猫の友達と入学式、そして獣人差別…?
前回登場した謎の猫少女をメインに入学式だああああ!!
雪華「え、えっと、まずは貴女のお名前を聞かせてくださる?」
ニャンル「はい、私は猫族のニャンルと申します!」
茶色でショートボブの髪の少女、ただ明らかに全地球人大好きなモフモフの耳が付いている。
ニャンル「パパから話を沢山聞きました!女神を殴るという心意気、流石です!!」
クリスタル「雪華様、ここではあれですので後ほど…」
ニャンル「あ、すみません、声大きかったですか?」
雪華「時間が空いたら探すから、また会った時に詳しい話を聞かせてちょうだい。」
ニャンル「分かりました雪華様!」
雪華「様は要らないわ。雪華で良いわよ。」
雪華「それが難しいならちゃんでもさんでも、好きな呼び方で呼んでちょうだい。」
ニャンル「わ、分かりました!が、頑張りましゅっ!!」
噛んだ。何だろう、これはいわゆる妹属性だな。可愛がりたくなる。
・・・・・・・・・・入学式・・・・・・・・・・
ジン「…以上が今年入った1年生の紹介よ。」
あれ?まだ私は呼ばれてないが…
ジン「続いて、飛び級1年生の紹介をするわ。」
なるほど、分けられて紹介されるのか。
ジン「飛び級生徒1名、雪華・ウィリー。」
1名?他に合格者は出なかったのか。だからか周りの視線が痛いな。
ジン「入学おめでとう、だけどこれからが本番よ。」
雪華「はい、ここに入学できたのは私の人生1番の喜び、そしてここでその喜びを実力へと昇華できるよう精進いたします。」
ジン(こいつ誰ってツッコミを入れたくなる挨拶ね。)
ジン「…さて、今日は授業はしないわ。」
ジン「寮に荷物を置き、クラスの表を確認し、同じクラスの生徒の、仲間の顔と名前をできる限り頭に入れるように。」
・・・・・・・・・・寮【雪華の部屋】・・・・・・・・・・
クリスタル「お疲れ様です。1つよろしいでしょうか?」
雪華「どうしたクリス。」
クリスタル「気になっていると思いまして、他の方々の飛び級試験の様子を耳に入れておこうかと。」
クリスタル「他の方々は当たる外れる以前の話で、そもそも的まで魔法が届いていませんでした。」
雪華「やっぱりあれは見た目以上に難しいんだな。」
雪華「さてと、せっかく時間ができたんだ。朝話しかけてくれたニャンルを探したいが…」
雪華「このアホみたいに広い学園内で特定の生徒1人を見つけるって難しくないか?」
クリスタル「どうやらここは2つの魔法で生徒同士の交流をできるようにしているみたいです。」
クリスタル「1つは探知魔法、雪華様含め学生、生徒の皆様には服に貼り付けるネームタグが配られております。」
雪華「これの事だな?」
クリスタル「はい、そのタグに含まれてる魔力は身に着けている人物の魔力をコピーし探知魔法に強く引っかかるような細工がしてあるそうです。」
クリスタル「そしてもう1つがワープ魔法です。」
クリスタル「学園内の至る所にワープポイントがあり、そこに魔力を流し込めば設定した場所にワープができます。」
雪華「確かに便利だが…自分の魔力でか?魔力操作が上手くないせいとはどうするんだ。」
クリスタル「そのレベルの人は生徒にもなれないし、する気も無いという事かと…」
雪華「なるほど、かなり厳しい学園らしいな。」
雪華「どれ、探知魔法だったな。試しにやってみるか。」
クリスタル「感覚的には幻影魔法の煙を学園中に広げるような感覚ですね。」
雪華「…見つけた。そもそもニャンルの魔力が分かるか心配だったが、一度会った生物なら雰囲気が分かるものだな。」
雪華「そして、急いだ方が良さそうだ。」
雪華「ニャンルの周りに複数人の生徒が居るっぽいんだが、魔力が乱れている。」
雪華「恐らくは虐めだろうな。」
異世界ものでは結構な確率で獣人は虐められるが、この世界でもそういうものなんだろうか。
・・・・・・・・・・寮【ニャンルの部屋前】・・・・・・・・・・
ニャンル「ぐっ…わ、私は、パパに誓って、決して悪人以外に手は出さない!」
生徒1「パパだって、あんたのそのパパとやらは犯罪者でしょ。」
生徒2「あんたが言う悪人って奴よ。」
猫族の生徒3「あんたは私達猫族の汚れよ!早くこの学園から…ひっ!」
生徒2「ん?どうし…な、何て膨大な魔力…!あ、足が、勝手に…!!」
生徒1「あれは飛び級の生徒…い、一旦部屋に帰るわよ!」
ニャンル(ああ…雪華さんだ。メイドさんと一緒に走ってくる…)
雪華「結構痛めつけられてるな。クリス、回復魔法!」
クリスタル「畏まりました。ですが私の魔法だけでは心許ないので医務室へ連れて行きましょう。」
ニャンル(パパから聞いた通りの性格…やっぱり最初に話した時は無理してたんですね。)
逃げた生徒の中には獣人の女も居た。どうなっている、獣人差別が原因じゃないのか?
てことでタイトルのミスリードはいかがでしたでしょうか。実は獣人差別じゃなさそうっていうね。
そりゃそうだよ!だってどんな世界でも可愛いは強い!では一体何故彼女は差別を受けたのか…




