ありません。仮にも私は主様のスキルですので。嫌でも逆らえません。チッ)


 今、ため息と舌打ち聞こえたんだけど!?怖っ!


「と、とにかくナビちゃん! 色々と教えてください!」


(……仕方ないですね。ではまず自己紹介から。私は主様、斎藤和也様の固有スキル《ナビゲーション》にございます。呼び方はナビちゃんで構いません)


「ナビちゃんって……お前、女かよ(笑)」


(一応、性別設定上は“女性”です。主様の脳内情報を元に、外見を構築することも可能です)


「……え? それってつまり……俺の“理想の女性像”ってこと?」


(その通りです。ご希望であれば、今ここに“視覚化”してお見せいたしますが?)


 やっべ、ちょっとテンション上がってきたぞ!?

 つまり俺好みの美少女が出てくる可能性が……!


「ぜひお願いします!!俺の理想、見せてくれぇぇぇ!!」


(……了解しました)


 ナビの声が静かに響き、目の前が淡い光に包まれる。

 やがて、輪郭がゆっくりと形を成していき──


 そしてそこに現れたのは──


 

 全 裸 の お か ん。


 


「…………は?」


(主様の“理想の女性像”を脳内から抽出した結果、こうなりました)


「お、俺、そんな性癖ねぇからあああああああああ!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ